ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

平成28年度富士総合火力演習予行〜予行の富士山

2016-08-28 | 自衛隊

鉄火お嬢さんの前回のコメントに、

「チケットが盗難されたらしい」

とありましたが、これを見てハッとしたわたしです。
実はわたしにも、先方が確かに速達で送った、と仰った
25日のチケットが届かないという事件があったばかりだからです。

わたしが地元の郵便局に調査してもらったところ、当初

「配達係が全員戻ってきて聞いたが誰も届けていない」

ということだったのに、送り主が発信元の郵便局から調査してもらったところ、

「週末に茶封筒を確かに届けた」

という人が突如現れたというではありませんか。
なぜ配達係の証言がちょっとの間に変わっているのか。

「確かに届けた」と言った以上、誤配ではなかったということになりますが、
それならどうして郵便局の人は

「誰も届けていない」

などとはっきり言い切ったのか。

ヤフーオークションによると、今年の総火演チケットの相場は平均で2万円です。
そして失くなった封書をめぐる彼らの証言の整合性の取れなさ。

この二つを関連付けて決めつけるつもりはありませんが、それにしても釈然としません。

幸い、例の撮り自軍団にチケットが余っていたため、25日は無事に参加。
失くなったチケットを送ってくれた方は、なんと富士学校から直接、
つまり産地直送で27日の券を手配するように気を遣って下さったので、
本日も二回目となる総火演見学に行き、帰って来ました。

これがまた色々とありましてね・・・。

まあ、それはネタのつもりでまたご報告することにいたしましょう。



予行演習は6時半がいわゆる「初弾」です。
それからだいたい2時間くらい、プログラムとは少し違う順番で行われます。

偵察のオート隊が済んだら、次は近距離火力。
いわゆる普通科火力のリハーサルが行われます。

96式装輪装甲車が96式40mm敵弾銃を試射。



相手を怯ませておいてその隙に後ろから駆け出してくる人。
小銃の部隊です。

 

96式の弾着は40ミリ弾なので派手です。



89式装甲戦闘車は「歩兵戦車」といって、歩兵を運ぶという役割もあり、
そのときには後ろの観音開きのドアから出てくるんだと思います。
乗員3名以外に7名が乗ることができますが、形が「戦車」なので
近距離火力と言いながらなかなかの破壊力です。 




弾が違えば弾着後の破裂も違う。
これは対戦車砲(車体の両肩についている)ではないかと思われます。



そして89式が砲撃によって相手を掃討した隙に、



普通科教導連隊が120ミリ迫撃砲RTがやってくる、というわけ。
一台に乗っているのが1個射撃班といい、
車両の乗員2名と砲員4名の合計6名から成ります。



今回はこの迫撃砲に焦点を当ててみました。(撮りやすかった)
この4名が砲員となります。
まず砲口にかぶせてある牽引用のフック兼カバーを取ります。
この隊員だけが安全チョッキみたいなのを着ていますね。



組み立ての間赤ヘルと青ヘルは直立不動。
あのヘルの背中には通信設備が。

赤ヘルの人もただ立っているのではなく、安全確認をしています。
青ヘルは発射の指示をする係です。



木箱には弾が入っていたんでしょうね。
地面に転がっている黒い筒はきっと保護ケースかなんか?



赤ヘルが指差しているのはきっと「前方よし」みたいな確認だと思われます。
一人が撃ち、一人が銃身に弾を込め、後二人は弾の準備。 

以外と原始的?というか、よっこらせ!と上から弾を差し入れます。



ここから、防弾チョッキ?を着た隊員のほぼ一人部隊。いや舞台。
砲口で下に落ちないように合図が出るまで抑えているという。

青ヘルも赤ヘルも上に手を挙げています。



合図とともに手を離すのですが、その瞬間をアップにしてみました。
口が開いていますが、何か掛け声でもかけているのでしょうか。



青ヘルはまだ赤旗を挙げていますね。
砲口に弾を落とすと同時に体を銃の下に沈めていきます。
今、弾の先端だけが見えている状態。

隊員の一人が耳を塞いでいます。



彼が体を落とすと同時に腕を広げる動作をしたその瞬間、
砲身から放たれる熱波が周りの空気を歪ませます。
ほとんど同時に上空には弾が飛翔し・・・・、ってあれ?



さっき筒に落としたものと形が違うんですが・・・。



砲口が火を噴くのはその後なんですね。



終わった途端、「陣地変換」、つまり撤退です。
これらの動作には1分もかからなかったと思います。



砲を車に接続し、木箱もちゃんとお片づけ。
液体の入るコンテナを持っていますが、これは消火用の水かなんかでしょうか。



続いて特科火砲、遠距離火力砲のリハーサルです。
203mm自走榴弾砲がまず登場。



榴弾砲の車員(っていうのかな)たち。
射撃に必要なのは13名だそうですが、中に乗れないのでこうやって上に乗ってやってきます。
いざ戦闘となったらこんなことはせず、別の車両で運ばれてくるそうです。



99式弾薬給弾車。
99式自走155mmりゅう弾砲に随伴し、弾薬を給弾するための装備です。

 

こちらはFH70。
FHとは「フィールド・ハウザー」の意味があったんですね。

自走できるのは車両用のエンジンを積んでいるからです。
もともと西ドイツとイタリアの共同開発だったのでそれは
フォルクスワーゲンのエンジンだったのですが、自衛隊のは
富士重工業製水平対向エンジン(1,800cc)です。

基本的に牽引されるもので、自走能力はそんなに高くないようです。



上に乗っているのが砲手でしょうか。



この時には車に牽引されていたのですが、牽引部分と砲身をロープで結んであり、
今それを解いているようです。
黄色いマークは、解説のために置いてあります。



20榴は砲撃目標に向けて定位置に就きました。



異なった種類の砲を同時に弾着させたり、富士山の絵を描いたり。
ということで特科火砲の演目はおそらく戦車と同じくらい人気があります。

 

特科火砲は砲身から火を噴いているような写真は撮りにくい。
というかまだ撮ったことがありません。



砲手が後ろを振り返った・・・・と思ったら、



撃ちました。
何度見ても何が合図になっているのかわかりません。



さて、いよいよ?火砲で富士山!の時間です。
火砲によって弾着の速さが違うので、タイミングをずらし、
なおかつ富士山の絵を描くという超高度な技量を必要とします。

まずFHと20榴がほぼ同時に射撃。



続いて99式15榴(こちらのは向こうを向けて向きを変えて撃っている)。



富士山は右側から現れます。



遅れて左からも現れ、頂上が最後なのですが・・、



あれ?



あらあら、右斜面が欠けている富士山になってしまいました。

「失敗だ」

周りではそんな声が上がっていたのですが、ちょっとお待ちください。
これはリハーサルです。

彼らは全員が引き上げていきまししたが、その後会場から見えないところから 
今度は綺麗な富士山を描き、本番も完璧に決めてくれました。

本当に、わたしが知る限り、本番で失敗したことが一度もないんですよね。
恐るべし特科火砲部隊。


続く。