25日、27日の予行を立て続けに参加したわたしですが、
さすがに本番の28日のお誘いには限界を感じお断りしました。
なぜなら、
「前夜中に御殿場駅周辺の駐車場に車を駐めて、そこで仮眠、
朝4時に主催者の車(駐車場券あり)に乗って現地で開場を待つ」
というプランだったからです(笑)
当日の現地の天気予報は曇りでした。
しかし土曜日の予行も、予報では小雨だったのに終盤に激しい雨が降りましたし、
山の天気は予報は全く当てにならないので、まずそれが不安材料。
そんな中、駐車場に戻るのに何時間もかけて、さらにその後、
御殿場から車を運転して帰ってくる、というのは、前日3時に起きて、
ただでさえ寝不足での身には辛いし、眠りに関しては無駄に神経質で
怖がりのわたしに、見知らぬ土地の駐車場で寝るなんてそもそも無理ゲーすぎ。
25日の予行日が晴天で(暑くて辛かったですけどね)、写真は
まあ普通のものがすでに撮れていたのも、断念する理由となりました。
総火演に行かれたことのない方や、行っても自衛隊幹部がエスコートについてくれ、
黒塗りの車で登場してそれで帰る人はおそらくご存知ないと思いますが、
このイベントの何が大変かといって、修了後の会場からの離脱なんですよ。
自衛隊が用意した駐車場は、中畑、鏡原、海苔川などいくつもありますが、
そのうちバスに乗らず歩いて往復できるのは一つだけ。
わたしは最初の年これだったので、早く来れて帰りも楽でしたが、
重い荷物を担いで大きな砂利の転がる道に延々と列を作り、
バスに乗り込むのに下手したら1時間かかるというのが普通なのです。
バスを待つ広場にたどり着くまでの道で、杖をついたご老人とか、
手を繋がなければいけないような幼児と一緒に歩いている人を
今回何人も見かけましたが、果たしてこのうち何人が、
会場周りの足場がこんなに悪いと知っての上だったのか・・・。
たまたま会場の様子を撮ったら写っていた、この子供連れのお母さんも
会場の様子をご存知なかったのでしょうか。
ミニスカートに高さ12センチのストームヒール、しかも生足です。
この靴で、5センチ大の砂利が転がる坂道を歩かなくても済んだことを、
せめてシート席(つまり地面)ではなく、スタンド席に座っていたことを、
他人事ながら祈ってやみません。
会場にはタクシーはしょっちゅうやってきますので、
3900円(特別料金)で御殿場駅まで行くのが帰りは楽ですが、
考えることは皆同じ、御殿場周辺の駐車場はまず当日は確実に、
そして前日夜からすでに満杯になってしまうようです。
しかしこんな大変だと知っていたとしても、やっぱりこれがなくては
夏の終わりを迎えられないと多くの人が参加するのが総火演です。
まるで花火大会みたいですが、花火大会より非日常的で、国防という
可視しにくい「日本の本気。」(今年のパンフレットより)が
この行事に凝縮されているからこそ、これほどまでに人が集まるのでしょう。
ちなみに今年のチケット当選倍率は28倍だったそうです。
三日目のチケットを体力の関係で無駄にしてしまったなんて書くと、
なんだか顰蹙を買いそうだなあ((((; ̄ー ̄A
というわけで、リハーサルの続きからです。
この日は晴れていたため、ヘリがとてもいい感じで撮れました。
この写真のシャッタースピードは1/160です。
ヘリを撮るときにこれくらいのシャッタースピードだと
本体がぶれてしまうのですが、総火演ではアパッチは
攻撃のときにピタリと動きを止めてホバリングしてくれるので撮りやすいのです。
晴れていましたが湿度が高かったのでローターにベイパーが確認されています。
ペイパーとは、ローターからこぼれた空気が急減圧されたところに、
空気中に含まれる水分が凝結作用することにより発生してできる現象です。
早い時間に戦車隊がリハーサルを済ませてしまっていたので、
アパッチの銃撃でリハーサルは終了でした。
これから10時までおよそ2時間くらい、フィールドの整備が行われます。
整備は陸上自衛隊富士学校富士教導団の教育支援施設隊です。
ところで富士学校という名前ですが、普通科・野戦特科・機甲科(戦車、偵察)
及びその3職種の相互協同に関わる教育訓練を行うものの、
いわゆる学校(学校教育法で定められる)とは違う組織です。
防衛大学校が「大学」でないのと同じですね。
現場では施設隊について何も紹介がありませんが、パンフレットには
出演部隊としてちゃんと全員の写真が掲載されています。
ところでパンフレットの部隊紹介ページには、偵察教導隊の下に偵察警戒車、
普通科教導連隊の下に中距離多目的誘導弾や89式装甲戦闘車と
部隊に関係のある装備を載せているのですが、
教育支援施設隊の下にはなぜか「指向性散弾」の写真があります。
指向性散弾はつまるところ対車輌用の地雷です。
湾曲した箱状の本体に炸薬と直径1cmほどの金属球が数百個ほど仕込まれ、
爆発させるとそれらの金属球が前方の目標を一瞬にして制圧する武器。
ちなみに目標とは基本車両および人間のことです。
総火演では敵歩兵に見立てた風船を指向性散弾で破裂させますが、
これを設置するのはどうやら施設隊の任務らしいですね。
地面の整備だけではなく、ちゃんとこのような「戦闘行為」も
やっているんですよ!という説明でしょうか。
さて、リハーサル終了から本番までの間、昼食になるものを
買ってきた方が良い、と言われて外に出ました。
スタンドの階段下には射撃中の表示と踏切のようなバーが。
駐車場との送迎バスの中から富士演習場の周りで見るのと同じものです。
戦車や特科火砲などの射撃中には入場させないということでしょうか。
何か危険というなら、会場にいる人全てが危険ということになりますが・・。
丸い土管を切ったような構造物にドア。
隊員が入っていくところを目撃しました。
この時にはなんだかわからなかったのですが、演習終了後、
たくさんの人がこの前に列を作っていたのでトイレだったとわかりました。
会場にはたくさん仮設トイレが用意されていますが、あまりにも人が多く
終了後にはそれだけでは足りなくなってしまうので、
隊員用の「常設トイレ」を客のために貸し出したようですね。
ちなみに女性用は意外なくらい混みません。
やはり全体の人数に対して女性の参加者が少ないのでしょう。
お弁当を買いに行くついでに物販店を見て歩きました。
総火演のことは「FUJI FIRE POWER」というのか・・_φ(・_・
Tシャツの「レンジャー5則」とは
一、飯は食うものと思うな
二、道は歩くものと思うな
三、夜は寝るものと思うな
四、休みはあるものと思うな
五、教官・助教は神様と思え
最後の「五」だけが「思え」って・・・。
これはきっと教官か助教が作った標語だな(ドヤ顔)
帽子がなくてはとても生きていける環境ではないため、現地で
お土産代わりに買ってしまう人もたくさんいます。
空挺団、レンジャー、90戦車隊はわかるとして、陸自迷彩に
「ブルーインパルス」のロゴ帽子が(謎)
ところで会場で陸自戦闘服(ガチ)に陸自用らしい編上靴(これもガチ)
もちろん陸自用迷彩のキャップとガチガチにコスプレした女性を見かけました。
わたしの横にいた人たちが
「ああいうのはどうかと思う」
と非難していたのですが、元自衛隊か現役予備自かもしれないでしょ?
さすがに官品を着ているわけではないと思いますが。
おなじみ「元気バッチリ!」そしてあの「撃!」などが売られています。
この「撃!」まんじゅうですが、なんとプログラム印刷を手がけた
防衛ホーム新聞社がアルバイトに作っているのだそうです。
それがなぜわかったかというと、プログラムに書いてあったからです。
曰く、
防衛ホーム新聞社は、昭和47年から自衛隊の広報紙を発刊し、
全国の部隊および自衛隊関連施設(一部の海外にも!)ご家族の方に
ご愛読いただいております。
私たちは新聞を作りながら「気になる存在だけれど、別の世界の話」とする
国民の意識と自衛隊の距離を常に感じていました。
そこで少しでも国民と防衛省・自衛隊の距離を縮めることはできないか、
応援することはできないか、さらに、身近に感じてもらうとともに、
もっと感覚的に受け入れてもらえる方法はないかと模索していました。
そして・・・・2001年に自衛隊土産におけるパイオニアとして
「撃まんじゅう」を考案しました。
「今までにない自衛隊商品」と数多くのテレビや雑誌などの取材・問い合わせが
殺到・・・・そのようなお力もあり、おかげでヒット商品となりました。
防衛省・自衛隊を茶化したり面白おかしくいじるでもなく、
「質実剛健なお饅頭が素晴らしい」と絶大な支持を現在でもいただいております。
「自衛隊のなかでしか買えないお土産”撃シリーズ”」の包装紙は
新聞社ならではの写真やイラストを使用。
借り物を使用しなくてもいいのです。
”撃シリーズ”には、おまんじゅうの他におせんべい、カレー、
ジーンズ(←)などがあり、各地の駐屯地や基地
(防衛省内では”防衛省限定”商品もあります)で販売し大好評を得ています。
つい思わず全文紹介してしまった・・・・。
ところで、わたしがこのブースに目を留めたのは、翻る旗に描かれたゴルゴ13。
旗なので裏返ってしまっていますが、
「ゴルゴ13、自衛隊 入隊?」
というロゴに描かれた陸自ヘルメットのゴルゴ。
いやー、いいねえ。
なんて似合ってるんだゴルゴ。
ゴルゴが入隊って、年齢的にも新入隊は無理だから、
これは予備自衛官・・・・ってことかな?
調べたところ、こんなコラボ企画があったことが判明。
ちゃんと設営隊まであるのが泣かせます。
別のイラストにはカレー食べているゴルゴ、なんてのもありました。
で、ブルーインパルスバージョンなんかもあったりするわけですが、
個人的にはやはり陸自装備が似合ってる気がするのよね。
この日、対人狙撃銃や無反動砲など、遠距離からバンバン目標に当て、
絶対に外さない陸自隊員の「本気。」(パンフレットより)を見て、
周りの人が「ゴルゴみたい〜」といっておりました。
自衛隊とゴルゴのコラボ、これいいんじゃないでしょうか。
当ブログ的にもこのコラボグッズにこれからも注目してみたいと思います。
って何の話だ。
続く。