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なでしこジャパンの勝利をアメリカで観た

2011-07-18 | 日本のこと

おめでとう!なでしこJAPAN!

たまたまですが、野球サッカーとスポーツをテーマに続けて書くことになりました。
これが書かずにいられましょうか。
日本時間では夜中の3時という試合時間ですが、ここサンフランシスコでは朝8時。
昨日ボストンから移動してたので、ちょうどいい時間でTVを観ることができました。

ドイツに勝った後も日本では
「アメリカは今まで一度も勝ったことがないラスボスだから絶対無理」
と言われていたようですが、ここアメリカでは?
アメリカのスポーツ番組がどのようにこの試合を伝えていたかということを中心に、
TV画面を撮ったお見苦しい写真でお送りします。
この試合の解説は、もと選手の女性、FIFAの関係者、アナウンサーの三人。

この人たちの解説は実に冷静で、しかも公平。
アメリカが点を入れられても日本のアナウンサーのように「ああああ~」
「残念~」
なんて感情的になる瞬間は一度もありません。
「今のフォーメーションは日本がクレバーでしたね」とか、
「どちらのチームもここはしがみついても点がほしいところです」とか、
まさに実況そのもので、スポーツ実況はこうあって欲しいという御手本のような。
勿論、澤選手の急襲をアメリカがしのいだ時は
「何と言うデンジャラスなサワでしょうか、何とかアメリカは助かりました」
くらいのことは言っていましたが。

何が何でもつまらないおしゃべりで時間を埋めることをせず、
特にありがちな「選手の素顔」なんかをだらだらしゃべったりしないのが特によかった。
ただ、何度か彼らが触れたのは
「日本の津波、そしてフクシマの災害」。


「彼女は友人を先般の地震の際、津波で亡くしました」
「彼女の知り合いは福島にいて・・・」
何度かこのような解説があり、わたしも初めて知ったくらいなのです。
それから今回日本チームがかつてのチャンピオンドイツを、それも開催国で破った、
それは驚くべきであるということを彼らは何度も繰り返していました。

アメリカ側については、一度だけアフガニスタンにいる戦闘部隊がみんなで応援している
映像が何故かはさまれました。
オバマ大統領の「観に行けなくてごめんね」というメッセージも紹介していました。

アメリカでは女子サッカーは人気がありますから、選手の素顔をドキュメンタリー風にした番組を作ったり
ナイキなどは彼女らを使ってCMを撮っています。
しかし、国民が「それ一色」になることがないお国柄なので、実に淡々としています。
やっぱり、文明国ほどスポーツをスポーツとして捕える姿勢が潔いのかもしれません。
日本での放送実況が、あまり見苦しいものになってないといいなあとふと思いました。
観ている観客は思いっきりいれ込めばいいんですけど、実況にあからさまに応援されると
あまり敵国側としてはいい感じしませんからね。


延長30分で「すかー」って感じに入れられたときのゴール寸前。
このときは、なぜか日本選手の足が止まっているように見えていたので、
なんとなく「やっぱり入れられたか」って感じでした。

倒れた選手に手を差し伸べてからプレイに戻る澤選手。
かっこよかった。


1対1の同点に追いついたときの宮間のゴール寸前。
 
同点に追いついたときの澤アニキの雄姿。
こちらのアナウンサーも澤選手とGK(とくにPK戦での)を絶賛していました。
フリーキック。
レッドカードが出たとき「ああーもう駄目かも」って思ってしまいましたが。
入れられても入れられても何となくふわっと入れ返して、
全然彼女らは精神的に落ち込む瞬間がなかったんですね。
波に乗っているときって、こんなものなのでしょうか。
このキックも実に危なげなく防いでいましたね。
そして、PK戦二点目先取の瞬間。 
愕然とするアメリカ選手。この人きれいですよね。そういう意味でも人気があるようで
「結婚してくれ!」と写真付きのプラカードを持っているお調子者のファンがいましたよ。



この「信じられない!アメリカに対して」と言う字幕は、はからずも
常勝で、日本には今まで一度も負けたことのないアメリカが負けたことに、
素直にびっくりしている様子が現れています。
しかし、監督のインタビューは


「我々は少しのミスはあったものの、決して出来が悪かったわけではない。
しかし、それ以上に日本が頑張ったということだ。
選手たちが実に信用できる(画像部分の台詞)プレイに終始したということだ
ほんの小さな違いがこの結果を生んだ」というもの。そして、



ワムバック選手(キャプテン?)は
「勝ちたかった。私たちはいいサッカーをしたと思っている。
決勝戦に相応しい試合だった。日本選手はどんなときも決してあきらめなかった。
日本の人たちは彼女らを誇っていい。心からおめでとうを言わせてもらう」
というこちらも実に男前なコメントを残しておられます。
日本選手はあきらめなかった、と二回繰り返して言っていました。
(この人も凄く人気がある選手です。
ワムバックはプレジデント!というカードをあげている観客がいました)

そして、解説者は
「我々は今まで日本チームを『小さなサッカーをするチーム』だと思ってきた。
しかし、その小さなサッカーで彼女らは世界一をつかんだ」


そして解説の女性は「オメデトウゴザイマス」と日本語を披露。
男性司会者に「意味は?」と聞かれて、
「もちろん、おめでとうってことよ!」となでしこの勝利を讃えてくれました。

そうそう、そう言えば試合の途中に
「彼女らのニックネーム、NADESHIKOは、PINK FLOWERのことだそうです」
という紹介がありました。
しとやかな日本女性のことを例える花だから、という紹介まではしていませんでしたが・・・。
だいたい、しとやかに相当するぴったりな英語って、無いように思います。
Graceful,modest,gentle,このあたりの混合かな。

もしこういう意味だとアメリカ人が知ったら
「なぜサッカー選手のニックネームが・・・・?」って思うかもしれませんね。


勿論こちらでは表彰式を放送しましたよ。
日本ではわざわざカットしたそうですね。