◎ありとあらゆるバカげたことが起こっている
野球の大谷翔平の通訳にして、キャッチボール相手、壁当てルーティンのサポート、投球やスイング強度の測定など、欠かせない練習パートナーだった水原一平氏が、2024年3月20日ドジャースから突然解雇された。
原因は、水原一平氏がギャンブル依存だった所に違法賭博に関与し、大谷翔平の口座から7億円弱送金させたことらしい。なお日本でも賭博関与では球界永久追放の前例があり、大谷翔平の関与のないことを祈りたい。
SNSでは、マスコミの寵児周辺に降ってわいたスキャンダルに対し、金の流れや大谷翔平の関与の具合の他に、ギャンブル依存に関する意見が見受けられる。
昔、さる大手企業の社長と4、5人での中国宮廷料理に陪食した際に、その社長が大の麻雀好きだと知った。人は仕事と出世がこの方のように順風満帆であって老年に至っても、真の生きがいを求めて、あくまで麻雀というギャンブルに打ち込むものなのだということを感得させられた。
身近に7億円動かせなくとも、ゲーム課金やパチンコ、パチスロ、オンラインカジノ、競輪、競馬、競艇などで、ささやかなあるいは人生の最も大切な何かを賭けるスリルを求めがちなことはよくある。生きがいを求めるために広義のギャンブル依存にはまっている人は少なくないが、本当の生きがいを求めるということは、自分に素直になる一環であって、本来その動機は誰にも咎めることはできないもの。
だが、広義のギャンブル依存によって、まま人生を棒に振るということはあるものだ。
10代後半、20代前半の時期にそういうものが始まることが多いが、受験勉強、資格取得、恋愛など多事多端で忙殺されている時期だからこそそういうものに熱中しやすいということもある。
人間の行動は、基本フリーハンドだが、奨学金返済、住宅ローンなどで何十年の人生を縛る仕掛けは多いが、若いうちから何が本当に大切で何がそうでないか感じつつ、注意深くあることは必要なものだと思う。
だから若い時分からの冥想(瞑想)習慣は、意外に大事だと思う。
以下は、ダンテス・ダイジのニルヴァーナのプロセスとテクニックの巻末詩から。
『本当に正直になれば、
完全に納得できるものを求めざるを得ないということを
誰でも知っているはずだ。
なまじ、自我が唯一の自分だと思ったが故に、
ありとあらゆるバカげたことが起こっているのだ。
今、大切なことは
ただ一人の
絶対完全、永遠無限人間であることが
自分自身であることに
目覚めること以外にありません。
そして、それには
いわゆる人間と称するものの限界性を
とことん知り尽さなければなりません。
なぜなら、本当に正直になれば、
その限界をいやという程知っているに違いないからです。』
(ニルヴァーナのプロセスとテクニック/ダンテス・ダイジ/森北出版P143-144から引用)