◎打つ手なしから望外のホーキンソンの活躍
昨夜のバスケットボール男子・W杯日本対カーボベルデ戦は、第三Q終了時点で18点の大差でリードし、楽勝ムードが漂っていた。
ところが好事魔多し。必死に食らいつくカーボベルデは、第四Q着々とゴールを積み重ねる一方で、日本は、最初の7分間3ポイントを中心にシュートを打ち続けるが、ことごとく外れまくるという悪夢の展開。残り1分で、得点はついに74-71となり絶対絶命となった。
3ポイントだって平均40%は入るものだが、7分間外れてばかりいるものか。サッカー日本代表のドーハの悲劇の時も、このままの得点で進めばW杯に初出場できるところを、チーム全体が糸の切れた凧のようにふわふわし続けて、最後終了間際に失点して結局W杯に進めなかった。
その時とよく似た雰囲気がやってきたのだ。
そうした流れを変える人物は、6か月前に帰化したばかりの元外人ジョシュ・ホーキンソンだった。この後一人で2点、3点と追加し、勝利をたぐり寄せた。ホーキンソンなかりせば、勝利はなかった。
神話や古代の伝承では、あのように圧倒的に敵が優勢な流れを変えるのは、トリックスターなのだが、トリックスター自身が流れを変える場合とトリックスターの指図を受けた何も知らない人物が変える場合とがある。ホーキンソンがどちらだったのはわからないが、日本人にはとてつもない勇気あるプレーの数々に見えたのではないか。
試合後マスコミは、トム・ホーバスHCの選手に自信を植え付けたことや、やってきた練習方針を信じることが結実したと評価する記事が多いが、その戦略の中心の3Pシュートがあれだけ外れまくれば、ホーバスHCも打つ手はなかったのではないか。
日本の立替は外国(外人)の手によると予言されて、明治維新という立替も英国の支援を受けて成功させ、第二次世界大戦でも米国により日本は立替えられた。日本が崖っぷちに立たされられた時、そのゲームチェンジャーは、なぜか毎度外国・(元)外人なのである。今般は、ホーキンソン。ただしその基礎を作ったホーバスHCも評価される。
日本は勝ったから、その危機の第4Qのことは忘れ去られていくが、国内政治も経済も、ドーハの悲劇直前のようにふわふわしていて、隣国中国の暴発でひどい目に会いそうな雰囲気は感じているのではないか。
このように、ぎりぎりのところで、予想外の外人(外国)助っ人がこれまでいたが、マッカーサーの時にように日本が負けたシーンもあった。今後もそう。
対カーボベルデ戦は、バスケットボールどころではない部分まで感じさせられるところがあった。