アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

張良と仙人

2024-07-23 04:07:00 | 道教neo

◎仙人出現を招く

(2007-04-07)

 

始皇帝の秦を倒して漢を開いた劉邦の軍師が張良である。張良はもともと病弱であり、漢の統一成った後、一年以上外出せず、穀類を食べず、導引を行って養生に努めていた時期がある。

 

張良は、秦に滅ぼされた韓の五代の王に仕えた宰相の家の生まれであり、私財を投げ打って始皇帝を暗殺しようと、大力の士を雇い重さ120斤の鉄槌を作り、その機会を窺っていた。

 

始皇帝が東に行幸している時、河南省博浪沙で、張良と大力の士は襲撃を敢行した。ところが失敗して、鉄槌を始皇帝の属官の車に当てただけに終り、以後始皇帝により全国指名手配されることになった。

 

そうした中で張良は、名前を変え、江蘇省下邳に逃亡、潜伏していた。ある日下邳の町をぶらぶらしていると、粗末な身なりの老人が張良の前でわざと靴を橋の下に落とし、「小僧、おりていって、靴をとって来い」と命じた。

 

張良は、びっくりして、とんでもないことを言うじじいだ、ぶん殴ってやろうと思ったが、年寄りのことだしと、ぐっと我慢して橋の下まで靴を取りにいって老人のところに持ってきた。

 

老人は、「その靴を履かせろ」というので、ここまで我慢してやったから我慢ついでに履かせてやろうと思い、履かせてやった。

 

すると老人は笑って立ち去った。張良は意外な展開でちょっと当惑したけど、目礼で見送った。老人は400メートルくらい行ってから戻って来て、「小僧、いいことを教えてやろう。五日後の早朝にわしとここで会え」

 

五日後の早朝に張良が橋にやってきてみると、老人は既に来ており、「老人と約束して遅れるとは何事だ。出直して来い。また五日後の早朝に会おう」

 

また五日後に張良は夜中に出かけた。しばらくすると老人もやってきて、「こうこなくてはいけない」と喜んで、懐中から一篇の書を取り出して、「これを読めば、王者の軍師になることができるだろう。十年たって興隆し、十三年にお前はわしに会うだろう。わしは、山東省の穀城山の麓にある黄石だ」とだけ言い残して立ち去った。この書は太公望呂尚の兵法書であった。

 

この話は、仙人の方が張良に、わざわざ義理を作ってあげて、太公望の兵法書を与えることで借りができないような配慮をしてくれていることがうかがえる。逆にこの仙人を呼び出すことになった深い願望が張良にあったとも見ることができる。

 

また太公望の兵法書は、三略であるとも言われ、出版されているが、これを読んでも誰でも帝王の師となるわけではない。

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人間の進化とアトランティス-3

2024-07-23 03:02:44 | メインストリーム予言と先行モデル

◎人類史上最大の大輪の花が咲く時代へ

 

ダンテス・ダイジによれば、レムリア人は意欲人、アトランティス人は感情人、現代人は知性人。そして知情意を完備した姿が人間の完成形である。

 

現代文明はメディテーションとしての冥想のめの字もない文明だが、アトランティス文明でも冥想は意識せられていたし、アトランティス文明に先行したレムリア文明においても生活の中に冥想は息づいていた(ダンテス・ダイジ/戯れに冥想を)。現代の近代西欧文明とはまことに冥想砂漠であって、文明の精華である神の息吹がほとんど感じられない文明となり果てた。

 

OSHOバグワンは、人間の水平方向の発達は既に停止し、これからは、垂直に進化するだけだと云う。

『進化は水平に働くが、方法や技法や宗教は垂直に働く。

 

人間の体は停止した―――すでにある一点に達した。終点だ。もはやこの先、何の成長もない。水平的には、進化は停止した。そして今、垂直的な進化が始まる。今現在、あなたがどこにいようと、あなたは垂直に飛躍するしかない。』(ヴィギャンバイラブタントラ8存在と一つに/OSHOバグワン/市民出版社P68-69から引用)

 

過去1万2千年は、

肉体については、悟りに脳が耐えられるように進化してきた。

知性については、知性が発達して、知性自体の行き詰まりによって覚醒することができるように知性が発達してきた。

以上2点がOSHOバグワンの言う肉体の水平方向の進化であって、メインイベントである覚醒を待つだけのステージに至ったのが現代人。

 

また過去5千年は、これは、マヤ歴がスタートしてからの5千年のことだが、また近代西欧文明のスタートから現代における結実までの5千年。生った実は一旦は地に落ちて芽吹くのを待たねばならない。

これは、三位一体と称しながら実質太母なき二位一体のキリスト教主導の近代西欧文明のこと。

この間は、トース型の教祖が万般を指導する組織宗教隆盛の時代であって、いわば水平の悟りが主導の時代。ダンテス型の、組織によらず個々人が悟りを目指していくスタイル、すなわちいわば密教的な垂直の悟りの方向は、蔭に隠されて延命されてきたのであって、主流ではなかった。

神にコンタクトする方法は、この他にチャネリング、神下ろし、シャーマニズム、霊言という方法もあるが、最高神=大神が降りてきて何か素晴らしいことを託宣しても降りてこられた本人は、託宣の中味を知らない上に、最終的な神人合一のためには、さらに一段の修行をせねばならないということがある。

シャーマニズムは、デルフォイの神託や古神道、道教など太古から世界的に行われてきた冥想手法だが、窮極に到達するためには別の冥想法が必要となるという弱点がある。またそれ以前に、本人の浄化が進まないまま神を降ろすと、ろくな神が降りてこないという問題点もある。出口王仁三郎は、数千人に対し神下ろし実験を行い、チャネリング・神下ろしの限界を実地に確認している。

 

こうして現代人におすすめの冥想法は、禅とクンダリーニ・ヨーガとなる。

 

だが、『(人類がもし破滅しないで済めば、禅が最後の宗教になり、人類が破滅するなら、その直前にクンダリーニ・ヨーガが栄える。/ダンテス・ダイジ)』

ということもあり、ある程度垂直の道での覚者が出て行かないと、至福千年のスタートは潤いの少ないものになってしまう。

 

クリシュナムルティは、只管打坐であって、水平の道。OSHOバグワンは、クンダリーニ・ヨーギでありながら、様々な冥想法を呈示しながらも最後は禅宣言したので、水平の道。

ダンテス・ダイジは、垂直の道も『ニルヴァーナのプロセスとテクニック』で示したと言える。

 

中国古代の秦を倒して漢を開いた劉邦の軍師が張良だが、張良が秘伝の兵法書を得た経緯が、垂直の道。張良の兵法書を得るまでのプロセスと13年後に師の黄石に再会するまでが、道教修行(垂直の道)のカリキュラムだったと思う。

 

なお西欧の垂直の道は西洋錬金術。最初の錬金術師としてゾシモスやマリア・プロフェティサが出たのが3世紀。マリア・プロフェティサは、ユダヤ人でユダヤ教から出たのだろう。ユダヤ教は垂直の道。心理学者ユングは、ゾシモスの文書を冥想法に関するものと見ており、マリア・プロフェティサの片言『一は二となり、二は三となり、第三のものから第四のものとして全一なるものの生じ来るなり』も垂直の道の冥想に関するものなのだろうと思う。黄金変成とは、神人合一のことである。

 

アメンティは古代アトランティスの中央官庁兼最高神殿のこと。アメンティは、政教一致のアトランティスの神の宮であり、その最奥殿にトースを中心とする12人の超人あるいはリーダー達がいた。彼らは組織的宗教を体現していた。そしてもうひとりダンテス・ダイジは13番目の超人としていた。アトランティス時代には、トースとダンテスで水平の道と垂直の道をカバーしていたわけだが、現代はダンテス側が表に出る時代であって、密教系もある程度開示される時代なのだろう。

そうでないと悲しみも、叫びも、痛みもない時代にはならないと思う。

アトランティス時代には、アトランティス地方しか開花しなかったが、今度は世界全域が開花する時代。それが、人類史上最大の大輪の花が咲く時代ということ。

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