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2006-05-31 21:40:25 | 日々のこと(一般)
です。今朝「力を入れるべきところを間違えていないでしょうか?」と書いた途端、午後自殺対策法、超党派議員立法で成立見通しというニュースがありました。ちゃんと力を入れていたんですね。

しかしその内容はどうでしょう。読んでないからわかりませんが(読む気もないけれど)「自殺対策を国や自治体の責務と明記する」のだそうです。ウーン、それだけならお気楽なことだなぁ。でも何もしないより効果あるかも。そういう部署を作らなければならないならば、それに関する仕事を作らないといけませんから。一方リソースが限られていれば、どこかを削らなければなりませんね。科学行政を削られなければいいのですが。
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昨日まで都内出張

2006-05-31 07:00:36 | 日々のこと(一般)
でしたが、連続二日人身事故で朝のダイヤが乱れました。初日はまともに影響を受け非常に迷惑。人身事故=自殺と決めつけてはいけないかもしれませんが、実際100%近くそうなのでしょう。

年間自殺者は3万人を越えていますが、行政施策でなんとかならないものでしょうか。交通事故死者数はこんなに減って来ていますが(ただし棒グラフのゲタ省略に注意)、これは飲酒運転厳罰化などの施策が効いている、と白書などでは結論づけています。それなら自殺の方もなんとか減らしたいものです。

そういえば大阪では人身事故あまりないですねえ、と出張仲間と話しました。きっと悲観的関東人と楽観的関西人の違いでしょう、などと話しました。こういういい加減な推量が全くあてにならないことはこの統計を見てわかりました。

それはともかく、今もニュースでは牛肉輸入の問題などを言っています。これは死者は出ていません。交通事故は、大幅に減って来たとはいえ年間7000人弱。自殺は3万人超。行政もマスコミも力を入れるべきところを間違えていないでしょうか?
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シタール

2006-05-29 00:47:36 | コンサート・CD案内
という楽器知っていますか? インドの代表的民族楽器です。インドにはサーランギやサントゥールなど面白い楽器がありますが、シタールが圧倒的に有名です。ビートルズ世代は知っているでしょう。実は今朝(あ、もう昨日ですね)、たまたま「題名のない音楽会」の最後数分を見たら「ノルウェーの森」をやっていました。それで以下に書くCDを紹介しようと思いました。

この楽器はラヴィ・シャンカールという名手がビートルズと親しかったため、ビートルズがとりあげてから一躍有名になりました。このラヴィ・シャンカールは、シタール協奏曲まで作ってしまい、レコードを出しています。30年以上前のことですが。

私はこのシタール協奏曲、好きなのです。もちろんラヴィ・シャンカールの本領はこういう音楽よりはインドの伝統音楽でこそ発揮されるのだし、この曲はショパンのピアノ協奏曲のようにオーケストレーションが薄い感じもありますが、聴いていて実に心地よい音楽です。第一楽章はニ長調の落ち着いた音楽、第二楽章はハチャトゥリアンの協奏曲(Pf, Vn)の二楽章のような風情のロ短調、第三楽章はホ短調のスケルツォ、フィナーレは第一楽章に回帰しますが、牧歌的導入に始まり段々コープランド風の力強い舞踏になって終わるト長調の楽章です。つまり構成は西洋伝統の交響曲風協奏曲。激しい所もあるのですが、決して耳障りでなく、全体として癒し系の音楽です。楽しく、美しく、躍動的でもある、実に聴きやすい音楽。

CDは、というか音源は、シャンカール自身の独奏とアンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の一種類しかありません。録音は1971年。たまにはちょっと変わった音楽を、という向きにはお薦めです。CD番号はEMI CE28-5529。協奏曲の他にジャン・ピエール・ランパルとの二重奏の「朝のラーガ」が入っています。

と、ここまで書いて来て、ジャケットをスキャンするの面倒なのでウェブを調べたら、どうも現在廃盤のようです。入手しにくいものは紹介しないつもりでしたが、せっかくここまで書いたのでupしてしまいます。先に調べればよかった。図書館にでもあればいいのですが。
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今週の一曲

2006-05-28 07:31:45 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。連弾曲の一人二重奏版です。

先週の一曲はショパン24の前奏曲集作品28より第14番変ホ短調でした。1989年のライブ録音。例のコルトーとのイメージ比較ですが、

   私   :「運命への呻きと諦め」
   コルトー:「荒れ狂う海」

コルトーの表題、納得です。終始ユニゾンという点はソナタ第2番の終楽章に似ています。
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打楽器

2006-05-27 07:13:13 | コンサート・CD案内
のCD紹介です。5月11日のブログで紹介した「ピアノ・フェーズ」が入っているCDで、ハンガリーのAmadinda Percussion Groupという打楽器演奏グループの最初のCD「Amadinda」。これを聴けば「こんなコンピューターみたいな演奏が人間に可能なのか?」と思うか「コンピューターはこのくらい正確かもしれないけどこんなに味のある演奏はできないだろう」と思うか。一応どんな雰囲気の曲目か、誤解を恐れずに文字表現してみましょう。

1.ISTVAN MARTA (1952)
 Doll's House Story (1985) [12'46"]
   アフリカの打楽器とガムラン音楽を混ぜたような音楽です。シンセサイザーも入っているようです。
2.LASZLO SARY (1940)
 Pebble Playing in a Pot (1978) [7'56"]
   ミニマル・ミュージックです。マリンバなので響きは4.のピアノ・フェーズに似てます。
3.JOHN CAGE (1912-1992)
 Second Construction (1940) [7'34"]
   打楽器と(おそらくプリペアードされた)ピアノのための曲で、曲想は「プリペアードピアノのためのソナタとインターリュード」のようなひょうきんな感じ。
4.STEVE REICH (1936)
 Piano Phase (1967) [Zsolt S?rk?ny,Zolt?n V?czi - marimbas] [11'45"]
   5月11日のブログ参照。
5.Traditional African music [4'03"]
   5音音階の筒を叩いているような音楽。大変面白い。終わり方もなかなか思いつかないユニークさで大変いい感じ。
 GEORGE HAMILTON GREEN(1893-1970)
6.a) Log Cabin Blues (Blue Fox Trot) [2'21"]
7.b) Charleston Capers [2'29"]
   以上二つはラグタイム。マリンバアンサンブルなので大きなアンティークオルゴールのような響き。スピード感とともに独特の浮遊感あり。
8.Traditional African music [5'18"]
   いかにもアフリカの感じ。草原とジャングルが見えるよう。
9.GEORGE HAMILTON GREEN
 Jovial Jasper (A Slow Drag) [6'20"]
   6.7.と同様。ただし遅めのラグタイム。

打楽器の音楽、面白いですよー。打楽器のレコードは昔はオーディオ装置の性能を見るのに格好な音源として、ことさら現代音楽ファンでなくても使われましたが。
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職業ごと

2006-05-25 22:34:52 | 日々のこと(一般)
に最盛期年齢は全く違います。スポーツ選手は若いし、政治家なら私の年齢くらいではまだまだヒヨッコでしょう。最盛期年齢の話はいずれまた書こうと思いますが、今日はまず医者。これは明らかに年配の方が経験積んでますね。つい先日も若い医者に脅されてさんざん振り回されました。落ち着いて考えるとそれは今までの経験から明らかなんですが。やはり年配の医者の言うことの方が正しいことが多いですね。白い巨塔じゃないけれど、医者の世界で年長者が威張っているのは仕方がないように思います。外科くらいでしょうか、「天才外科医」といえばまず若い医師を思い浮かべるのは。(マンガやドラマの見過ぎ?)

それにしても最近は医者と学校の先生の権威が落ちてますね。地に落ちているところまでは行っていませんが。昔は医者とか学校の先生といえば、その地域の名士でしたよね。最近は全くそんな感じではありません。醜聞にたえない医者や先生が新聞をにぎわせたりもしていますし。

ただ、ときどき思うのですが、私なんかも若干責任あるかなと。というのは、子供が「今日先生がこんな説明したよ」というのを聞いて「あ、それは間違い」とか言っちゃっうこともあるんですよね。そんなの聞いて育った子供は先生を尊敬しなくなるかもしれません。言い方があると思うのです。やはり世の中ムチャクチャにしてしまわないためには、それぞれの人の立場を尊重しなければ。

今回も「あの青二才の医者、アホ」などと言わないようにしよう。
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ワイン

2006-05-24 01:47:29 | 日々のこと(音楽)
が好きです。というと、ほほう、それは語り合いましょうという人がたいていいて、話し込むことになります。が、私の方は実はワインにそれほど詳しいわけではありません。よく、この人こんなに音楽が好きなのにどうして曲名を覚えてくれないんだろう、とか、この人こんなにピアノを弾くのにどうしてピアニストを知らないんだろうという人がいますが、私はワインのそれです。

つい先日、妻と空けたワインは、ビスケルトというチリのワイン産出地のカベルネ・ソーヴィニヨン種の赤ワインで2004年ものでした。このワインがどのくらいのものであるのか知らないのですが、なかなか結構な薫りと味でした。最近は値段のわりに楽しめるワインによく出くわします。薫りのよいワインの場合、私は口にする前に長いこと薫りを楽しむ(それが常道?)のですが、この赤ワインも大変香りが良かったので、口につける前に結構な時間薫りを楽しみました。

  ◇  ◇  ◇  

話は変わりますが、「この人こんなにピアノを弾くのにどうしてピアニストのことを知らないんだろう」という人って本当にいるのですか?想像の産物ではないですか?と言われるかもしれないので、その実例の話をしましょう。

私の旧知の知人で今は一流大企業の理事という大出世をしている人がいます。実はつい先日ひょんなことから久しぶりに会ったので、その人のことを思い出したのです。彼は若い頃のピアノ仲間で、「悲愴」を十八番にしていました。特にその第二楽章は暖かく、聴いていて安らぎを覚えるいい演奏でした。

ある日彼が息を弾ませて「いやー、感激しました。昨日ピアノリサイタルに行ったんだけど、プロってこんなすごい演奏するものかとびっくりしましたよ」と言います。もともと目の細い人ですが、それをあまり大きく見開いて感激しているので、プロのピアノコンサートに初めて行ったんですか?と訊くと、そうなんです、というのでこちらはおったまげ。その興奮がなかなかさめやらぬ風だったので、「いったい誰のコンサートに行ったの?まさか今来ている・・・」と訊いたらそのまさかで「たしかアルゲリッチとかいう女の人」というので、二度おったまげ。そしてしきりに「いやあ、プロってすごい」と感激しっぱなし。あのー、プロが全員アルゲリッチみたいな演奏するわけじゃないんですが、と言ってもはじまらないので言いませんでしたが。

仮にも「悲愴」を他人を楽しませる程度に弾く人がアルゲリッチを知らない、というのも驚きですが、初めて行ったコンサートがテクニック的に全盛期のアルゲリッチだったというのもすごい話です。それが彼にとって幸せなことだったのか?いやまあ幸せなことだったのでしょう。その後プロのコンサートに行っているのか知りませんが。

彼がこのブログ読んでいる確率は0.1%もないと思いますので安心して暴露しているわけです。まあ彼ならこれを読んで怒ることもないでしょう。
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今週の一曲

2006-05-21 00:29:44 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。1989年のライブ録音です。

先週の一曲はバッハのバイオリンソナタ第4番第1楽章でした。1974年か75年の録音。バイオリンはいつぞやと同じ学生時代の音楽仲間です。この曲のupは2回目ですが、1回目はピアノ伴奏で今回はチェンバロ伴奏です。チェンバロですからその場でチューニングしなければ聞くに堪えません。そのバイオリニストが来る前に自分で調律しておきました。調律は古典調律でなく平均律で行いましたが、バロックの雰囲気を出そうと思ってA=440より若干下げてあります。

録音の反省点としては、ヴァイオリンに比べてチェンバロの音量が大きすぎるマイクの位置ですね。生録音をしなくなって久しいので、そう反省すること自体懐かしいことです。事後にバランス調整できるマルチトラック録音ではないので、マイクの位置選びはいろいろ試し、奥が深かった記憶があります。マイクロフォンは電池をセットするエレクトレットコンデンサーマイクロフォンだったので、最近それを箱から取り出し、きちんと動くか試してみましたが、まず最近の機材はコネクターが昔と違います。しかし図体のでかい昔の録音機には繋がるので、やってみたら、一応動作するもんですね。生録音の趣味が復活するかは疑問ですが。
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久々の科学モノ

2006-05-18 23:24:06 | サイエンス
ですが、今日のホヤホヤ速報です。紫外線発光ダイオード(LED)が開発されました。ここに記事がありますが、いつまであるかわからないので少し書きますと、波長は210ナノメートルだから、有名な中村修二さんの青色発光ダイオードの波長の3分の2以下の短波長。材料は窒化アルミニウム。中村さんの窒化ガリウムの親戚物質ではありますが、この世界は少しでも成分が違うと「純粋結晶」を作るノウハウは全く異なるのが普通です。

開発したのはNTT物性科学基礎研究所。私の古巣で、開発者もよく知っている人です。だからといってこのニュース、事前には知りませんでした。今日Nature誌に発表されたということで、ご存じかもしれませんがNature誌は発表日前にニュースにすっぱ抜かれないよう、信頼できるマスコミには紳士協定で多少事前に通知しますが、それ以外は論文の著者にさえも秘匿を守るよう細心の注意を要請するのです。

紫外線は目に見えないので信号機やディスプレイへの応用はありませんが、すぐ思いつくのはDVDの読み書きに使えば記憶容量を一ケタくらい上げられそうです。一枚に映画何本入るのだろう? もしかすると作曲家一人の全作品がDVD一枚に入ってしまうようになる日は目の前かも。
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先日、

2006-05-16 06:26:22 | ぐるめ
母の日にちなんで、私が料理して妻の労をねぎらいました。いや、かえってハラハラさせてねぎらったことにならなかったかもしれませんが。

 そうはいっても若い頃料理の趣味が多少ありました。どちらかというと私のは普段着の料理ですが、たまにはフランス・イタリア系も。昔取った杵柄ということで今回作ったメインディッシュは「白身魚のムニエル・チョコレートソースがけ」。約20年前目黒のフランス料理店で知人にごちそうになり、そのあまりの奇抜さとおいしさにいずれ自分で作ろうと思っていました。
 折しもカカオ72%だの86%だの99%のチョコレートが流行しているこの頃です。どれが適しているかの実験も兼ねて、とりあえず72%と99%のチョコを買いました。白身魚はタラの甘口。塩、胡椒、バジルをなじませたあと、薄力粉をまぶしてバターとオリーブ油で炒めます。チョコを融かすのは湯煎がいいのですが、サボって電子レンジで融かしました。

 実験結果は・・・家族の評判はまずまずでした。チョコレートはおそらく86%が(これはやっていませんが)最適だと思います。99%は苦みが強く、72%はちょっと甘い感じです。あと、チョコレートをそのまま融かしたのでは、あら熱がとれたときに粘性が増すので、もっとソースのトロリ感が欲しい。水溶きココアとブレンドするなどの工夫をした方がいいように思いました。

 それにしても妻には図星をさされました。「母の日というよりは、実験してみたかったんでしょ」
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今週の一曲

2006-05-14 00:01:29 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。少し録音レベルが高いので音量を下げた方がいいかもしれません。この曲のupは2回目?と思われた方は鋭いです。1回目はヴァイオリンとピアノですが今回はヴァイオリンとチェンバロです。

先週の一曲はドビュッシー「夢想」でした。1973録音。ドビュッシー初期の1890年作曲。「月の光」「夜想曲」路線の曲ですが、現実離れした夢の感覚をいっそうよく表現した作曲だと思います。
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以前よりは多少

2006-05-13 08:34:03 | 日々のこと(一般)
本を買うようになりました。そのかわりCDの購入が減っています。原因は明らかなのですが、車通勤をやめたからです。

買ってすぐ後悔することもあるので、少しはポリシーを持って本を買う方がいいのではないかと思いはじめました。そこでどんな風に本を買っているか考えてみました。反省点はあるはずなのでそれはこれから発見しなければならないのですが、逆にこのポリシーはいいじゃないかというのも見つけました。今日はまずその話を。それは、売れ筋上位とか山積みになっている新刊本はまず買わないことです。別に意地を張っているわけではありません。その証拠に店先に積んであるベストセラーをパラパラ見て買うこともゼロではないのですから。ただ、結果的にほとんど買っていません。

なぜ買わないのか理由を考えてみましたが、二つありそうです。一つは、そういったたぐいの本は実際にはつまらない本が多いのではないでしょうか。ちょっと見に面白そうでも、それは表面的なもので、読んだらすぐ売りたくなる場合がほとんどです。
どうも出版社は「稼ぎ頭ベストセラー」と「文化事業としてのまじめな本」を分けて出版している気がします。後者は赤字覚悟かもしれませんが、前者は消耗品的に次々と入れ替えて儲けようとしているように見えます。

もう一つは、そういう売り出し中の本の概要は、黙っていても広告やウェブなどから情報が入ります。だから単位時間単位出費あたりに入る情報量を最大化するには、できるだけ買わないでいることだ、と私は思っているようです。せっかく買って得た知識が実は他の人たちも皆知っている知識というのは、ちょっと興ざめです。逆に、あまり売れないだろうな、図書館にもないだろうな、すぐ絶版になりそうだな、という本で自分が興味を持つものを買うのが投資効率いいように思います。

というわけで、ベストセラーは買わない。でもこれを他人に勧めるつもりはありません。出版社に文化事業を成り立たせるためにも、経済の安定した持続のためにも。
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ピアノ・フェーズ

2006-05-11 06:24:29 | コンサート・CD案内
という曲、知っていますか? 1967年スティーヴ・ライヒ作曲のいわゆるミニマル・ミュージックです。5音からなる12の等価な音符の単純な音型を2台のピアノのユニゾンで延々々々と繰り返す音楽なのです。それだけで音楽が成り立つのかと思うでしょうが、実は音楽の様相(フェーズ)が徐々に変化して行くマジックが隠されています。最初は完全なユニゾンですが、しばらくすると一人がほんのわずかに速度を速めます。その「ほんのわずか」の程度が本当に「無限小摂動」と思えるほど微小で、徐々にずれて行くさまは細かな音型に内包された大きなウナリを感じるような効果があります。そして隣の音の分だけずれると、リズム的には元に戻っていますが、二人は1音ずらした同じパターンをカノン的に弾いているわけです。これを12回繰り返すと全く元に戻りますが、戻るまでは全く同じ「フェーズ」は2度と現れていないので、一曲分の大きなうねりを体験したような感じです。その先は8音で同様のことを行い、さらに4音で行い、最後は一人だけ残って、突然終わります。一柳慧の「ピアノ・メディア」(1961年作曲:こちらの方が早い)と少し通ずるものがあります。

さて、この曲、私は2枚のCDを持っていますが、いずれもピアノでなくマリンバ二人で演奏されています。一つは吉原すみれと山内恭範の演奏、もう一つはAmadinda Percussion Groupの演奏。しかしこの二つの演奏は、聴いた感じが全然異なるのです。両方とも同じような音量で特にアクセントを付けるわけでもなく、楽譜に忠実に演奏されているのに。現代音楽でそのようなことが起こるとは思いませんでした。

何が違うか? 端的に言って演奏速度が違うのです。吉原の方は17分強、Amadindaの方は12分弱だから、1.5倍くらい速度が違います。「じゃあ、Amadindaの方が演奏技術が上なんだね」と思ったら大間違いです。この曲に関する限り遅く演奏する方が困難だと私は思います。そこは「ピアノ・メディア」と違います。

で、どのように感じが違うか説明するのが難しいのですが、Amadindaの方は速度が速い分、曲の推移も速いので「あ、いまずらし始めた」とか「いまずらし終わってまた元のリズムを再現し始めた」というのが感じられる、つまり「フェーズを変えるためのゾーンに入った、出た」のが感じられるのに対し、吉原の方はそれを明瞭に感じ取るにはあまりにも推移が人間の感覚に比べゆったりとしていて、フェーズがいつの間にか変わって行くといった風情なのです。速度が違うだけでこのような定性的な違いが感じられるのが大変面白いと思います。

ところで吉原のCDとAmadindaのCD、ピアノ・フェーズ以外の収録曲は全然異なる選曲ですが、それぞれ大変面白いCDなので、それぞれ後日まるごとCD紹介しましょう。
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連休中に

2006-05-09 01:38:43 | 日々のこと(一般)
本格的な鼻風邪をひきました。不思議なことに私は普段は重い風邪をひくことはないのですが、ゴールデンウィークなど休みが続くとかえって風邪をひきます。よほどプロ意識に溢れた体なのか?
 鼻風邪のいやなのは嗅覚が消えてしまうことです。コーヒーを煎れても苦い味がするだけ。ダージリンもただの赤い湯。おいしい料理も味わいは10分の1くらいになります。こんなときにワインなど絶対あけない方がいいですね。一方、いやな臭いを感じなくていいじゃないかというかもしれませんが、そんなことはありません。知らない間に排気ガスを吸っていたりするのも困ります。

 それで思い出したのですが、4月18日のブログで
「子供の頃からいろんな文明の利器が出て来たけれど、ほとんどはなくてもどうということはない。しかしこれだけは本当にありがたい、これだけは昔に戻るのはいやだ、と私の同輩先輩が一致したものがあります。それは・・・」
と言ったっきりでした。忘れないうちに書いておきましょう。正解は・・・

水洗トイレでした。

 私が子供の頃でも大都市圏にはあったかもしれませんが、毎日普通に生活している分には家でも学校でも皆無でした。昔のトイレは汚かったし臭気が酷く他の部屋にも臭って来るし、中から巨大な蝿がブーンと出て来るし・・・蝿が出て来るということは、上から覗くと・・・やめましょう。これから食事の人にはごめんなさい。
 要するにテレビもパソコンも携帯もエアコンも冷蔵庫も「昔は無くて平気だったんだし、今だってとりたてて危急の必要性はない」と思っている年配の人たちでも、水洗トイレだけはああ本当にすばらしいと思える唯一の文明の利器だというわけです。(TOTOや下水道局の方々が聞いたら泣いて喜ぶでしょう)

 そういえば最近ハエを見ません。昔は家の中にもいっぱいいたし、ハエ取り紙とかいって、天井からつり下がったベタベタした両面テープ(ゴキブリホイホイのハエ版)にいっぱい蝿がくっついている情景が一般的でした。こういうのを「三丁目の夕日」に再現したら、もっと懐かしいと思うか、懐かしさを殺がれるか、どっちでしょうね?
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今週の一曲

2006-05-07 07:39:45 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。1973年録音。

先週の一曲はショパン「24の前奏曲集」から第12曲嬰ト短調でした。1989年のライブ録音。例のコルトーとのイメージ比較ですが、

   私   :「焦燥する若い魂」
   コルトー:「夜の騎行」

全くかけ離れているわけでもないですね。でも「騎行」はわかるけど、なぜ「夜」なのか? この曲、雰囲気的にサン・サーンスの「死の舞踏」に影響を与えたのではないかという気がしますが、サン・サーンスのは夜の間だけ骸骨達が動いて踊る音楽なので、その「夜の雰囲気」と通ずるものがあるのかもしれません。
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