です。中国の研究者達と中華料理を囲んだときのこと。中国側もこちらも大人数だったので大きめの円卓が3つにもなりました。よその円卓がやけに盛り上がっていたので、後で何の話題だったのか聞いたら、驚くべき話を聞きました。
なんでも、同じ大学内で教員の給料が5倍程度の差があるとのこと。教授の中でのことか助教から学長までの話かは聞きそびれましたが、後者だとしても相当な格差です。居たのは教授ばかりでしたから前者の話なのかもしれません。どうしてそんなことになっているのかということも聞きましたが、その主な原因は、海外からの帰国者には海外での給料を保証しているとのことでした。盛り上がっていたのは「おまえ洋行帰りだから5倍もらっているんだろう」などという話になっていたんだそうです。お酒が入っていたから険悪ではなく和気藹藹とやっていましたが。
それが事実と仮定すると、これで一つナゾが解けました。これまで中国から欧米へ(またそれより少数ですが日本にも)留学したり職を得たりした研究者はそのまま海外に居残るケースが非常に多かったのです。韓国もそうでしたが、戻った人は明らかにactivityが落ちていました。ところが、このところ中国の人が中国に戻るケースが目についていたのです。なんでかなと思っていました。
戻った人達は重要職に就いたりリーダーになったりして中国の研究を牽引しています。その研究環境も決して以前ほど悪くはありません。いまや中国の研究はすごい勢いで最先端に肉薄しつつあります。いや、少し先の時点でこの2010年時点のブログに来た人は「なに古い話してるんだ、中国の研究環境はトップじゃないか」ということになっているかもしれません。
さて、それなら日本もそのくらいメリハリつけたらいいのでは?
これは簡単な話ではありません。
日本の研究環境は既に結構いいのです。そんな中で若い研究者がこぞって欧米に行きたくなる仕組みを整えること、これは重要だと思います。欧米は研究環境がよくても、あたかも悪いかのごとくハングリー精神が失われない、という精神環境の良さがありますから。
しかし帰国後の5倍の給料格差というのは極端すぎます。好待遇とそれに付随する期待が過度だと、どういうことが起こるか? おおかたの人はその期待通りに活躍するかもしれませんが、中には「その期待にふさわしい力を持つ人物」を演じ始める人が出て来るかもしれません。「演ずる」とは、酷い場合は捏造に走ったりしたニュースもありましたね。
仕組み作りというのはすごく難しいことと思います。が、これが将来を決めるのでしょう。
なんでも、同じ大学内で教員の給料が5倍程度の差があるとのこと。教授の中でのことか助教から学長までの話かは聞きそびれましたが、後者だとしても相当な格差です。居たのは教授ばかりでしたから前者の話なのかもしれません。どうしてそんなことになっているのかということも聞きましたが、その主な原因は、海外からの帰国者には海外での給料を保証しているとのことでした。盛り上がっていたのは「おまえ洋行帰りだから5倍もらっているんだろう」などという話になっていたんだそうです。お酒が入っていたから険悪ではなく和気藹藹とやっていましたが。
それが事実と仮定すると、これで一つナゾが解けました。これまで中国から欧米へ(またそれより少数ですが日本にも)留学したり職を得たりした研究者はそのまま海外に居残るケースが非常に多かったのです。韓国もそうでしたが、戻った人は明らかにactivityが落ちていました。ところが、このところ中国の人が中国に戻るケースが目についていたのです。なんでかなと思っていました。
戻った人達は重要職に就いたりリーダーになったりして中国の研究を牽引しています。その研究環境も決して以前ほど悪くはありません。いまや中国の研究はすごい勢いで最先端に肉薄しつつあります。いや、少し先の時点でこの2010年時点のブログに来た人は「なに古い話してるんだ、中国の研究環境はトップじゃないか」ということになっているかもしれません。
さて、それなら日本もそのくらいメリハリつけたらいいのでは?
これは簡単な話ではありません。
日本の研究環境は既に結構いいのです。そんな中で若い研究者がこぞって欧米に行きたくなる仕組みを整えること、これは重要だと思います。欧米は研究環境がよくても、あたかも悪いかのごとくハングリー精神が失われない、という精神環境の良さがありますから。
しかし帰国後の5倍の給料格差というのは極端すぎます。好待遇とそれに付随する期待が過度だと、どういうことが起こるか? おおかたの人はその期待通りに活躍するかもしれませんが、中には「その期待にふさわしい力を持つ人物」を演じ始める人が出て来るかもしれません。「演ずる」とは、酷い場合は捏造に走ったりしたニュースもありましたね。
仕組み作りというのはすごく難しいことと思います。が、これが将来を決めるのでしょう。