詠里庵ぶろぐ

詠里庵

とある国際会議

2005-08-30 01:12:55 | サイエンス
日本科学未来館というところでありました。昨日までそれに出ていたのですが、この日本科学未来館、元宇宙飛行士の毛利さんが館長をしている科学の展示施設で、お台場にあります。夏休みも大詰めだからでしょうか、親子連れで賑わっていました。開館時間の10時にはもう長蛇の列。台場駅前やお台場海浜公園のすごい人の波には負けますが、子供の理科離れの心配が声高に叫ばれる昨今、大変結構なことでした。昼時にはレストランも溢れんばかり。新橋からの新交通システム「ゆりかもめ」は乗ってるだけでもなかなか景色が楽しめます。夏休みも終われば混雑もなくなると思います。カップルでも一人で行っても違和感ありません。機会があれば一度いかが?
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今週の一曲

2005-08-28 00:04:06 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。最近研究室の学生にいいことがあったので「幸せ」にちなんだ曲です。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。1974年、自分調律のSchwester。

さて、先週の一曲ですが、ヴィラ・ロボスの組曲「赤ちゃんの家族」第1集から第4曲「Mulatinha」(ゴム製の混血人形)でした。Sound Project'80ライブ録音です。ピアノは浜田山会館のグランド。「赤ちゃんの家族」については7月31日のぶろぐ参照。

ところで元ページのメモリ容量が無料限度の7割に達したので、自演紹介コーナーを少々整理しました。やはり録音データファイルはメモリ食いますね。まだまだ録音をアップするつもりですが、まあ何とかします。
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Max Planck

2005-08-26 23:59:51 | 日々のこと(一般)
研究所から大学院生の来訪がありました。だいぶ疲れた様子で遅く到着したのでどうしたのかと思ったら、駅で「University」と言って切符をもらい、教えてもらった通りに電車に乗って、何番目の駅か教えてもらったところで降りたら、何か巨大な遊園地の前だったそうです。「これが大学?」と不安になり人に訊くと、全く違う様子。わけがわからなくなりエエイっとタクシーに乗って住所を示して、ようやく着いたということです。

どうやら最初の駅員はuniversityと聞いて、「ああユニヴァーサルシティね、はいはい」と案内したようで、彼が降りたのはUSJの前だったのです。ユニヴァーサルシティなんて駅名が日本にあったとは私も知りませんでした。まあ、彼のようないでたちの外国人旅行者から同様の質問が多いかもしれないので無理もありません。せっかくだからUSJで少し遊んで来ればよかったのに、と混ぜっ返しましたが、それどころではない、初めての日本で言葉が通じず「ここはどこ?」状態だったようです。翌日、大変立派な講演をしました。その彼も台風一過の東京に今日向かいました。まあ、日本の大学は遊園地なんて口の悪い人もいますが、まさか本当の遊園地に連れて行かれたとは。(今度は東京ディズニーランドに行っちゃったりしないでしょうね)
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アインシュタイン

2005-08-25 02:17:03 | サイエンス
の研究の手書き草稿が見つかったそうですね。ボーズ・アインシュタイン凝縮を予言した1925年の論文の草稿です! オランダはライデン大学のページにリプリントも含め詳しく出ていますが、まさしくこのリプリントの手書き草稿ですね。ところでどうでもいいことですがゼータ関数の3/2における値(位相空間でこれを越すと凝縮に相転移する値)がなぜか2.612でなくて2.615となっています。コンピューターのない当時はζ(3/2)=2.615と計算されていたのでしょうか。

それにしても今の教科書でも見慣れた式がいっぱいで、なるほど現代物理の黎明期から文字の使い方なんか今に繋がっているんだなとわかります。さすが、現代のメソスコピック物理のメッカ、ライデン大学ですね。修士学生が図書館で発見したようですが、日本の大学でも図書館をあさると大物の手書き草稿が見つかったりしないでしょうか。

(しかしカタカナでライデンと変換させるの苦労しました。どうしても電信の来電とか相撲取りの雷電になってしまって。)
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今週の一曲

2005-08-21 06:31:09 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。Sound Project'80ライブです。

さて、先週の一曲ですが、ショパン「前奏曲集」作品28から第2番でした。7月24日ブログで試みたコルトーとのイメージ比較の続きをしてみましょう。

 私   :「力無くノコギリを挽く幽霊」
 コルトー:「孤独な瞑想。海の彼方に」

私のイメージはこれで決まりなんですが、やっぱりコルトーの方が詩的ですね。
 この曲、申しわけ程度にイ短調終止するのですが、主たる調は何なのか明瞭ではありませんよね。各瞬間は一応機能和声の世界ですが。これを作曲した1839年、ショパンはソナタ第2番第4楽章も書いています。そちらの方はさらに無調気味ですね。ベートーベン没後まだ10年少ししかたっていない時期に!
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サマースクール

2005-08-18 08:12:22 | 日々のこと(一般)
での集中講義も今日で終わります。日常とは違う場所で日常とは違う仲間達と過ごしているせいでしょうか、学生達の質問は活発です。議論をふっかけてくる人もいます。さすがに量子情報そのもののスクールではないので、ウチの学生達ー参加していませんがーからするとわかりきった質問も多いのですが。まあこういうイベントは将来投資的にみて有益なんでしょうねえ。文科省も熱心です。

こういうイベントの意義は参加者が今後どう成長するかという点にかかっているのですが、もちろんそんなのを待って「ン十年前のあのイベントは意味があった/なかった」といっても始まらないので、きっとまたアンケートをとったり質問時間の長さや活発さか何かを、主催者は報告書に書くのでしょう。まあ今回のスクールは成功しているように見えます。主催者もきっとありのままの報告を自信もって出せるでしょう。

中には明らかに不活発なのに「成功だった」という報告を見たこともあります。そういうのを防ぐにはどうしたらいいでしょうね。主催者を通り越して上から講師陣や参加者にこっそりと「どんな様子だった?」と訊くのがいいかもしれませんね。(でもこれだとまた報告書書きの自分のdutyが増えそうだから、やっぱりない方がいいかな。)
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オープンリール

2005-08-15 06:42:14 | 日々のこと(音楽)
テープデッキの修理をしてもらいましたが、ちょっとしたノスタルジーに浸っています。ホコリを被った箱から何十年ぶりにテープを取り出すと、磁気テープの甘い香り・・・メーカーによって違う独特の香りは少しも変わっていない。テープをヘッドに回して巻き取りリールにセットする手つきも、昨日のことのように慣れたもの。バシャッという機械音とともに再生スタート。ダイナミックに回る二つのリールと躍動するメーターの振れ。ちゃんといい音で聞こえます。透明で滑らかなアナログの音。こんなテープもあったんだな。あんな録音も。しばらく週末の余暇の楽しみになりそうです。

直したのはTEACの重ね録音用4チャンネルデッキ(TASCAMシリーズ)とSONYのアウトドア用2トラックデッキ(通称オープンデンスケ)。TEACの方は驚かれもしませんでしたが、SONYの方は素晴らしいもの持ってますねと言われました。SONYはすぐ直って来て預かり保証代だけという超安値でしたが、理由がありました。「修理センターによればもう部品ないので応急措置で済ませたそうです。部品交換必要な故障が起きたら次は諦めてください」とのこと。応急措置って何?と訊いても店番の人はよくわからない感じ。棚に並ぶ修理依頼品を見ると最近のハイテク家電ばかり。新しく生まれるテクノロジーあれば死んでいくテクノロジーあり。一方TEACは店番から修理まで初老の痩せオヤジが一人がやっているようなアパートの一室(なんとたまたま私の自宅から近い!)。修理に1ヶ月かかり値段も3万円も取られたけど、ゴルゴ13が修理頼みそうなテクニシャン風オヤジは「こことそことあそことどこを交換しといたよ。ヘッドも交換できるけど、まだ大丈夫だね」と、慣れたもの。仕事場にはハイテク製品に混じって散らかる懐かしい機器。帰り際に「またどうぞー」ですと。来ないで済めばその方がいいのだけれど。製造企業の性格を知りたければ修理部門を見よ、という感じでしょうか。
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今週の一曲

2005-08-14 07:13:40 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。自分で調律したピアノでなくカワイの某スタジオで1989年頃録音したものです。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック

さて、先週の一曲ですが、ドビュッシー「前奏曲集」第1巻より第1曲「デルファイの舞姫」でした。自分で調律したSchwesterで弾きました。明るい日差しを受ける石舞台で優雅に舞う白装束の舞姫たちが想像されます。

前奏曲集第1巻が作曲されたのは1909年から10年にかけてで、常に「今までにない音楽を」求めていたドビュッシーがドビュッシーらしさのピークの作品群を生んだ時期です。これ以降のドビュッシーは(最後の室内楽ソナタ3曲は別ですが)若干無機質に走っているようにも私には思えます。他の作曲家を含め同時期の作品群を少し見てみましょう。

スクリャービン  ピアノソナタ第5番(1907)
プロコフィエフ  悪魔的暗示 (1908)
ラベル      夜のガスパール(1908)
ラフマニノフ   P協3(1909)
スクリャービン  調性表示を止め、後期に入る(1909)
R・シュトラウス 薔薇の騎士(1909-1910)
ドビュッシー   管弦楽のための影像(1905-1911)
ラベル      ダフニスとクロエ(1909-1911)
ストラヴィンスキー火の鳥(1910)
         ペトルーシュカ (1911)
シベリウス    交響曲第4番(1911)

ま、作品には後世の創作家に影響を与えたものと聴衆・演奏家に至福を与えるもの(とその両方)があるわけで、どれがどうかは歴史が決めるのでしょう。とりあえずストラヴィンスキーの言葉を引用しておきます:「私の世代の音楽家たちや私自身は、ドビュッシーのおかげを一番うけている」(吉田秀和訳「イゴール・ストラヴィンスキーとの対話」より)
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ディスカバリー

2005-08-10 07:15:48 | サイエンス
無事帰還おめでとう!最近新しい惑星の話など、宇宙の話題が多いですね。この惑星日本でも観測されたということですが、この矢印の先の星がそれであるということ、天文台の自己申告以外にどのような外部チェックが行われるのか、仕組みを知りたいですね。

さてここ数十年、太陽系に関する知見が増えて来ています。要するに「冥王星を惑星というならなぜこれが惑星でないのか」という天体がいくつもあるようです。発見者にも「私が発見したのは小惑星というべきだろう」という人と「私のは惑星だ」などいろいろあって、どこかで惑星と小惑星の区別をしなければなりません。言葉の定義は知識の増大とともに変化して構わないと思いますが、現時点の科学知識では、冥王星を含めQuaoar、Sedna、2003UB313、2004DWなどは「準惑星」とするのがいいように思います。この場合太陽系の惑星は海王星までの八つということになりますが。国際天文会議でこの新しい星、惑星と見なされるかどうか注目ですね。

さて、冥王星は惑星に入れない方がいいかもと自分で言っておきながら、少し困ることがあります。ご存じのようにホルストの「惑星」は作曲当時冥王星は発見されていなかったので海王星が終曲です。(曲は1916年完成、冥王星は1930年発見) そこで私はPlutoという曲を作り、テープ録音しました。冥王星という名の由来の「黄泉の国」のイメージで。これはシンセサイザーを入手する直前、一瞬エレクトーンを所有していたことがありますが、そのときに重ね録音したものです。万一また新しい惑星が発見されたらまた作曲して行こうと思ったわけです。

ま、次々見つかる星がこうも惑星らしくないとすれば、この先クワイワーとかセドナとかいう曲を作っても、あまり意味はないでしょう。組曲「惑星」は海王星で打ち止めでちょうどいいのかなという気もします。
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シンセサイザー

2005-08-07 18:51:37 | 詠里庵・新着案内
による編曲自演を一つ元ページにアップしました。曲はヤナーチェク作曲「シンフォニエッタ」第1楽章です。6月19日にアップした「ノスタルジックな小品」と同じ1979年に製作しRolandシンセサイザーテープ音楽コンテストに応募しましたが、ノスタルジックの方は佳作になり、このシンフォニエッタは賞はとりませんでした。私としてはこっちの方が自信があったのですが、まあ世の中たいてい自己評価と第三者評価は異なるもんです。(経験によれば第三者評価の方が正しいことが多いです) そういうわけで、この演奏を公開するのはこれが全く初めてになります。(もっとも、こんなプライベートなホームページは公開とは言えないでしょうけど)

ヤナーチェクという人は独創性最右翼の作曲家だと思います。たいてい「いい!」と思った作曲家の雰囲気は多少とも真似できる気がしますが、この人の曲は真似できないですね。「シンフォニエッタ」は私が高校生のときのめり込んで、どこに行くときもスコアを持ち歩いていました。(それにしてもこの曲、2~4管編成オーケストラに加えてトランペット9本という異常な編成)

ヤナーチェクのピアノ曲も変わっていてすごくきれいなのですが、彼の代表的仕事はオペラでしょうね。研究室にスロヴァキアから研究者が来たこともあり、現地発CDをいくつか持っていますが、チェコ語でチンプンかんぷん。人間の根元的業を描いた作品が多いらしいです。ヤナーチェクの(だけでなくおしなべて)オペラに詳しいhasidaさんのページを見てそのうち勉強しようと思います。

ヤナーチェクに勇気づけられるのは、ものすごい遅咲きなんですね。「10で神童、15で天才、はたち過ぎたらただの人」の逆を行っています。1854年-1928年だからドビュッシーより7年早く生まれ11年遅く亡くなっています。クラシック音楽の伝統を引きずる50才以前の作品はほとんど本人の手で廃棄され、現在残る独創性溢れる主要作品群はそれ以降の作品です。(これって私も同年代の人たちも、これからが花?!ただしこれまでのつまらない業績はおおかた捨て去る覚悟が・・・) シンフォニエッタは亡くなる2年前72才の作品。これがなんで高校生の私をとりこにしたんでしょうね。是非原曲のオーケストラ曲も聴かれますよう。ヤナーチェクの遅咲きの話、団塊の世代の人たちにも聞かせたいですね!
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