今週の一曲

2006-12-31 00:27:40 | 詠里庵・新着案内
を更新する日曜日ですが、今日は大晦日なので、明日の正月に新年にふさわしい音楽をアップすることにします。今日は先週の一曲の曲名を書きましょう。ドビュッシーのピアノ連弾「小組曲」からフィナーレの「バレー」でした。1975年の一人二重奏録音です。

今年も世間ではいろいろなことがありましたが、天災に関しては、昨年、一昨年ほど暗い気持ちにならずに済んだようです。今年の漢字は「命」だそうですが、個人的には「忙」というところでしょうか。もっともこの字が外れる年はしばらくなさそうですが。
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昨日一昨日のNHK-BS

2006-12-30 01:07:49 | 日々のこと(音楽)
で見た音楽番組についてです。一昨日はNHK音楽祭よりファビオ・ルイージ指揮ウィーン交響楽団のモーツァルト作品集。「フィガロの結婚」序曲 K.492/ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K.482モーツァルト/交響曲 第40番 ト短調 K.550。これは良かった。一番好きだった演奏はピアノ協奏曲。ソリストの上原彩子は、2002年6月には第12回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門で、日本人としてだけではなく女性で史上初めての第1位を獲得したことはご存じでしょう。この経歴から、清楚なモーツァルトになるの?と一瞬思いましたが、その不安は一瞬にして吹き飛ばされました。きれいな音。落ち着きと躍動感が交錯する、全編すばらしい演奏。続く40番は、遅めのテンポをとった大変味のある演奏。美味しい料理のようで、かつ品のある演奏でした。モーツァルトはまずはこのような演奏ですね。

昨日はNHK交響楽団演奏会からアシュケナージ指揮、エレーヌ・グリモーのピアノでブラームスのピアノ協奏曲第1番。ブラームスのピアノ協奏曲は第1、2番ともに大好きな曲です。両方ともピアノ付き交響曲とも言うべき雄大なところがいいのですが、第2番が複雑にして落ち着いた円熟の音楽であるのに対し、第1番は前途洋々な若者といった豪壮なところが魅力です。さてN響もアシュケナージもグリモーも私は好感を持っているのですが、そしてもちろん予想された通りの水準を保った演奏だったのですが、この三者ならどうしても非常に高いものを期待してしまうので、何か物足りなさを感じました。まずアシュケナージの指揮がーカラヤン(大好きなわけでもありませんが)などの隅々までクッキリさせる演奏の逆でー大味に感じられた点。またポーカーフェースのラヴェルのような理知的なグリモーの演奏が、私としてはブラームスの1番と合わないように思われるのです。
どんなもんでしょうね?
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マリンタワーと氷川丸

2006-12-25 21:56:41 | 日々のこと(一般)
が今日で営業を終えるというニュース。思い出から時代の小片が消える感じもさることながら、今日初めて知ったというのもちょっとさみしい。日本丸(にっぽんまる)は大丈夫でしょうね。外から見ただけでは営業実態や採算状況はわからないものです。イギリス館は大丈夫でしょうね。だいぶ行ってないけど元町や伊勢崎町は健在のようですが。住みやすい大阪にいても横浜のことは気になります。転勤族の子だったのでふるさとというものがありませんが、横浜はわずかにそれっぽい、ということにニュースで気づいた次第。
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過去のブログ

2006-12-24 14:53:57 | 日々のこと(一般)
を見返すことは滅多にないのですが、捜し物があったのでちょっとだけ見返すことがありました。それで気づいたのですが、10月以降急に更新頻度が落ちています。先日書いた論法によれば、これは雑用が減ってストレスがなくなった証拠ということになりますが、その理論はあてにはなりませんね。10月以降の頻度落ちは、単純に多忙だったためです。

多忙の内容も楽しいものからそうでないものまでありますが、10月からのはどちらかというと楽しい忙しさだったと思います。中でも外国人研究者-それもお偉いさんでない-がいろいろ来訪したことは楽しい忙しさでした。

日本料理屋に連れて行ったり家に呼んだりして、最近思うのですが、外国人の日本食に対する抵抗が段々減って、積極的になっていると感じます。日本食が世界に広まっていることも理由の一つでしょうが、一つ気づいたのは、良いものを食わせれば旨いと思ってくれる、ということです。若い頃はあまり考えずに適当な料理屋に連れて行ったような気もします。で、良いものとは何かが問題ですが、ネタが良質で新鮮であることに尽きるようです。我々が旨いと思うものでも、元来貯蔵用のものはアドヴァンストコースのようです。たとえば練りウニ、佃煮、味噌のたぐいは結構良い品でも慣れるのに時間がかかるようです。

もう一つ彼らを楽しませるコツを見つけました。それは予め説明し過ぎないでまず食してもらうことです。食べる前にsea urchinとかsea chestnutとか言ってしまうと気持ち悪そうな顔をしますが、食べさせて「何これ、おいしいね」と言ってから教えると「へえ、おもしろい」となります。

予め説明しすぎない方がいいのは音楽も同じかもしれません。現代音楽のコンサートはたいてい前口上が多すぎますよね。
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なぜか重い風邪を

2006-12-22 08:11:01 | 日々のこと(一般)
ひかなくなりました。若い頃は2~3日寝込む風邪を年に1回はひいていましたが。とはいうものの、先週末軽い風邪をひきました。プロ意識の高い体らしい私は例によって土日にひいたわけですが、今回の風邪は影響が鼻に残り、今週微妙に仕事がしにくい感じでした。ある授業で鼻づまりで声が出にくくなり、30分残して1時間で切り上げざるを得なくなりましたが、こんなことは初めてです。

その先週末ですが、とある忘年会がありました。アルコールが入ると風邪はよくなることが多いので、参加し、実際それであらかた回復しました。その席で「今日知人の声楽リサイタルを聴いて来た」という人がいました。それを聞いて思ったのですが、声楽家はいざリサイタルというときに風邪をひかないようにどのような注意を払っているのだろう。器楽奏者(管楽器以外)はよほど咳がとまらないとかでなければ風邪をひいても致命的ではありませんが、声楽はキャンセルものですよね。タレントはいつもヴィックスのど飴を持ち歩いていると聞いたことがありますが、ヴィックスくらいでリサイタルをキャンセルせずに済むのならいいのですが。

私の健康管理は大したものではなく、ときどきジムに行くとか、飲酒は週に1度以下、食事は規則的に、お茶中心に飲料を良く飲む、といった程度です。これから寒くなりますので、皆様も気をつけて、風邪をひくなら正月休みに集中されますよう。
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今週の一曲

2006-12-17 08:58:29 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。世はクリスマス気分。年もおし迫って、少し景気のいい音楽にしましょう。

先週の一曲はドビュッシー「子供の領分」より「雪は踊っている」でした。1973年録音。

冨田勲のシンセサイザーファーストアルバムは「月の光」だったことを覚えている人もいるでしょうが、実は最初日本のレコード会社はこの偉業に見向きもせず、アメリカで先に認められて日本に逆輸入の形でアルバムリリースになりました。そのアメリカでのタイトルは「月の光」でなく「雪は踊っている」でした。当然受けると予想されるタイトルを付けたはずで、この話、両国民の嗜好の違いが出ていて面白いと思います。
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風雅異端帳

2006-12-16 08:35:43 | 詠里庵・新着案内
の目次からリンクを張りました。目次はここ。リンクを張っただけなのでこのブログの定期読者は知った記事ですが。

 ところでこの目次を見て思いましたが、今年はコンサート評やCD評をたくさん書いています。自分では全くそんなつもりはないのに、見れば明らか。
 なぜかなと思って考えたら、ちょっと心当たりがあります。今年度は職場で、ある種のとりまとめ役が回って来ているのです。これが大変。大半のイヴェントの段取りと役割分担割り当て、そしてそれがちゃんと動いているかの監視と、動いてない場合の督促催促、諸トラブルの対処。外国人の同業者達に会ったときこんな役回りあるかと訊いたら何人か「あるある。It's terrible.」とか「年中起こるボヤを見つけては消火して回るような役だよね」とか言います。日本だけではないのだな、と多少の慰めに。
 で、それと何の関係があるかということですが、要するに潜在意識としてストレス解消の必要を感じて頻度が増えたのではないかと思うわけです。
 そうだとすると、お役ご免の来年度は詠里庵ホームページの更新頻度が落ちそうです。このブログもおとなしいものになるかもしれません。そうあって欲しいような、欲しくないような・・・
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今週の一曲

2006-12-10 09:00:47 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。もうそういう季節ですね。

先週の一曲はバッハフランス組曲第2番よりメヌエットでした。1973年録音。
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イッサーリス

2006-12-09 01:58:06 | コンサート・CD案内
のコンサートに行きました。田中さんのお薦めで興味を持ったのです。もうしばらく前に行ったのですが、このところ半徹夜続きで全く書けませんでした。豪壮雄大なロストロポーヴィチ、狂おしい情熱ほとばしるデュ・プレ、万能豊饒ヨーヨー・マ、奇才シュタルケル、ねっとりねばっこいマイスキー、癒しのフルニエ、古楽器的魅力のビルスマ。これらの中にあってイッサーリスはどの座標に位置するのか?

本当は協奏曲のコンサートに行きたかったのですが、都合がつかず、二番目に聴きたかった室内楽を聴きました。これで彼の全貌がわかるとはもちろん思いませんが。曲目はクララ・シューマンのピアノ三重奏曲ト短調、ブラームスのピアノ四重奏曲ハ短調、それにロベルト・シューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調。詳しくはここにしばらく出ているでしょう。このプログラム、ストーリー性が感じられますね。解説にもありましたがイッサーリスはプログラムに思慮深いところがあるようです。

クララ・シューマンのピアノ三重奏曲ト短調は初めて聴きました。シューマンの若い頃の作風に影響を受けているようですが、ショパン若書きのピアノ三重奏曲ト短調にも似ています。楽章の対比がもう少しあってもいいかなとも思います(たとえば第2楽章のスケルツォは若干メヌエット風、第3楽章の緩叙楽章は遅くない無言歌風、フィナーレも速くないアレグレットです)が、しっとりと楽しめる佳曲でした。フィナーレの最後は迫力あり、盛り上がりました。

ブラームスの室内楽は・・・素晴らしいことはいうまでもないですよね。どれも深い音楽である点はピアノ曲より徹底しているのではないでしょうか。フィンランディアみたいに始まるこのハ短調の四重奏曲ももう最高。演奏も言うことなし。

最後はシューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調。春やラインのように明るく、救われる思いがします。私は張りつめた深刻な短調系にシューマンの神髄を見いだしますが、それはシューマンの苦悩と重なって痛々しい感じもします。その中にあって、彼の長調系の曲群は明るさが引き立ってホッとします。

演奏は、面白かった、と言ったら不謹慎でしょうか。まずシリアス・クラシックにマッチした素晴らしい演奏だったことを言っておきます。で、何年も前パスカル・ロジェを中心とする似たコンサートがありましたが、それと比較してしまうのを免れず、興味深く聴きました。パスカル・ロジェの紀尾井ホールでの演奏会はやはりシューマンとブラームスのピアノ四重奏曲を中心としたもので、感動的な演奏会でした。それと同じくらい今回も感動しましたが、前者がピアニストを中心、後者がチェリストを中心としているのが演奏に現れていたのが面白く思われました。そんなに極端ではありませんが。でも、String Quartetのように「演奏者は誰?」というより「どのQuartet?」の方が重要なのが室内楽ですが、今回のように「誰の企画?」というのが音楽に色づけられるのもまた面白いものだなぁと思った次第です。今度はバシュメット企画の同じ曲目を聴いてみたいなどと考えたりしました。

ところでイッサーリスの演奏ですが、柔和なところはとことん柔和ですし激しいところは一層激しいですね。どの座標に位置するか? この室内楽だけでは何ともいえませんが、上記のチェリスト達のいい点を兼ね備えているようです。強いていえばシュタルケル的かという感じもしましたが、今後いろいろ聴くと印象は変わるでしょう。ひとつ、ピチカートとボウイングの自然さと奔放さは印象的でした。うっとりと目をつむって聴いているとき深みのあるピチカートの音にハッとして目を開けると、ライトにてらされた右手がまるで鬼火のようにしなやかにダンスしていました。ヴァイオリンとヴィオラの日本人も何の不足もない相当の名手と思いましたが、ピチカートとボウイングは明らかにイッサーリスの方が猫のようなしなやかさと諧謔性を帯びていました。

アンコールはシューマンの第3楽章をもう一回。これはパスカル・ロジェと同じでした。室内楽はアンコール向きの曲が少ないので、この四重奏曲をやったならこの楽章をアンコールにするのが最適解でしょう。作曲的にはワンパターンの繰り返しを4回目のギリギリのところで崩してくれてはいるものの、崩さなかったら駄作に分類しなければならないのでヒヤヒヤものという感じもあります。それにしても美しい曲ですね。終わると会場からため息が聞こえました。
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