早いもので、今年ももう大晦日。一年の墓碑銘を書く日になりました。今年は前半に集中していますが、それは偶然で、今年後半ブログを書く余裕がほとんどなかったこととは関係ありません、
[1] 別宮貞雄 (日本 1922年5月24日-2012年1月12日) 作曲家
叙情的なヴィオラ協奏曲が美しいですね。東大理物卒業後文学部美学科を修めています。前衛音楽には背を向け、調性感のある音楽です。物理を学んだ人らしい面白い意見を言っています。それについては、いずれ必ず書きます。
[2] グスタフ・レオンハルト (オランダ 1928年5月30日-2012年1月16日) 鍵盤楽器奏者・指揮者・音楽学者
気品のある伸びやかなチェンバロと指揮は、バッハ演奏の原点です。NORMAN LEBRECHTという文芸評論家の17日(火)のブログには「I’ve just had a call from one of his students to tell me that Gustav Leonhardt, the harpsichordist and conductor, has died. He was 83 and retired from performance last month. His wife has told colleagues that he died Monday afternoon.」とあります。
[3] パーヴォ・ベルグルンド (フィンランド 1929年4月14日-2012年1月25日) 指揮者
左利きの指揮者として有名。いろいろな指揮者やオケでシベリウスのCDを聴きましたが、この指揮者の美しくも「燃えすぎない」知的な演奏はシベリウスを堪能させてくれます。
[4] モーリス・アンドレ (フランス 1933年5月21日 - 2012年2月25日) トランペット奏者
炭鉱労働者の息子として生まれた天才トランペッターとして有名でした。普通のニコニコしたおじさんでしたが、そのトランペットは不可能知らず。超絶技巧なのにそう感じさせない、優美で明るい音色。何でもこなしましたが特にバロックが印象に残っています。
[5] 外村彰 (日本 1942年4月25日 - 2012年5月2日) 物理学者
アハラノフ=ボーム効果の実証実験をはじめとする、自ら開発した電子顕微鏡を用いた数々の実験は、科学者のみならず多くの人を魅了しました。とてつもない成果のみならず氏の科学に対する真摯な有りようは、科学に携わる者をどれだけ勇気づけたかわかりません。
[6] 木村碩志 (日本 5月10日 享年82才) 企業家
アース製薬のヒット商品「ごきぶりホイホイ」の開発を手掛けた同社元常務取締役。
この夏、相当久しぶりにごきぶりホイホイのお世話になりました。昔に比べ、入口の傾斜の材質や中に撒く誘引剤など、進化が見られました。真剣なまなざしで研究している研究所の様子が目に浮かぶようです。
[7] ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (ドイツ 1925年5月28日-2012年5月18日) 声楽家(バリトン)
ディースカウは、倍音成分の少ない、ソフトな音質の持ち主です。
ディースカウの歌うシューベルトやヴォルフ、フォーレのレクイエムには動かされます。冬の旅など至高ですね。プライの冬の旅は当の若者が歌っている感じですが、ディースカウのは年を重ねた男が若き日を歌っているかのような感じがします。
[8] 吉田秀和 (日本 1913年9月23日-2012年5月22日) 音楽評論家
最近は年4回だけの評論でしたが、楽しみにしていました。そうなる前の彼の一番の名セリフは、初来日のホロヴィッツの演奏会を受けたテレビのインタビューで「まあ、ひびの入った骨董品だなぁ」と言っていました。それを聞いたホロヴィッツが「日本人の中で本当のことを言ったのはあのじいさんだけだ」と言ったそうです。ファジル・サイのモーツァルトも肯定的。吉田秀和、小林秀雄、山根銀二の中では、吉田秀和の評論はすべての思い込みから自由であるように思われました。
[9] ニール・アームストロング (アメリカ 1930年8月5日-2012年8月25日) 宇宙飛行士(のち大学教授)
アポロ11号による人類初の月面第一歩。そのころ生徒だった私はテレビの実況放送に釘付け。「私にとっては小さな一歩だが人類にとっては大きな一歩だ」という名セリフ。
[10] ラヴィ・シャンカール(1920年4月7日-2012年12月11日)シタール奏者
ビートルズ世代の私はもちろんシャンカールとビートルズの関係は知っていましたが、その前から民族音楽経由でシャンカールの音楽に親しんでいました。彼のシタール協奏曲は大変聞きやすいし、変化にも富み、盛り上がる迫力もあり、お薦めの第一です。もちろん彼の真骨頂はビートルズでもシタール協奏曲でもなく、古来のインド音楽なのですが。
[1] 別宮貞雄 (日本 1922年5月24日-2012年1月12日) 作曲家
叙情的なヴィオラ協奏曲が美しいですね。東大理物卒業後文学部美学科を修めています。前衛音楽には背を向け、調性感のある音楽です。物理を学んだ人らしい面白い意見を言っています。それについては、いずれ必ず書きます。
[2] グスタフ・レオンハルト (オランダ 1928年5月30日-2012年1月16日) 鍵盤楽器奏者・指揮者・音楽学者
気品のある伸びやかなチェンバロと指揮は、バッハ演奏の原点です。NORMAN LEBRECHTという文芸評論家の17日(火)のブログには「I’ve just had a call from one of his students to tell me that Gustav Leonhardt, the harpsichordist and conductor, has died. He was 83 and retired from performance last month. His wife has told colleagues that he died Monday afternoon.」とあります。
[3] パーヴォ・ベルグルンド (フィンランド 1929年4月14日-2012年1月25日) 指揮者
左利きの指揮者として有名。いろいろな指揮者やオケでシベリウスのCDを聴きましたが、この指揮者の美しくも「燃えすぎない」知的な演奏はシベリウスを堪能させてくれます。
[4] モーリス・アンドレ (フランス 1933年5月21日 - 2012年2月25日) トランペット奏者
炭鉱労働者の息子として生まれた天才トランペッターとして有名でした。普通のニコニコしたおじさんでしたが、そのトランペットは不可能知らず。超絶技巧なのにそう感じさせない、優美で明るい音色。何でもこなしましたが特にバロックが印象に残っています。
[5] 外村彰 (日本 1942年4月25日 - 2012年5月2日) 物理学者
アハラノフ=ボーム効果の実証実験をはじめとする、自ら開発した電子顕微鏡を用いた数々の実験は、科学者のみならず多くの人を魅了しました。とてつもない成果のみならず氏の科学に対する真摯な有りようは、科学に携わる者をどれだけ勇気づけたかわかりません。
[6] 木村碩志 (日本 5月10日 享年82才) 企業家
アース製薬のヒット商品「ごきぶりホイホイ」の開発を手掛けた同社元常務取締役。
この夏、相当久しぶりにごきぶりホイホイのお世話になりました。昔に比べ、入口の傾斜の材質や中に撒く誘引剤など、進化が見られました。真剣なまなざしで研究している研究所の様子が目に浮かぶようです。
[7] ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (ドイツ 1925年5月28日-2012年5月18日) 声楽家(バリトン)
ディースカウは、倍音成分の少ない、ソフトな音質の持ち主です。
ディースカウの歌うシューベルトやヴォルフ、フォーレのレクイエムには動かされます。冬の旅など至高ですね。プライの冬の旅は当の若者が歌っている感じですが、ディースカウのは年を重ねた男が若き日を歌っているかのような感じがします。
[8] 吉田秀和 (日本 1913年9月23日-2012年5月22日) 音楽評論家
最近は年4回だけの評論でしたが、楽しみにしていました。そうなる前の彼の一番の名セリフは、初来日のホロヴィッツの演奏会を受けたテレビのインタビューで「まあ、ひびの入った骨董品だなぁ」と言っていました。それを聞いたホロヴィッツが「日本人の中で本当のことを言ったのはあのじいさんだけだ」と言ったそうです。ファジル・サイのモーツァルトも肯定的。吉田秀和、小林秀雄、山根銀二の中では、吉田秀和の評論はすべての思い込みから自由であるように思われました。
[9] ニール・アームストロング (アメリカ 1930年8月5日-2012年8月25日) 宇宙飛行士(のち大学教授)
アポロ11号による人類初の月面第一歩。そのころ生徒だった私はテレビの実況放送に釘付け。「私にとっては小さな一歩だが人類にとっては大きな一歩だ」という名セリフ。
[10] ラヴィ・シャンカール(1920年4月7日-2012年12月11日)シタール奏者
ビートルズ世代の私はもちろんシャンカールとビートルズの関係は知っていましたが、その前から民族音楽経由でシャンカールの音楽に親しんでいました。彼のシタール協奏曲は大変聞きやすいし、変化にも富み、盛り上がる迫力もあり、お薦めの第一です。もちろん彼の真骨頂はビートルズでもシタール協奏曲でもなく、古来のインド音楽なのですが。