詠里庵ぶろぐ

詠里庵

NASAの太陽巨大紅炎

2012-04-22 18:13:58 | サイエンス
の動画をどうぞ。
こういう画像を見たときすぐ「波長いくらの電磁波で見た画像に色付けしたものかな」と突っ込みます。見ると、304オングストロームと書いてあります。これは真空紫外なので、分厚い大気の下にある地上で見ることはできないはずです。おかしいなと思って調べると、Solar Dynamics Observatory (SDO) で観測したとあります。SDOとは、2010年2月11日に打ち上げられた人工衛星天文台。これなら観測できますね。

 次に疑問に思ったのは、これはリアルタイムのはずはなく早送りした動画に違いないということです。太陽の直径に地球は109個並びます。光速度は1秒に地球7周り半。それを考えると、まあリアルタイムと仮定しても光速度を越してはいないようですが、光速度に近いですね。それはあり得ない。
 さてこの情報が結構見つけにくくて、「よくある質問」のところかなと思って開くと、30個近くある質問の最初が
「Is the world going to end in 2012?」
とあります。残りの質問も推して知るべしですが、一応見たところ、やはりありません。それでもなんとかあちこち探すと、ありました。4時間の動画を縮めたものだそうです。
 それでも嵐なんてものじゃありませんね。地獄ですこれは。でもそれが生命の源なんですね。地球の大きさと比較したければこちらの静止画をどうぞ。
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なかなか仕事がたてこんで

2012-04-07 11:28:55 | サイエンス
久々に一息。こんなとき放送大学の番組を見て息抜きすることがあります。いや大抵は眠くなるものが多いのですが、ときどき見入ってしまうことがあります。いま終わったところですが途上国の開発政策という授業、見入ってしまいました。内容は通常の私の興味とは離れたものなのに。

特に話術が巧みとか面白おかしくしているわけではありません。なぜ魅力的なのかなと思いましたが、多分台本がよく出来ているのだと思います。よどみなく、つっかえることなく、淡々と喋っているだけですが、大変論理的で聴く者を「ほうほう、それで?」と思わせてその事項に突っ込んで行くなど、やはりこれは筋書きの良さなんだなと思いました。自分の授業にも役立てられそうですね。

(その次の授業をいま投稿寸前にやっていますが、ごめんなさい、これは私は見入ってしまうことができません。)

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NASAが月の歴史45億年

2012-04-04 07:38:46 | サイエンス
早送りする動画を発表したそうです。リンクが長く残りそうなNASAのyoutubeはこちら。NASAは見てきたような画像や動画を発表していますが、好奇心をくすぐるエンターテイメントではあります。この動画は月が出来たあとの場面ですが、その前、地球に同規模の惑星が衝突して月が出来たとするフィクション動画がこちらにありました。ProjectVRDの提供だそうです。

いずれの映像も音楽を付けるのは勝手ですが、いい音楽にして欲しいですね。NASAの方がマシな音楽ですね。
それと、NASA作の方は衝突音を入れていますが、これはちょっと・・・宇宙モノの映画でも宇宙でゴーッとかガシャーンとか音が入っていることがよくありますが、音なんかしないはずだろうと思うと興醒めして鑑賞の邪魔になります。2001年宇宙の旅のように、真空中では無音にして、空気が侵入すると突然音が始まるという演出だととてもリアリティがあるのですが。
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「NHK国営化」ジョークを謝罪

2012-04-03 01:11:28 | サイエンス
とは日本のエイプリルフールのひとこまでしたが、彼の地ではThe New York TimesにA Quantum Theory of Mitt Romneyという記事。アメリカの量子情報の研究仲間から教えてもらいました。これを読んだときは吹き出してしまいました。
 いまやっている大統領選の共和党予備選挙候補ロムニー氏が哲学もなく言うことをコロコロ変えるのを皮肉った記事ですが、テレビに映ったロムニー氏の絵を出して、
Fig. 1: The famous “Schrödinger’s candidate” scenario. For as long as Mitt Romney remains in this box, he is both a moderate and a conservative.
と解説。記事によればロムニー氏は史上初のquantum politicianで、二状態のどちらかであるのでもなく、二状態をかわるがわる取るのでなく、「同時に二状態にある」のだそうです。他にもcomplementarity、probability、uncertainty、entanglement、noncausality、dualityなどの言葉の意味を、ロムニー氏の言動を例に説明しています。たとえば観測行為はその結果と無関係ではないと言って
「More precisely, Mitt Romney will feel every possible way about an issue until the moment he is asked about it, at which point the many feelings decohere into the single answer most likely to please the asker.」
など。
 またこの記事を読む副産物として、1960年以降のアメリカ人はほとんど「Etch A Sketch」なるお絵かきおもちゃで遊んだことがある、などということを勉強したりしました。

しばし楽しんだあと・・・しかし、徐々に背筋が寒くなるのを感じました。
それは何か?

こんなジョーク記事、日本ではまだ到底あり得ない。政治家の言動のいいかげんさを皮肉るのに量子力学や量子情報科学の言葉を駆使するなんて。サイエンスに興味を持つ人口比率が欧米と日本で非常な差があるというのは本当なんですね。The New York Timesではどこかの1ページにこんな記事を紙媒体で発行するのを許すんですね。(具体的には A version of this op-ed appeared in print on April 1, 2012, on page SR4 of the New York edition with the headline: A Quantum Theory of Mitt Romney. だそうです。)

NHKとThe New York Timesの差を見せつけられたエイプリルフールでした。
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