詠里庵ぶろぐ

詠里庵

就活の季節

2011-04-29 09:14:20 | 日々のこと(一般)
ですね。といっても今年は6月になった会社も多いようで、学生さんも少々例年と勝手が違うようです。

最近は面接でどんなことを訊かれるんでしょうね。私の頃は定番の質問として、最近読んだ本は?とか、尊敬する人は?とか、座右の銘は?など、いくつかありましたが。

私のときもさっそく座右の銘を訊かれました。既存の銘でなく、そのころ考えていたことを答えました。
「不必要は発明の母」

ほう、どういう意味ですかと訊くので、必要は発明の母というのは当たり前ですが、こういうものが欲しいとあらかじめわかっているものより、「気がつかなかった、そういうものがあってみれば使いたい」というものを開拓して行きたい、とかなんとか言ったのです。面白いね、とか受けたようで、折しもその企業は手堅いインフラ整備から攻めに将来像を据えようとしていたようで、マッチングしました。

ま、それはそれでいいのですが、最近は便利な世の中になりすぎて、こんなものよく考えると要らないんだけど、なぜか持ってしまっているなぁという所持品が増えています。カードも何か支払いのために作らざるを得ないのですが、もっと統一できないものでしょうか。持ち物を増やしたくないのに増えてしまいます。ポイントカードなども極力作りません。個人情報が欲しいだけでしょうから。

新たに座右の銘を「不必要は仕分け、研究はノー仕分け」とでもしますか。んーいまいちゴロがよくないな。

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計画書・申請書・報告書

2011-04-28 02:16:26 | 日々のこと(一般)
など、大学教員は忙殺される季節の一つのさなかにあります。自分が学生だったころ教授室に行くといつも先生はうずたかく積まれた書類に囲まれて、そのころはパソコンがありませんから、かりかりカリカリと何か書類を書いています。そんなに書類作成の仕事が多いのかと学生ながら思いましたが、そのころの先生方が私たちに決まって言うのは「今の先生達は我々の頃に比べてメチャクチャ忙しいね。そんなんじゃダメだよ」ということです。ダメったって、じゃあ書類の種類と数を増やしているのは誰?

ある下っ端でないお役人さんとの雑談で、こんなにたくさん書類を書かせて本当に誰かが読んでいるのか、また一つ一つ異なる書式指定されて大変な作業なので大幅に簡略化すべきではないか、と訊きました。ついでに、文房具のようなものさえ納品があっても検収が終わらなければ開封して使うことができないというのは、全国的に考えれば膨大な時間の損失ではないか。昔の教授達はこんなばかなことは無かったと言ってるぞ、とたたみかけました。

そこでどんな答えが返って来たと思います?
「昔は教授性善説に立っていたんです。今はそれではダメなんです」ですと。

しかしこれは妙に説得力があるので困ります。誰でもすぐに思いつくのが某A大学のあの教授と某B大学のあの教授。こんなとんでもない人達(の他にも情けない小悪党たちがいるかもしれませんが、そんな一握り)のせいで全国的に苦労させられるのか。

で、矛先はお上から情けない人達へと向かってしまうのですが、いや、そういう人達を生む世相の変化へと向かってしまうのですが、やっぱり昔の人達は沽券というか矜持というか、皆そういうのがあったよねぇと思ってしまいます。最近はなんだか政治家にせよなんとか安全委員会にせよ某企業のトップにせよ・・・
いや話がずれて発散しそうなのでこの辺にしておきます。
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大阪城公園

2011-04-22 06:45:45 | 日々のこと(一般)
に花見に行ったという同僚の談によると、例年の1/3ほどの人出で、場所取りに何の苦労もなかったどころか、すき間でキャッチボールくらいしようと思ったらできそうだったと言います。

これでは関東並みです。贅沢をせよとか煌々とライトアップせよとか言いません。被災地を思いやる気持ちも大事だとは思います。でもこの調子でいろんな活動を抑えていたら本当に活力が無くなってしまいます。こんなときだからこそ心も体も栄養をつけないといけないと思います。
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フィラデルフィア管弦楽団

2011-04-18 00:21:59 | 日々のこと(音楽)
が経営破綻というニュース。オーマンディ率いる華麗なるフィラデルフィアサウンドを知る往年のファンとしては、なぜ?と思うばかりです。現在首席指揮者は、かのデュトワだそうで、ますます謎。

と書いたところで、現在の首席指揮者がデュトワであることを知らなかった自分に驚くとともに、指揮者とオケの相性ということを考えざるを得なくなりました。デュトワとフィラデルフィアの相性が悪いワケはないのですが、「普通にいい」という程度では生き残れないということなのでしょうか。ストコフスキーが揺籃期を育てたとすれば、最も重要な青年壮年期はオーマンディによって磨かれたフィラデルフィアサウンド。やはりそれが絶頂期だったように思います。ちょうどデュトワがモントリオール管弦楽団を、セルがクリーブランド管弦楽団を、アンセルメがスイス・ロマンド管弦楽団を、少し知名度は落ちますがカイルベルトがバンベルク交響楽団を素晴らしいサウンドにしたのと同じく、相性が極端に良かったのでしょう。しかしこれらのオケは指揮者が去ったらそのレベルを維持できていませんでした。ウィーンフィルやベルリンフィル(N響もそうでしょう)などいわゆるトップのオケは指揮者が変わってもトップのオケであり続けるのですが。フィラデルフィア管弦楽団は指揮者が変わっても平気だろうと思っていたのですが、デュトワをもってしてもその勢いを維持できなかったということは、「相性が普通にいいというだけでは足りない」ということではないでしょうか。

求道者のようにピアノに向かうラフマニノフを尊敬のまなざしで振り返る若いオーマンディ。そのオーマンディが振る指揮棒の動きを見逃してなるものかと追うフィラデルフィア管の団員達。この一枚の写真に若かった私は感激したものでした。

東京交響楽団のように、何らかの形で復活して欲しいものです。
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これ何の花だか

2011-04-16 21:51:11 | 日々のこと(一般)
分かります? 前に花梨(カリン)ジャムについて書きましたが、そのカリンの花です。ついこのまえ実が成っていたと思ったら、もう咲くんですね。そういえば実の成るバラ科の花は梅桃桜リンゴなど、今ごろが多いですね。写真のように葉っぱもたくさん出ているし、大変だなあ。いや大変というのは、実をつけるのも花を咲かせるのも葉を茂らせるのも植物にとっては大仕事らしいので。年間を通して休みなく頑張っているんですね。

写真だと大きさがわかりにくいですが、直径5cmくらい。梅桃桜リンゴに比べれば大きいですね。葉っぱが桜の葉に似ているので大きさが想像できるでしょう。
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想定外といいますが

2011-04-14 05:57:30 | サイエンス
このブログの2010年3月10日版に出した東京近辺の地震の歴史に、東北も加えて描いてみました。これでも想定外なんでしょうか。(ブログ用に急遽作ったので正確さは保証の限りではありません。特に東北の過去は記録がないだけかもしれません)

明治の三陸津波と称する映像が
http://www.youtube.com/watch?v=qkLqVr_Qk_w
にあります。ウェブ情報ですが、ちょっと見たところウソではなさそうです。
北斎の波のように上からかぶさる波のショットが強調されている点が、外国人には一面だけの誤解を与えそうですが)

ま、このところの「事後情報戦」を見苦しいと思う1人ですが、今日のブログはささやかながら事後情報戦に加わってみたところです。
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今日は震災から一ヶ月。

2011-04-11 08:10:20 | 日々のこと(音楽)
あらためて亡くなられた方々、怪我をされた方々、大切な人やお仕事や大事な持ち物を失われた方々にお悔やみを申し上げ、復興を誓いたいと思います。

そんな中でリスト・コンクールに後藤正孝氏が優勝というニュースがありました。自分の国の大震災に心がざわめいたであろうに、よく頑張ったことだと思います。

ところでコンクールのステータスは入賞者がその後どう活躍するかに依りますので、その意味では1986年から3年ごとに開かれているこのフランツ・リスト国際ピアノコンクールはこれからのコンクールだと思います。1999年の第5回で3位のユンディ・リが有名ですが、この人も2000年のショパンコンクール1位で世に出たと言えます。

今回ニュースの後藤正孝氏、YouTubeですぐ見つかるのはショパンの演奏が多いのですが、その限りにおいては大曲を卒なくこなすといった印象でした。新しい音楽家のコンサートに行くようになるには、他の音楽家のコンサートを止めなければこちらも身が持たないので、そこまでなるかどうかはわかりません。

しかしマズルカを何曲か聴いたところ、その妙味のある演奏に惹かれました。もちろんマガロフやフランソワの方が聴きたいですが、それは望めないので、日本で簡単に聴けるならこの人のマズルカ、もう少し聴いてみたい気もします。
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シミュレーション

2011-04-04 21:35:58 | サイエンス
というのは、複雑な事象であればあるほど、十人十色の結果になります。気象や地球科学や生態や天文、それに経済や株価予測。最も精密科学でありそうな物質科学といえど、結果だけで信じるわけには行きません。「どんな理論を仮定したの?」「どこまでの要因を取り入れたの?」「どんな測定データから出発したの?」と必ず訊くでしょう。それによって結果がいろいろでも、もちろん意味があります。こんな仮定やこんなデータからはこんな結果が出るということや、この要因を少し変えてもあまり変わらないがあの要因を少し変えると結果が大きく変わる、などの知見は有用なものです。

気象庁の放射性物質拡散のシミュレーション結果を(誰の意思か現時点ではわかりませんが)発表しなかったことについて議論があります。日本気象学会でも「それぞれの研究結果の公表には注意を」という理事長名での通達(ホームページでの3月21日付けメッセージ)も是非が議論になっています。

シミュレーション結果の発表を渋ったのは、結果の一人歩きや風評被害を恐れたのでしょうか。確かに一般社会は性急で、いちいち「どんな理論を使ったの?」「入力データはどれが実測でどれが推測?」など訊かずに「はやく決定版のシミュレーション結果を見せて」となります。

しかし百家争鳴の結果が公表される方が、「決定版なんてないんだ」ということがわかるのではないでしょうか。ドイツとオーストリアの公表結果も結構違います。気象庁の結果も比較して見たいなぁ。発表しないからかえって人々は疑心暗鬼になり、他の発表も信用しなくなってしまうのではないでしょうか。
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昼の公園を散歩

2011-04-02 16:11:27 | 日々のこと(一般)
していたら、桜並木の下で家族連れが大勢、弁当をひろげてくつろいでいます。明るい空と五分咲きほどの桜をいただく緑の草地を思い思いに動き回る幼児たち。それを視線で追う親ごさんや祖父母さんたちの笑み溢れる顔。

と、すれ違いざまにどっかで見たような人がひとり。垂れ眉の、退職後風のおじいさんでした。贅沢の真逆のような身なりにもかかわらず、ピンとした背筋と柔和な眼光からは賢さが隠せていませんでした。誰だっけと思い出そうとしていたら、妻に「白川日銀総裁だったね」と言われて思い出しました。

何を思って散歩していたんでしょう。市場介入や国債引き受けなど、冷却装置の故障した原子力のように手なずけにくい経済を相手に、この国難を乗り切る難しい判断を任されている人です。そういう人は緑の中を歩く気分転換が不可欠ですが、それと同時に、この平和な社会をまもらねばと思ったのではないでしょうか。
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新年度が始まりました

2011-04-01 02:27:56 | 日々のこと(一般)
が、今年度中に癒えるとは思えない震災の大きな傷跡を抱えての年度明けです。特に産業・経済の活動低下と全国に広がりそうな電力不足は、あとからボディーブローのように長期に効いて来そうで、また原発も解決の行き先が見通せているわけではなく、不安を隠せといってもできない幕開けです。

もちろん日本の歴史を見れば危機のたびに立ち直っているので、今度もそうだろうとは思えるのですが、放っておけば直るといった程度でない大きな傷なので、何か意識的な、そして葛藤を伴う立ち直りが不可欠な気がします。

おそらくそれは、単なる復旧でなく、新たな復興、あるいは新興あるいは脱皮・革新といったものでなければならないのではないでしょうか。戦国時代からの脱却も、明治維新も、列強支配阻止も、関東大震災からの復興も、戦後復興も、阪神大震災からの復興も、どれ一つとっても「元に戻す」ことはやっておらず、「生まれ変わり」になっています。

だから、元に戻そうという発想は積極的に捨てた方がいいのではないでしょうか。去年あたりから日本は閉塞感を破って変わらなきゃという気運になっていますが、必ずしもみんなに浸透しているかどうかという感じでした。しかしさすがに今度は全ての人が驚愕と不安と一体感をもって、これはなんとかしなくちゃと思っているのではないでしょうか。いや、そうでなければ。
コメント (2)
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