詠里庵ぶろぐ

詠里庵

リー・クアンユー氏死去

2015-03-24 08:51:27 | 日々のこと(一般)
のニュース。享年91才。政治にはあまり詳しくない私も少し感じるところがあります。氏の足跡は「リー・クアンユー氏死去、91年の偉業とは?」という記事にまとめられていますが、3ページにわたるこの記事の最初の2ページはだいたい知っていました。

私の研究分野でシンガポールは、その国の規模に比べてはるかに大きな存在感があります。いや他の分野でもそうでしょう。大学の(とある)世界ランキングを見ると、シンガポール国立大学をかろうじて凌いでいる日本の大学は東大のみ。京大はときどき争っています*。チャンギ国際空港はアジアトップの、いや(とある)ランキングでは世界一のハブ空港です。人口にして日本の20分の1、面積にして500分の1のこの小さな小さな国がこれほど成功しているのは驚異ですが、その裏には存亡に関する強い危機感があったに違いありません。そのことが、35才だったリー・クアンユーという強力な独裁者に国を委ねたのだと思います。そしてそれが大きな成功を収めたことは誰も否定できないでしょう。実際シンガポールに行くと、氏が支配していたころの不満はまず聞かれません。

このように「良い独裁者」による独裁は国が最も成功し民が最も満足する1つのあり方かもしれませんが、独裁がいい体制であると考える人はほとんどいないでしょう。それは「良い独裁者」の出現確率が非常に低いことを人類は知っているからであり、指導者が替わっても体制だけ独裁が続くととんでもないことになるからでしょう。その意味で、シンガポールが独裁体制でなくなりつつあるのは自然な成り行きと思います。少しアップル社みたいですね。

*大学ランキングはその大学の学問レベルを正確に反映しているわけではないので注意が必要です。ただ、世界で活躍する人材を育成しているかどうかの指標にはある程度なるかもしれません。
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今NHKクラシック音楽館

2015-03-01 21:43:21 | 日々のこと(音楽)
を番組表も見ずに、何気につけっぱなしにしていたら、大好きな曲が!
ベルクのバイオリン協奏曲。しかもソロもオケもすばらしい演奏!
特にバイオリンの音色が綺麗で暖かい。この曲はパールマンみたいに透明な音色が合うけれど、そういう透徹さも持っている人ですね。誰かなと番組表を見ると、アラベラ・美保・シュタインバッハーという人。知らないなあ。しかしこれ聴いただけで、この人にはこれからも注目しよう。オケはというと、N響。指揮は一見してわかるシャルル・デュトワ。合いますね、この3者の組み合わせはこの曲に。
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