詠里庵ぶろぐ

詠里庵

お気づきかも

2005-09-25 00:08:31 | 詠里庵・新着案内
しれませんが、装いを変えてみました。

今週の一曲を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリックちょっと外国出張するので外国にちなんだ曲です。

先週の一曲はドビュッシー前奏曲集第一巻より第二曲目「帆」でした。夏も過ぎて海にはヨットも少なくなってきましたが、つい先日のある晴れた日に、羽田に降りる飛行機から東京湾を見ていたら、大きな貨物船に混じってヨットが優雅に白帆を膨らませていました。

この曲、ほとんど全部が全音音階で出来ています。しかも、2種類(ドから始まるものとシから始まるもの)しかない全音音階のうち一つしか使っていません。せめて二つを交互に使うと、トニックとドミナントっぽい効果で古典音楽っぽくなりますが、一つに徹しているので機能和声効果が避けられています。いくらドビュッシーが全音音階が好きとはいえ、これはちょっとやりすぎと思う人もいるかもしれません。さすがにドビュッシーも全音音階一色は避けましたね。一ヶ所だけ数小節、ペンタトニック音階に移って雰囲気を変えています。急な風向きの変化を受けてヨットの白帆はなびいたようです。でもすぐまどろみの全音音階に戻ります。

全音音階は独特で、他の機能和声と親和させるのが難しい和音です。ヤナーチェクはとても自然に使っていると思います。ドビュッシーがこの曲でやったペンタトニックとの接合もうまく行っていると思います。
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久しぶり

2005-09-24 08:51:30 | コンサート・CD案内
のCD紹介です。まずは当然ピアノ音楽が好きなのですが、古今のピアニストにかけてはもうこの人にお任せというスペシャリストを何人も知っています。たとえばPianophiliaブログ。この方には入手困難な貴重音源を聴かせてもらったりしてお世話になっています。

そこでここではピアニストの紹介というより曲あるいは作曲家に焦点を当て、ピアノ曲に限らず紹介して行こうと思います。書いてる時点で購入可能なものに限りたいと思います。今日紹介するのはNHK-CD(KICC3024)「尾高賞受賞作品2」の一枚。中身は

(1)矢代秋雄「ピアノ協奏曲」(1967)
(2)湯浅譲二「クロノプラスティック」(1972)
(3)松村禎三「管弦楽のための前奏曲」(1968)
(4)柴田南雄「コンソート・オブ・オーケストラ」(1973)
Pf:中村紘子(1)、指揮:岩城宏之(1)(2)(4)森正(3)、NHK交響楽団

お奨めは(1)と(2)。特に(1)は大変美しく躍動感もある曲。世界的には有名曲ではありませんが、現代ピアノ協奏曲の代表的古典(変な言い方?)に位置づけてもおかしくない曲ではないでしょうか。最初から最後まで心が寸分も離れることなく、ハマってしまいます。完成させるの時間かかったろうなと思わずにはいられない、無調気味の不思議な和音の連続と緻密な構成。1976年に46才で亡くなった矢代は大曲は片手で数えるほどしか残していない寡作な作曲家ですが、どれも本当に緻密。

(2)は「オーケストラのための可塑的時間」の和名を持ち、初演の放送にかじりついて聴いた懐かしい曲。これは上記4曲の中では最も前衛音楽的で、メロディー・コード・リズムを三要素とするミュージックとは対極にある、音の彫刻作品です。空間それぞれの地点に固定された彫刻のような出だしと空間がねじれて行くような後半の対比が面白いですね。

(3)は松村禎三の作品としては私の好きな方。バッハのフーガのように単旋律から何重にも重なる声部に進む音楽は、無調にしても味わいがあります。

(4)もいい曲で好きですが、前年の(2)があるので、影響受けたんじゃないかと思ってしまうのを禁じ得ません。

どれも ー 少なくとも(1)(2)は ー 歴史に残ってもらいたいもんです。
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今日で物理学会

2005-09-22 06:04:36 | 日々のこと(一般)
も終わります。量子エレクトロニクス領域は200人近い参加者。閑散としていた頃もあったことを思えば隔世の感。特に昨日と今日は量子情報のセッションです。20年前スクイジングや量子非破壊測定を発表し始めた頃も閑散としていました。やがてそれがブームになりましたが、そのブームは量子エレクトロニクス領域を出ることはあまりありませんでした。ブームが去ってまた閑散としました。その後量子情報処理の発表を始めたらまたブームになっています。今度はもっと本格的ブームで、他の領域にも飛び火しています。この先どうなるのでしょう。

会場の同志社大京田辺キャンパスがまた凄い。目隠しでこのキャンパスに連れられて目を開いたとき「ここはアメリカの大学だよ」といわれても違和感ないくらい。このところ私大の美しさと広さに驚いています。
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オーロラやフレア

2005-09-19 06:51:01 | サイエンス
の美しい映像がNASAから公開されました。お奨めはここにある四つのうち衛星から撮った左上の南極オーロラのmovieと太陽フレアのmovie。いやあ、フツーに、simply、感激しません?

左上の方は幻想的にゆらめくオーロラはもとより、地球そのものの映像も美しい。まれに見る水浸しの惑星を保護する細胞膜のような大気の層のなんと薄くてデリケートなこと。右下の太陽フレアは、その地球を何個も飲み込む規模の生きた磁力線。

いつぞやか、夜の北極圏を飛ぶ飛行機から見えた、遠くの空と地球の境目を頻繁に交錯する光の舞。あれは雷だったのだろうか、オーロラだったのだろうか?
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今週の一曲

2005-09-18 06:59:40 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック

先週の一曲はバッハ「ほどよく調律された鍵盤楽器のための24の前奏曲とフーガ」第一集より第22番変ロ短調の前奏曲でした。ピアノの旧約聖書と呼ばれるこの曲集、ケーテンからライプツィヒへ移る直前の1722年に完成されました。この曲集、第二集もそうですが、バッハは必ずしも12平均律のために書いたわけではありません。それはまたいずれ論ずるとして、このピアノはもちろん12平均律での調律ですー私でなく調律師さんですが。1973年4月10日の録音です。
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甲南大学

2005-09-16 07:04:47 | サイエンス
での集中講義が昨日終わりました。3日半、たっぷりの講義でした。主催のX教授はン十年前某会社の研究所に就職したころの上司、ずっと聴講してくれたY教授もそのころの先輩という関係です。ウチの学生数人も出向いて聴講していたこともあり、結構気合い入ったかも。最終日にX教授とY教授の実験室を見せてもらいましたが、その充実ぶりに驚きました。今回の甲南大学といい、この前の高知工科大学といい、研究内容、施設、装置、どれもすばらしいものでした。私学助成ってのがあるんですよと言ってましたが、それだけでは無理でしょう。競争的研究資金を獲得している各個人の力が効いているのは間違いありません。

それにしても六甲ふもとの高みにあるX教授の執務室から望む神戸市と大阪湾の眺めは絶景。ちょうどクッキリと晴れた日でしたが、高速道路、タンカー、対岸の大阪市街、その後ろの山々、飛行機の舞う関空がハッキリ。自席からこんな眺めが見られる教授室なんて初めてでした。
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今回の衆院選挙

2005-09-12 00:04:28 | 日々のこと(一般)
はいつになく面白かったですね。いやまだ面白いですね。大勢が決まったようですが、この結果を私が喜んでいるか残念に思っているか・・・は書きません。そもそも単純ではありませんし。

それより、前から小選挙区制も比例代表制もまずいシステムだと思っているのですが、今回も小選挙区制の不安定さが出ている感じがします。それに小選挙区で落ちた候補が比例代表で当選とか比例代表での当選者が他党に移籍なども納得いかないけど、今回もあるんでしょうね。中選挙区制の方がまだましだったと思うなあ。選挙制度改革のときは私は変だなあと思っていましたが、あのときはマスコミは結構軒並み「改革に反対する人なんか居るの?」という口調でした。

しかし投票所はお年寄りばかりだったなあ。高齢者社会化を目の当たりにしたようで、そっちの方が心配。
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今週の一曲

2005-09-11 00:07:17 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック

先週の一曲はバッハのバイオリンソナタ第4番第1楽章でした。バッハ30台半ばのケーテン宮廷楽長時代の作。冒頭の旋律はマタイ受難曲のロ短調アリアと通ずるものがあります。

バイオリンを弾いているのは? 卒論の相棒です。二人一組で卒論を書くのですが、懇切丁寧な助手の先生(現TH大教授)の指導の下、色素レーザーを作っていました。30年以上前のことですが季節的にはちょうど今頃の夏休みでした。この相棒、今や母校の高校副校長です。光陰如矢。
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このところ

2005-09-10 08:11:10 | 日々のこと(一般)
続けて訃報が・・・

その方々が支えた社会への軌跡、確かに感じるその証し

しかしそれを噛みしめるにはまだ急すぎて・・・
合掌
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人間開発指数

2005-09-08 23:23:01 | 日々のこと(一般)
なる国別ランキングが国連開発計画(UNDP)から発表されました。一人あたりのGDP、教育水準、寿命などなどを総合評価したものらしいです。どのくらい人間の尊厳が尊重された生活が保証されているかを測るものと謳っています。当然、よくある国民総生産ランキングで上位の日本もこの指数では落ちると予想されますが、ともかく表を見ますと上位10位は

1 Norway
2 Iceland
3 Australia
4 Luxembourg
5 Canada
6 Sweden
7 Switzerland
8 Ireland
9 Belgium
10 United States

と、白人系が占めています。アイルランドは北アイルランド紛争とは関係ないんだなと思う程度で、まあ特に意外な感じではありませんね。アイスランドとスイスは旧ソ連を追われたアシュケナージが第一居と第二居を構えているし。カナダの知人は自宅の地下室にテニスコートを持っているし。スウェーデンの若い知人宅に比べると日本の「スウェーデンハウス」は模型みたいだし。オーストラリアの教授宅に泊まった友人は「お城みたいだった」と言っているし。納得。

しかしこのあと20位までを見てください。

11 Japan
12 Netherlands
13 Finland
14 Denmark
15 United Kingdom
16 France
17 Austria
18 Italy
19 New Zealand
20 Germany

えっ? 日本てあのイギリスフランスドイツや福祉と自由の北欧3ヶ国より生活いいの? しかも去年はもっと良くて9位だったそうな。そして20位まで白人系に混じって日本だけアジアです。

「だから日本人はもっと自国に誇りを持ちましょう!」と言いたいところですが、言ってるそばから自分でもなんか首をかしげてしまいます。イギリスに1年住んだ私としてはどうもこの表に実感がわかなくて、どちらかというと「誇りを持ちましょうよ!」と言われる側に回ってしまいそうです。そうですねえ、じゃあ持ちましょうか・・・

しかしこの実感がわかないというのは結構本質を突いていることが多いから、また考えてみようかと思います・・・
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高知工科大学

2005-09-07 06:48:33 | 日々のこと(一般)
でのサマースクールももうすぐ終わります。この夏二つ目のサマースクールです。全部出る受講者はごくろうさまですが、私は例によって適当に切り上げて帰って来ました。会場の高知工科大学は欧米の大学のようなきれいな佇まいでした。このホームページでもわかるようにレンガ調の建物、芝生と噴水、高いタワーの学生ドーミトリーなど。それもそのはず、設計者はアメリカ人だそうです。理事長は橋本高知県知事、初期投資は県もちということで、あとの運営は民間と説明されました。そう聞いてホームページも「定員と学生数」「財務状況」に目が行きました。見学では木村研究室を拝見しました。イオン化した極微小物体のレーザートラップの実験で、極微小風車を光の風で回すなど、わかりやすくインパクトのあるディスプレイやビデオによるデモでした。
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今週の一曲

2005-09-04 15:45:37 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック
今週は珍しく室内楽です。

さて、先週の一曲ですが、シューマン「子供の情景」より第5曲「満たされた幸福」でした。1974年の録音です。
 よく知られているようにロベルト・シューマンは彼のピアノ教師フリードリヒ・ヴィークの娘クララ・ヴィークと激しい恋愛の末、フリードリヒの反対を押し切って結婚しました。「子供の情景」は結婚前の1838年、28才の頃の作品で、シューマンの傑作の一つに数えられています。
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