国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

対馬海峡の金門島的、あるいは台湾的な戦略拠点としての済州島の重要性

2007年03月08日 | 済州島
台湾海峡の地図。紫色に示されている地域が北東側から順に馬祖、烏坵島、金門島。





●福建沿岸部-金門・馬祖・澎湖の往来数が200万人の大台突破 2007/02/26(月) 配信: 新華社

 福建省台湾事務弁公室によると、2月24日時点で、福建沿岸部と金門、馬祖、澎湖を行き来する人数は201万9000人に達し、200万人の大台を突破した。このうち、アモイ-金門航路の乗客は186万8000人、福州馬尾-馬祖航路の乗客は12万8000人、2006年6月に開通した泉州-金門航路の乗客は2万1000人。
 福建沿岸部と金門、馬祖、澎湖の直航便が2001年1月2日に開通した後、乗客人数が2001年の2万4000人から2006年の66万9000人に増加し、年間平均増加率は106%に達している。
http://www.newschina.jp/news/category_8/child_27/item_1087







●金門・馬祖地区、人民元両替業務を試験的スタート  「人民網日本語版」2005年9月29日

台湾の関連当局は28日、来月3日から、金門・馬祖地区の金融機関での台湾ドルと人民元との両替業務の試験的スタートを認めると発表した。 台湾の中央通訊社の報道によると、「小三通」(金門・馬祖地区と大陸部福建省との通商・通航・通信の解禁)に基づく出入境規定を満たす金門・馬祖地区の住民、台湾地区の住民、大陸部観光客は、指定金融機関の両替サービスを利用できる。両替の上限は1回当たり2万元。
http://j.people.com.cn/2005/09/29/jp20050929_53919.html






●金門県 - Wikipedia

金門県(金門島)は、福建省泉州晋江市に属している。国共内戦後、福建省の中では連江県(馬祖島)と共に中華民国に実効支配される数少ない地区となった。なお中華民国の福建省政府はここにある。総面積は150.3397平方キロメートルである。中国側の厦門市とは海を隔てて接しているが、大陸とは数km(最も近接するところで、2.1km)しか離れていない。中国国民党が台湾島へ移って以降は馬祖島とともに中華民国軍の軍事的拠点となり、1956年より軍政がひかれ、一般観光客の出入りは厳しく制限されていた。しかし1992年11月7日に軍政が解除された後は、三通政策の影響もあり、観光客で賑わうようになった。

島外との交通は空路がメインである。現在金門空港から定期便が運行されているのは台北(松山空港)、台中、嘉義、台南、高雄の各都市である。また料羅港及び水頭港から中国への海運路線も開設されている。大小金門間は海路交通での連絡となている。金城鎮水頭港と烈嶼郷九宮碼頭の間で連絡船がで結ばれている。また水頭港は大陸との小三通出発地点に指定され厦門和平港及び泉州石井港の間に航路が開かれている。

金門では台湾本島同様に閩南語(台湾語)が話され、馬祖島で話される閩東語とは系統が異なる。なお、金門は日本統治時期がなく、日本語教育も受けなかったため、台湾本島のような日本植民地時代に流入した日本語からの借用語もほとんどない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%96%80%E5%B3%B6





●烏キュウ郷(烏坵島) - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%83%8F%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E9%83%B7




●馬祖島 - Wikipedia

連江県は、台湾海峡北部に位置する馬祖島にある県。中華民国政府統治地域である。一般的には馬祖と呼ばれている。福建省閩江河口部に位置し、南北54キロ、総面積は29平方キロ強の島嶼群であり、東引、西引、亮島、高登など36の島から構成されている。島嶼群最大の南竿島の面積は10.64平方キロ、中国の福州から僅か16海里に位置する両岸対立時には最前線の島であった。人口は10,066人(2005年4月) 。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E7%A5%96%E5%B3%B6





【関連情報】
●済州島四・三事件と在日済州島出身者について
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/4195ed4bcd31d5e71dbde3d3c710e8f4



●近い将来に朝鮮半島は赤化統一され、韓国政府は済州島に落ち延びて台湾的存在になる?
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/0e0744328ea7c510ca3863799a736b02









【私のコメント】
台湾(中華民国)は、台湾省の他に福建省に所属する三つの群島を実効支配している。その中で最大のものが金門島であり、福建省の大都市である廈門(アモイ)から数㎞の至近距離にある。二番目に大きいのは馬祖諸島であり、やはり大都市である福州市の沖合にある。金門県の管轄下にある烏坵島は最も小さく両者の中間にあり、やはり大陸に近い。軍政時代にはこれらの島は「大陸反攻の軍事拠点」として維持されていたが、軍政解除と三通政策施行に伴って大陸との間の交流が深まりつつある。特に、最大の島である金門島の至近にある大都市廈門は島にその拠点があり、シーパワー的風土を持つこと、廈門地域の方言と台湾語がほぼ同一であることから廈門と金門島・台湾本土の間の交流が非常に盛んになっているのだと思われる。

しかしながら、台湾が本気で軍事力による大陸反攻を考えていたとは思えない。大陸を共産党に、台湾を国民党に支配させるという線引きは国際金融資本によって計画されたものであり、台湾にはそれを左右する力はないからだ。つまり、金門・馬祖は表向きは「大陸反攻の拠点」であるが、実際には「台湾本土防衛+台湾海峡の制海権防衛」の為の拠点であったと考えられる。金門島は台湾海峡の南端に、馬祖島は台湾海峡の北端という戦略的に非常に重要な場所に存在する。

無論、第二次大戦後のミサイル技術の発達によって金門・馬祖の戦略的重要性は低下したと思われる。台湾の軍隊が金門・馬祖を実効支配していても、本土から台湾海峡を越えて発射されるミサイルを止めることは出来ないからだ。しかし、狭い台湾の安全を守るためには台湾海峡の制空権は必要不可欠であり、重要性は決して失われてはいない。

米中国交回復以降の台湾は、資本主義圏(日米側)と共産圏(中国側)の間の不安定で中途半端な国際的地位に置かれてきた。これは、第二次大戦後のフィンランドのそれに似通っている様にも思われる。そう考えると、フィンランドと言語・民族的に非常に近いがソ連の支配下に置かれてきたエストニアは、福建省の廈門を中心とする地域に似ているとも言える。近い将来に中国が分裂ないし連邦化する時には、福建省または廈門地区は台湾との太い紐帯を根拠に、エストニアのような小さな独立地域になるのかもしれない。そして、この地域が台湾にとっての安定した大陸での橋頭堡になると確信できるまでは、如何に大陸と台湾の関係が改善しても金門・馬祖を台湾が手放すことはないだろうと想像する。


さて、私がこれまで長々と台湾海峡について述べたのは、金門・馬祖という大陸に近い戦略拠点の重要性を日本は学ぶ必要があると考えるからだ。近い将来に在韓米軍は撤退して朝鮮半島は中国の影響力の大きな地域になる。釜山や木浦といった南東南岸の都市まで中国の軍隊が押し寄せる事態は想定しておく必要がある。その時に、対馬海峡の制海権・制空権を維持するには、日本も「金門・馬祖」的な地域を支配下に置く必要が出てくる。九州=台湾、福建省=朝鮮半島南部と仮定すると、馬祖島=対馬、金門島=済州島に相当すると見て良いだろう。烏坵島は対馬と済州島の間にある巨文島に対応することになる。もっと半島に近い島(例えば、本土から約200m離れた釜山市の影島、本土から数百メートル離れた慶尚南道の巨済島など)を支配下に置くことも不可能ではないだろうが、攻撃を受けるリスクの上昇、難民流入阻止の困難さなどを考えると疑問が残る。

日本はどうやら、中国大陸での橋頭堡として上海を選択して育成してきた様に思われる。日本と上海の間の航路・航空路の安全を確保するためにも、済州島を支配することが絶対に必要なのだ。日本から東南アジア・中東への航路に於ける台湾の重要性と、日本と上海の間の航路に於ける済州島の重要性は似通っている。無論、直接支配は余りにコストが高く行うべきでない。日本が行うべきなのは、中国大陸に対する台湾の様な小国としての済州島を支援し、間接支配下に置くことである。1948年4月3日の四・三事件により済州島では当時の人口の3割近くが虐殺されたという説がある。また、日本には約10万人の済州島出身の在日韓国・朝鮮人が居住しており、親族に虐殺の被害者を持つもの、虐殺から逃れるため日本に密航した者も多いだろう。その他の在日韓国人も、韓国国内で差別され虐待されてきた者が多く含まれると想像され、在日韓国人は実は韓国政府が嫌いな者が多いのではないか。それ故に、朝鮮半島南部出身者がほとんどである在日韓国人に朝鮮総連所属者が異常に多いのではないだろうか?更に、韓国の支配階層の多くは外国渡航などを通じて自国民の民度に絶望している者も多いと想像される。日本としては、済州島出身者を中心とする在日と韓国の支配階層の二つの集団を利用して、済州島に台湾的な小国を建国させていくのが最も望ましいのではないか。そして、韓国から日本への難民の処理を含め、日本と朝鮮半島の間の交渉の仲介役として、江戸時代の対馬藩的な機能を持たせるべきではないだろうか?(恐らく、このような主張は「在日」と聞くと脊髄反射的に批判を始めるネット右翼の皆さんには決して受け入れられないであろう)


日本政府・韓国政府の真の意図は不明だが、両国政府ともに済州島の戦略的な重要性は十分理解していると私は想像する。日本政府は「日本軍による従軍慰安婦の強制連行が済州島で行われた」との日本人学者の主張(根拠はなく、捏造であると本人も後日認めているらしい)に基づいてこれまで謝罪を行ってきた。多くの日本人学者が「日本軍による従軍慰安婦強制連行の調査」という明目で済州島を訪問し、地域の老人たちに聞き取り調査を行っていることだろう。そして、聞き取り調査の際には、老人たちの家族構成や生死についての情報も収集されている筈である。だとすれば、人口の3割近くが虐殺されたとされる四・三蜂起とその後の闘争についての情報も収集されていることだろう。その情報は、「日本の植民地下で虐待され、従軍慰安婦を強制連行された可哀想な被害者としての韓国人」から、「解放後に済州島の住民の約3割を虐殺した恐るべき殺人鬼としての韓国人」への、韓国人の国際的イメージのコペルニクス的転換をもたらし、被害者の子孫である済州島住民や在日韓国・朝鮮人が日本の影響下に済州島国家を建国するのに役立つと思われる。私は、河野洋平元官房長官の「慰安婦強制連行への謝罪」や、それに先立つ日本人学者の「済州島での慰安婦狩り」証言、更にそれを全世界に発信して広めた朝日新聞などの左翼マスコミの活動は、このような戦略に基づいた韓国嫌いの在日と日本政府との共同作戦による陰謀ではないかと考えている。

また、韓国政府も昨年7月に済州島を「特別自治道」という高度な自治権を持つ地域に変更している。国際都市としての開発を目指すという触れ込みだが、韓国の人口の半分が集中するソウル首都圏を差し置いて済州島を国際都市として開発せねばならない意図が不明である。やはり、戦略的重要性を踏まえた、別の意図を持った政策であると思われる。そして、韓国政府の真の意図が日本の意図に協力するものなのか、あるいは反対するものなのかについては私には分からない。


上記の分析(特に、済州島を将来日本が間接支配するために、河野洋平氏が従軍慰安婦強制連行への謝罪を行ったと言う仮説)は確たる根拠もなく、陰謀マニアの妄想に過ぎない可能性も高いと思われる。ただ、近未来の米軍撤退後の朝鮮半島において、済州島が日本の影響下に確保されるかどうかは決定的に重要だと思う。そして、済州島を敵対勢力に奪われたなら、日本が上海との間の航路・空路の安全を確保することも、対馬海峡の航路の安全を確保することも、困難になるだろう。
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10 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-03-09 01:02:19
管理人さんに質問します。

一貫して韓国政府、韓国の大学教授、韓国国民は
対馬は韓国の領土だと
盛んに主張しています。

私の脳裏にある気がかりは
大東亜戦争敗戦直後の混乱期に
日本国内の駅前一等地や竹島を韓国人が強奪したように将来、第二次日中戦争でもあるなら
どさくさにまぎれて
対馬を韓国軍に盗られると言うシナリオはありえる
のでしょうか?

また、最近の嫌韓の風潮も危惧の念を持ちます。
日中間の対立を煽り、漁夫の利を得る、
アメリカや韓国の臭いを感じてならないのです。

返信する
>対馬を韓国軍に盗られると言うシナリオはありえるのでしょうか? (princeofwales1941)
2007-03-09 01:17:14
>対馬を韓国軍に盗られると言うシナリオはありえるのでしょうか?

あり得ないということはないでしょう。朝鮮半島国家が中国に事大し、日本と中国の間で対立が深まれば対馬は対立の最前線になります。その時に備えて、ジブラルタルのような要塞を建設しておく必要があると思います。


>また、最近の嫌韓の風潮も危惧の念を持ちます。日中間の対立を煽り、漁夫の利を得る、アメリカや韓国の臭いを感じてならないのです。

これは心配無用でしょう。日本より中国に近く、日本より陸軍の規模が大きい韓国が朝鮮半島を統一すれば、中国にとって統一朝鮮の方が日本より大きな脅威になるのは自明です。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-03-10 01:07:20
上海同盟

モスクワ、ニューヨーク、ペキン枢軸体制完成
1兆ドル超の外貨準備運用、中国が投資会社設立進める
 【北京=末続哲也】中国の金人慶財務相は9日、北京で記者会見し、1兆ドルを超える外貨準備を戦略的に運用するため、政府直轄の専門投資会社の設立準備を進めていることを正式に明らかにした。

 投資会社は、シンガポール政府系持ち株会社テマセク・ホールディングスなどを参考にしており、金財政相は「安全を確保した上で、外貨運用の高収益化を可能にするもの」と説明した。

KGBは勝利の凱歌を歌うのだろうか?
返信する
Unknown ()
2007-03-12 15:43:49
とにかく慰安婦問題については、まず小林よしのり著「戦争論2」の「総括・従軍慰安婦」を読んでほしい。
あらゆる関連本の中で一番良い。
この問題の全容も把握できる。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-03-19 02:59:22
この法案を通す為に、アメリカは3~6月の間に軍事的行動を実行する予定

国民投票法案、来月中旬衆院通過へ…民主との調整断念

3月16日3時6分配信 読売新聞
 憲法改正の手続きを定める国民投票法案が4月中旬に衆院を通過する見通しとなった。

 自民、公明両党は15日、民主党との共同修正案の提出を断念し、衆院憲法調査特別委員会に与党修正案を単独で提出したうえ、4月13日にも衆院本会議で可決、参院に送付する方針を固めた。これにより、安倍首相が最重要法案に掲げる同法案が今国会で成立する公算が大きくなった。

 同法案を巡っては、15日の衆院憲法調査特別委で、中央公聴会の22日の開催が与党の賛成多数で議決された。野党は反発しているが、与党は公聴会後に修正案を提出し、数回の審議を経て、4月12日に特別委で採決する構えだ。参院でも週2回のペースで特別委員会を開き、今国会での成立を目指す。



最終更新:3月16日3時6分
返信する
済州島出身の人には日本人のルーツがあるのでしょうか? ① (Unknown)
2007-09-18 11:32:23
奇妙な記事「済州道の男女、10人中8人以上が地元出身者と結婚」「英語学校建設」を見かけました。済州島が歴史的に日本人と関りを持つかどうかわかりませんが、下記の内容から想像できることは、古代から日本と朝鮮半島は侵略戦争を含め人の往来があり、いまの在日朝鮮人のように朝鮮半島に住み着いた日本人もいたのではないかと想像します。その人たちを秘密裏に政治的に利用している人がどちらの政府にもいるということでしょうか? 小泉首相の時、済州島出身の女優、チェ・ジウさんが広報大使で面談された時、”済州島出身ですか”と声を掛けてられてました。済州島出身の人には日本人のルーツがあるのでしょうか?


済州道の男女、10人中8人以上が地元出身者と結婚
http://www.chosunonline.com/article/20070710000043

14.「倭国」は滅亡していた!! 白村江の戦の結末 (1997.8.23)
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/hakusuki.html

663年、朝鮮南西部の白村江(はくすきのえ)で、東アジアを揺るがす一大決戦が行われました。決戦の名は「白村江の戦」。唐・新羅(しらぎ)、倭国(九州王朝)・百済(くだら)の二つの連合軍による、朝鮮半島の権益を巡る一大決戦は、唐・新羅連合軍の勝利によって幕を下ろしました。この戦いにより、百済は名実共に滅亡し、新羅による朝鮮半島統一へと時代は動き始めます。この教科書でも習った白村江の戦が、実は日本にも多大な影響を及ぼしていた事をどのくらいの方がご存じでしょうか?

倭国(九州王朝)は、かつて、北方の大国・高句麗と朝鮮半島で、その権益を巡って戦いました。なぜ、倭国、ひいては日本が朝鮮半島に古代から関わらなければならなかったのかと言う問題は、この際は抜きにしますが(いずれ取り上げようと思っています)、とにかく、倭国は事ある毎に朝鮮半島に一定のプレゼンス(影響力)を行使してきました。その帰結が先に挙げた「白村江の戦」なのですが、この戦争で負けた倭国・百済連合の一方の当事者・百済は名実共に滅亡し、その領土は新羅に併合されてしまいました。
返信する
済州島出身の人には日本人のルーツがあるのでしょうか? ② (Unknown)
2007-09-18 11:34:01
66.「高麗襲来」 ─ 元寇に隠された側面 (2000.2.7)
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/genkou.html

文永11(1274)年10月5日、突如として元(モンゴル)の艦隊が対馬に軍事侵攻してきました。いわゆる「文永の役」の始まりです。そして20日には、元軍は筑前国(現・福岡県)に上陸し、集団戦法や回々砲(大砲)・震天雷(ロケット砲)等の新型兵器を駆使して、鎌倉武士を翻弄しました。しかし、夜来に襲った「神風」(暴風雨)によって元の艦隊は壊滅。日本は辛くも危機を脱したのです。その後、元軍は、弘安4(1281)年5月21日、再び対馬へ侵攻、志賀島(筑前国)・長門国(現・山口県)にも来襲しました(弘安の役)。この二度目の侵攻も、前回同様、「神風」による元軍の壊滅によって終結し、さしもの「大帝国」モンゴル(以下、「蒙古」と略)も、日本征服を断念せざるを得ませんでした。(もっとも、フビライ自身は、第三次・第四次侵攻を考えていた) この二度に及んだ「元寇」(「蒙古襲来」とも言い、「文永の役」と「弘安の役」の総称)は、通常、蒙古による軍事侵攻 ── 「日本征服」作戦と解されていますが、実は、その計画・実行には高麗(コリア)が深く関与していたのです。と言う訳で、今回は、「高麗襲来」共言える「元寇」について書いてみたいと思います。
「高麗襲来」。私は「元寇」の事をこう書きました。それは、何故か? 実は、元の大汗(ハーン)フビライ(以下、「忽必烈」と略)に、壮大な「日本征服」計画を吹き込み、その気にさせた一人の高麗人がいたのです。彼の名は趙彝(チョー・イ)。朝鮮半島南部出身のインテリである彼は、蒙古の高麗侵攻の際に祖国を裏切り、蒙古の首都・燕京(後に中都、更に大都と改称。現在の北京)に赴き、進士試験(科挙)に合格、遂にはあの忽必烈の知遇を得る迄にのし上がったのです。その彼が、忽必烈に吹き込んだ事、それが、「黄金の国・ジパング」の征服計画だったのです。この「日本征服」計画に乗った忽必烈は、文永4(1267)年を皮切りに、以後14回(蒙古が8回、高麗が6回)にわたって、招諭使(使節)を日本へ派遣して来ました。招諭使 ── 彼らの目的は、忽必烈の国書を鎌倉幕府へ渡す事、そして、その国書には、「蒙古の冊封を受ける」事、つまり高麗同様、蒙古の属国となる様にと言った内容が書かれていたのです。勿論、鎌倉幕府が拒絶したのは言う迄もありません。
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済州島出身の人には日本人のルーツがあるのでしょうか? ③ (Unknown)
2007-09-18 11:35:45
倭寇
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%AD%E5%AF%87

倭寇(わこう)とは、一般的には13世紀から16世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸の沿岸部や一部内陸、及び東アジア諸地域において活動した海賊、私貿易、密貿易を行う貿易商人の事である。和寇と表記される場合もある。また海乱鬼(かいらぎ)とも呼ばれる。

字句をそのまま解釈すれば、倭寇とは「倭(日本)による侵略」という意味で、中国、朝鮮では日本人海賊を意味する。用事例を辿ると5世紀の高句麗広開土王碑の条文にも見られるが、後世の意味とは異なる。ここに見られる『倭、○○(地名)を寇す』という表現の漢文表記では『倭寇○○』のように「倭寇」の2字が連結しており、これが後に名詞として独立したと考えられている。倭寇の構成員は前期倭寇は日本人がその殆どを占め、高麗人がごく少数加わっていた。特に、後期倭寇は大半が中国人であったという。

また、16世紀の豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)、日中戦争における日本軍も「倭寇」と呼ばれるなど、排日感情の表現として使用された事がある。現代でも、朝鮮人や中国人が日本人を侮蔑するときに用いており、「野蛮人」のニュアンスを含む。

応永の外寇以前の形態は単なる局地的な奪還・復讐戦であり、これを倭寇と分類せず、それ以降を倭寇と考える説もある。清の徐継畭の『瀛環志略』や李氏朝鮮の安鼎福の『東史綱目』には、倭寇の原因は日本に対する侵略行為を行った高麗人(朝鮮人)への報復である、と記述されている。

後期倭寇の中心は私貿易を行う中国人であったとされ、『明史』日本伝にも真倭(本当の日本人)は10のうち3であるとも記述されている。ただし少ないながらもこれら日本人は、当時日本が戦国時代であったことから戦争慣れしたものが多く、戦争の先頭に立ったり指揮を執ることで倭寇の武力向上に資していた。この時期も引き続いて明王朝は海禁政策により私貿易を制限しており、これに反対する中国や朝鮮の商人たちは日本人の格好を真似て(偽倭)、浙江省の双嶼や福建省南部の月港を拠点とした。
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済州島出身の人には日本人のルーツがあるのでしょうか? ④ (Unknown)
2007-09-18 11:38:10
【社説】済州島よ、アジアにおける英語教育のメッカとなれ
http://www.chosunonline.com/article/20070817000053

韓国政府は、済州島で建設が予定されている426万平方メートルの「英語専用タウン」に、英語による教育を行う小中高校を12校設立する方針を決めたという。この英語専用学校では、国語や韓国史を除くすべての科目を英語で学ぶことになる。各地の学校に通っている生徒を年間9000人ほどこの学校に転入させて学ばせ、1年後に単位認定を受ける形で元の学校に戻らせるという構想だ。小学校4年生から高校3年生を対象に課程を設け、1学年あたり1000人ほどを予定している。

済州に「英語漬けの学校」12校設立へ(上)
http://www.chosunonline.com/article/20070909000015
済州に「英語漬けの学校」12校設立へ(下)
http://www.chosunonline.com/article/20070909000016

◆済州島では戸惑いも 
 当初、済州島は英語教育都市に建てられる小中高校の設立形態として「国立」を希望していた。だが、教育部と英語教育都市支援案を盛り込んだ了解覚書(MOU)を結ぶ条件として「公立」学校を設立する政府案を受け入れることにした。済州特別自治道の金泰煥(キム・テファン)知事は「教育部と締結する予定のMOUに国立学校並みの行政・財政支援を受けるという内容を盛り込む方針」と話している。

53.朝鮮を独立させたのは「日帝」だった!! 日韓裏面史-其の壱-(1999.5.7)
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/nikkan1.html

183.「日帝の七奪」とはよく言ったものだ ── 光復後、国王を復位させなかったコリア (2007.4.22)
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/nikkan7.html

74.「統一朝鮮」を望まず!!~南北首脳会談に困惑するアメリカ(2000.7.22)
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/nanboku_kaidan.html

184.『親日反民族行為者財産帰属特別法』 ── 文明国の仮面を被った未開国「韓国」 (2007.5.25)
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/html/history/honbun/chinilba.html
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Unknown (済州島についての補完)
2008-04-22 10:41:50
済州島が、耽羅国としての国家成立時に、始祖となった三姓氏に対して、その国造りを祝って日本より姫がその三氏に送られたことが伝えられている。それは王家の子孫たちが現在も編纂し続けている歴史書に明確に記されている。(韓国政府が管理する済州島の観光HPでは、その書では「日本」と明記されていることが、「海の向こう」と書き変えられていることも注目したい)
これは済州島においてはよく知られている歴史的神話であるが、これも済州島の人々の日本に対する親近感の下敷きとなっている。
その歴史書によると、済州島が朝鮮半島との接触において、直接の支配を最初に受けることになったのは、日本に対して試みられたのと同様の、高麗・元連合軍による「元寇」であったことは興味深い。
その後は高麗に対して隷属的独立を続けるが、李氏朝鮮の時代に国家としての地位を喪失してしまったようである。
朝鮮半島の人々とは異なる文明を持っていたことに加え、倭寇の拠点としても半島の人々に知られていたため、朝鮮半島との確執は双方において今も大きい。そのことも特別自治区として現行の韓国政府の扱いとなっている理由ではないかと思われる。

済州島の人々が、概して親日的な感情を有し、血縁を感じていることは、現在日本に居住する在日済州島人にも共通して言えることである。
私は直接、済州島出身の友人から彼の半島の人間に対する嫌悪感と、日本に対する近しさと日本文化への親愛の情を聞き、また彼らの温和さと、「恥」に対する畏れを見るときに、彼らには私たちと共通の文化が存在することを感じたことを告白しておきたい。(先に述べた歴史書についても、私はその友人から見せていただいたことを付け加えておく)
済州島の問題は、東アジアにおいて不当に見逃されていたことであるが、今こそこの問題を明らかにするべき時ではないかと考える。そして、日本と済州島とのあらたな関係構築が全く不可能ではないと信じうるだけの材料があると思えることも付け加えておきたい。
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