国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

国際金融資本から日独露中印のユーラシア大国連合への世界覇権移動とその後の宗教戦争

2012年02月25日 | 欧州
欧米諸国では銀行への批判が高まっている。ハイリスクの投資で高収益を挙げて高額の給与を手に入れ、その投資が焦げ付いたら金融システムを守るとの名目で政府から支援を受けるというのは他の産業の従事者から非難されて当然だ。これは国際金融資本がイギリスを含む欧州で力を失いつつあることを示している。恐らく近未来に全ての先進国で通貨・株式・公社債の取引に少額の課税が行われるようになる。それによって暴利を貪ってきた金融業は消滅する。後に残るのは、儲からない伝統的な金融業だけである。国際金融資本の本拠地として繁栄し続けてきたロンドン・ニューヨークはシンガポール・香港・ケイマンなどの出張所とともに廃墟へと向かうだろう。私は2006年6月17日の記事でスペインの不動産バブルとそれが崩壊した時のユーロの激震について触れた。事態は私の想像したとおりに進んでいる。ただ、予想外であったのは、バブル崩壊で破産状態になった人々の多くが移民であったとの情報だ。サンケイビズでは西アフリカのマリ共和国出身者が取り上げられているが、私が過去にスペインを旅行した時の印象ではスペインには黒人はそれほど多くなく、外国人としてはアラブ人とインディオとの混血と思われるラテンアメリカ出身者が目立った。今後スペインではアラブ人失業者とスペイン人失業者の対立が深まり、アラブ人達を迫害していくのではないかと想像する。欧州にとって最大の敵はイスラム教徒、なかでもアラブ人である。アラビア語は広大なアラブ地域で公用語となっており、ペルシャ湾岸の油田地帯を有している。このアラブ地域をどうやってコントロールしていくかが今後の欧州の安全保障の鍵になる。アラブ人を弱体化させるために欧州は今後、トルコ・イラン・ペルシャ湾岸油田地帯に住むシーア派を支援していくことだろう。「北緯10度線 ─ キリスト教とイスラームの「断層」」では、1世紀前に北アフリカのイスラムの脅威に対抗するためにサハラ砂漠の南側の熱帯アフリカ地域の黒人にキリスト教を布教した欧州人宣教師達の歴史と、その宣教の結果土着宗教の黒人達の多くがキリスト教に改宗し、北緯10度線を挟んで北側のイスラム教の遊牧を生業とするアラブ人と南側のキリスト教の農耕を生業とする黒人の間で深刻な対立が起きていることを詳しく報告している。今後の欧州は宗教対立のプロパガンダでアラブとブラックアフリカを対立させていくだろう。 . . . 本文を読む
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