国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

21世紀は電気自動車の時代

2010年09月02日 | 経済
化石燃料、特に石油は既に生産のピークを越えたと考えられており、21世紀はこの石油を如何に節約するかが重大な問題になってくると思われる。現在の日本ではトヨタのプリウスなどのハイブリッドカーが主流であるが、これは過渡的現象に過ぎない。やはり、21世紀の自動車の主流は電気自動車になるだろう。電気自動車ならば、常温核融合、核変換で廃棄物処理コストを減らした原子力発電、豊富に存在する石炭を利用した火力発電などで石油を使用せずに済むからだ。恐らく2050年の日本では、自動車はほぼ全て電気自動車になり、暖房や化学工業原材料はロシアからのパイプラインで供給される天然ガスに置き換えられ、石油が利用されるのは航空運輸・船舶運輸・農業機械用・離島での発電用などの分野に限られるのではないかと想像する。現時点では、電気自動車は非常に高価であり、一般の乗用車に普及するのは先になるだろう。最初に普及するのは、タクシーやバス、宅急便・郵便の集配車などの業務用車両になると思われる。一日に走る時間が長いので高価な初期投資を回収しやすいこと、営業所が既に存在するので充電場所の確保が容易であるなど、有利な条件が揃っている。タクシーはプロパンガス車が多く石油消費削減にはならないが、それ以外の業務用車両の電気自動車化は石油消費削減効果が大きいと思われる。ベタープレイス社のバッテリー交換式電気自動車は非常に良いアイデアである。どんどん普及しても良さそうだが、実験に参加している日本交通は電気自動車の大量導入には踏み切っていない。まだバッテリーのコストが高く採算が合わないのか、あるいは国際金融資本の意向でまだ電気自動車を普及させることができないのか、いずれかであろう。最近、中国がレアメタルの輸出量を削減しておりハイブリッドカーの生産に支障がでる可能性があるとの報道があったが、このレアメタルが必要なのはハイブリッドカー用の小型モーターであり、一般の電気自動車ならば中国産のレアメタルは不要らしい。従って、コストの多くはバッテリーということになる。バッテリーの何が高価かというと、リチウムイオン電池の正極に使用されるコバルトらしい。ただ、このコバルトの使用量を減らす、あるいは使用しない正極が開発されはじめており、近い将来にはバッテリーの価格は急速に下落することになると思われる。電気自動車大普及時代はもうすぐである。 . . . 本文を読む
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