国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

米韓同盟崩壊後の韓国は中国の衛星国となり、日本の脅威に対抗するために中国に軍事的に依存する?

2008年02月22日 | 韓国・北朝鮮
YONHAP NEWSが2月18日に、米韓同盟崩壊後に朝鮮半島に冷戦が再来するという記事を載せている。この記事の元ネタであるNBRの報告書はネットで公開されているので要旨の部分だけを翻訳した。この報告書の中で重要なのは一番目のS. Enders Wimbushの論文で、米韓同盟が解消され米軍が日本を含む東アジアから撤退した場合にどのようなことが起きるかを予想している。南北朝鮮の他に中国・日本・ロシア・台湾・インドがプレーヤーとして挙げられ、それぞれがどの様に行動するかが述べられている。米韓同盟が崩壊すると韓国が中国の影響下に入り衛星国化すること、韓国は日本の脅威に対抗するためにも中国により深く依存すること、日本や韓国・台湾が核武装に向かうこと、日本はアジアでの孤立状態に置かれるがそれを打開するため対露関係を改善し領土問題を解決させることなどが予想されている。 将来米韓同盟が崩壊するかどうかは重大な問題である。私は、近未来に米国はその経済的疲弊故に軍隊を縮小させ、東アジアや中東から撤退せざるを得なくなると想像している。ソ連崩壊後に東欧からソ連軍が撤退したのと同じ事が起きるという予想である。日本は米軍の太平洋艦隊を購入しその維持費を支払うことで米軍のプレゼンスを確保し続けることが可能になるかもしれないが、韓国は同様の行動を取る余力が無く、従って中国の衛星国に転落せざるを得ないだろう。衛星国が宗主国より繁栄しているという異常な状況は長くは続かず、韓国の繁栄は終焉し、やがて北朝鮮と統合されて消滅する筈である。朝鮮半島が現在のように分断されている状況こそが不安定であり、中国はそれを安定化させるために統一させると想像されるからであり、David C. Kangの予想する南北冷戦は実現しないと予測する。 なお、S. Enders Wimbush氏もDavid C. Kang氏も触れていないが、北朝鮮は建国に旧帝国陸軍関係者が関与していることから日本と強い繋がりを有していると想像される。日朝の対立は演出されたものだろう。北朝鮮は日本とも中国とも良好な関係を持っている点で韓国に対して決定的に優位に立っているのだ。将来の朝鮮半島統一が北朝鮮主導のものになることは確実だろう。韓国にとっては竹島問題のために日本が脅威となっていることが戦略的に見て最大の失敗であったことになる。 . . . 本文を読む
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