国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

オバマ次期米国大統領はサルコジ仏大統領と同様に移民に同化への踏絵を迫り、同化拒否者を排除する?

2007年06月21日 | 米国
国際金融資本の世界支配=グローバリズムの終焉を迎え、世界の主要文明は、「我々は何者か?」という自己規定と共に、内部に入り込んだ他文明所属市民の排除を開始しつつある様に思われる。サルコジ氏は内相時代にパリ郊外で暴動を繰り返す移民の子孫に対して「ゴミくず」という罵倒の言葉を投げつけた。また、EU加盟を希望するトルコに対してサルコジ氏は選挙戦中に、「カッパドキア人やアナトリア人は欧州人ではない」との侮蔑的発言を行った。これは「トルコは偉大な国家だが我々とは別の文明に属する」というシラク前大統領の敬意をこめた拒絶とは明らかに異なる。 では、サルコジ氏の「ゴミくず」「カッパドキア人」「アナトリア人」に対応するオバマ氏のキャッチフレーズは何だろうか?私は、『There's not a black America and white America and Latino America and Asian America; there 's the United States of America.』と言う発言だと考える。 アメリカが白人のアメリカと黒人のアメリカに分断されるならば、自分は体を二つに引き裂かれてしまうという悲鳴がこの演説の行間から聞こえてくる。そして、その悲鳴の率直さが多くの米国人を感動させ、オバマ支持にさせているのだと思う。しかし、この発言の裏にはオバマ氏を次期大統領に据えようとする米国中枢階層の別の意図が隠されている様に感じる。 ジェシー・ジャクソンのような従来の黒人政治家の多くは、奴隷の子孫と言う出自にこだわり、白人との対決感情を心の中に秘め、黒人のための政治を目指していた。つまり、United States of Americaよりもblack Americaが重要だと考えていたのだ。オバマはそのような姿勢を否定するだけでなく、米国の黒人一人一人にUnited States of Americaとblack Americaのどちらが重要か?と踏み絵を迫り、後者が重要と答える黒人は米国にいる資格がない、アフリカに帰るべきだと主張し始めるのではないだろうか?そして、各種の黒人優遇政策を廃止するつもりではないだろうか? . . . 本文を読む
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