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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

米国債金利の上昇・・・QE3縮小とでも言わないとヤバイ

2013-06-21 13:24:00 | 時事/金融危機
 



■ QE3縮小に言及したバーナンキ ■

FRBの緩和マネーに支えられるアメリカ市場、
QE3の縮小や終了は市場崩壊を意味します。

しかし、バーナンキが今年後半からQE3を縮小する可能性を示唆した為、
一気にリスクオフに流れて相場が下落しています。

でもね、QE3って縮小出来る訳が無いのです。
市場が既に緩和マネーのシャブ中状態ですから、
QE3の縮小で資金の大逆転が発生し、リーマンショックの再来が発生します。

では何故、バーナンキがQE3の「縮小見込」発言をしなければならないのか?
それは、米国債金利がジワジワと上昇しているから。

■ 三橋教に言わせれば、期待インフレ率の上昇となるのだが・・ ■

「長期金利が上昇するのは将来のインフレを見越しているから
 景気回復を予感されるもので好ましい傾向のはずだ。」

三橋貴明氏に言わせればこうなるのでしょう。
実際の多くの経済評論家達が、米経済の回復傾向を指摘しています。

一方、米経済指標は今年に入って振るいません。
設備投資も拡大していませんし、消費も回復しているとは言えません。

若干、住宅関係の指標が改善していますが、
これも、緩和マネーが流れ込んで一等地が投機的に値上がりしているのと、
競売の売れ残り物件が投資対象になっていて、
金融機関が買って、賃貸する事で価格を底支えしているだけです。

実体経済の投資が回復していない事とは対照的に
アメリカの株式市場も債権市場も過熱気味です。
短期で金利を稼ぐ勢力は、金利の低い米国債から、
社債や株式など、利回りの良い市場で資金を運用しています。

結果的に米国債の金利がジリジリと上昇しています。
結局、景気回復見込みでは無く、金儲けの都合で金利上昇が起きているのです。

■ 市場の過熱感を冷ましたいFRB ■

金融緩和を行えば、市場でバブルが発生する事は当たり前ですが、
ここ最近、世界の市場の過熱感は少し異常でした。

誰もが危ないと思いながらも、急上昇する相場に乗るしかありません。
このまま放置すれば、どこかで自壊します。
ですから、FRBは米国債の金利上昇の抑制と、
市場の過熱感の調整の為にQE3の縮小・終了という情報で市場を冷却したのでしょう。

■ 問題は既にバブル化している事 ■


アメリカ人の資産は、預金よりも金融資産に偏重しています。
ですから、多少のバブルが発生しても、金融緩和は景気回復に即効性があります。

アメリカの資産価格は住宅を覗けばリーマンショック以前の水準に戻っていますから、
こういった点だけを見れば、「米経済は順調に回復している」となります。


一方で、その回復の中身には、色々と問題がありそうです。

「危険水域に入ってきたアメリカ自動車販売」(NEVADAブログ 2013.06.19)
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4479775.html

<引用開始>

メリカでゼロ%ローン、リースで自動車を購入する事例が急増しており、現在のローン契約者の25%が信用度に問題のある事例となっており、すでに貸し倒れ発生額は3254億ドル、円換算で32兆円にも上っていると報じられており、二年前に比べ15%増加しているとされています。
これは一種のサブプライム問題とも言え、アメリカで異常な低金利継続による副作用が出てきたとも言えます

<引用終わり>


ちょっと煽り系のブログですがNEVADAブログさんは情報が早いので好きです。

確かに日本でも輸入車などがゼロ金利の時代がありました。
値引き分を、金利で行う販促だと思えば良いのですが、
問題はローン審査が甘くなっている頃。

貸し倒れが32兆円というのは何かの間違いだと思いますが、
アメリカの自動車ローンはノンリコースローンだったと思うので、
「払えなくなったら車を手放せば良い」と軽い気持ちでローン契約する人も多いのでは?

このまま景気回復が続けば問題ないのかも知れませんが、
一たび、景気が後退し始めると、このようなバブルがそこかしこで弾けます。

■ QE3を縮小出来るものならやってみろ ■

平成の大バブルの崩壊以降、日銀は上手にバブルの芽を摘んで来ました。
日本は経済発展こそしませんでしたが、
20余年の間、再びバブル崩壊で経済を崩壊させる事無く今までを過ごしています。

尤も、そのしわ寄せがサブプライムローンだった訳ですが・・・。

バーナンキやクルーグマンは日銀を弱腰とさんざ非難して来ましたが、
結局、アメリカは派手にドルをばら撒きし過ぎたツケが回ってきます。

バーナンキがどんなに出口戦略を口にしても、
実際に金融緩和が縮小されたと同時に、米国市場は大きく下落します。
多分、下落などという生易しいものでは無いでしょう。


もうしばらく様子見が必要ですが、米国長期債金利が
このままズルズルと上昇するようだと、市場にも緊張が走るはずです。

一気にリスクオフで株式市場から資金逃避が発生する可能性もあります。

定説通り、中央銀行が長期金利をコントロール出来ないのであれば、
アメリカにとって都合の悪い事が色々起こりそうです。