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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

日銀が金融緩和の延長を検討・・・出口の無い金融緩和

2013-06-06 15:23:00 | 分類なし
 

■ 日銀と年金資金投入か? ■

本日の為替相場と株式は変な動きをしていましたね。

円安で始まった為替市場ですが、株価が見事に連動しています。
(一瞬、日銀の介入を疑いましたが、出来高がそれ程大きく無いようなので・・)

コンピューター取引は円相場に連動しているとも言われ、
本日の円安で、自動的に日本株買いモードの流れになったのでしょうか?

さらに、日銀や年金資金が日本株を買い上げて、相場は反転させようとした気配が濃厚。

昨日の「第三の矢」が、何だか「第三の矢折れ」みたいなショボイ内容だったので、
本日は、大幅な値下がりが予想されただけに、ヘッジファンドの空売りを牽制したのでは?

■ 5月中旬と全く異なる景色になってしまった ■

5月中頃までは、世界の市場は沸きに沸いていましたが、
すっかり様変わりしてしまいました。

かろうじて体裁を保ているアメリカの株式市場ですが、
熱気は一気に醒めています。
市場関係者は、いつ暴落するかヒヤヒヤしているでしょう。

FRBの緩和縮小予測が市場に警戒感を与えていますが、
「市場でバブルが制御出来なくなる前に緩和を縮小させるべき」といういたってマトモな意見に、
市場が過敏に反応しているだけとも言えます。

まあ、誰が見ても浮かれ過ぎだったので、ここら辺で調整が入る方が良いのでしょう。

■ 長期国債買いいれを2年以上延長する事を示唆した日銀 ■

強気一辺倒だった黒田総裁も最近では歯切れが悪く、
本日の日銀会合では、長期金利抑制の為に、
2年を過ぎても長期国債を中心に緩和を継続する可能性に言及しています。

これは一種の時間軸的な政策です。
国債市場の金利上昇は2年後の日銀漢和終了後の国債金利の上昇を織り込んだものです。
ですから、緩和を継続する事を、約束して金利上昇予測を押し下げるのです。

なんだか、日銀とFRBが同じ罠にハマっています。
FRBも失業率が6.5%になるまで緩和を永遠に継続すると発表して、
長期金利の抑制に躍起になっています。

これって、「量的緩和に出口は無かった」と半ば認めたようなもの。

それなのに、市場は、換気用の小さな窓を見つけては、出口、出口と騒いでいます。
緩和マネー無くしては、今の市場など一瞬も維持出来ない事を自ら言いふらしている様なものです。

■ 問題は2年後では無くて、今年後半 ■

日本は日銀が2年後に2%のインフレ率を達成すると発表したので、
世間の目が何となく2年後に向いています。
しかし、その前に国内的に消費税の増税など、経済の足かせになる政策変更が控えています。

一方国外に目を転じれば、やはりアメリカ発の危機が今年後半あたりに顕在化しそうな気配。

ジャンク債の金利がジワジワと上昇し始めたので、企業の資金調達コストも上昇します。
アメリカの実体経済の回復はスローペースですが、
ジャンク債市場のプチバブルが終わると、企業の収益に影響が出そうです。
これは、雇用と設備投資に影を落とします。

アメリカの経済指標は、良いデータと悪いデータがグチャグチャになっていますが
全体的に景気縮小を示すデータが支配的になると、
リスク市場から一気に資金が国債などに流れる恐れがあります。

財政のシーリング問題とも絡んで、8月から9月のアメリカは荒れそうです。

■ バブル崩壊を一度経験した経済は、臆病になる ■

アメリカも日本も、本来、経済のファンダメンタルは現状よりは強いはずです。
そこに、低利の資金がジャブジャブ投入されているのですから、
企業も個人ももう少しリスクを取れば、景気は回復基調に乗るかも知れません。

しかし、一度バブルの崩壊を味わった経済は、萎縮します。
リスクを取るべき局面で、再び崩壊が襲ったら・・・そい考えずにはいられません。

流動性の高い市場ならば、逃げる事も出来ますが、
住宅を購入したり、ビルを建てたり、工場のラインを増やすには勇気が必要です。

■ 日本は6月の日銀短観に注目 ■

アベノミクス期待で設備投資が増えるとの報道があった様ですが、
その後、株価の下落などで大分雰囲気が変化しています。

とりあえず、日本国内は6月の日銀短観が注目です。
特に、設備投資が増えているのかどうかで、
アベノミクスの先行きにも影響します。

景気は良くなってくれないと困るのですが、
それまでには、未だ、山あり谷ありなのでしょう。