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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

崩れ始めた世界

2013-06-14 04:14:00 | 時事/金融危機
 

■ 世界中で資金の逆転が始まった ■

日経平均が13000円を割って、日銀の異次元緩和前の水準に戻ろうとしています。
最近の下落で、株式市場から10兆円が国外に流失したと言われています。

尤も、日本株を買い上げていたのが海外勢力ですから、
彼らが投資資金を回収しているだけとも考えられます。

実際には日本の機関投資家らは、塩漬け株を株高を利用して売っていましたから、
損をしたのは、毎度の事ながら証券会社の甘言に乗せられた庶民なのでしょう。

異次元緩和以降は、日銀も積極的に株を買い上げている様ですし、
結局、これらの資金は海外勢にプレゼントされたも同然と言えます。

一方、世界に目を転じると、アジア市場も下落、欧州も下落、そしてアメリカも下落。
ここ2週間あまりの間に、強気のイケイケムードはすっかり後退し、
今はリスク市場からもの凄い勢いで資金が逃避しています。

■ 米国債金利も上昇している ■

通常、リスク市場から資金逃避が起きる時は、米国債など安全資産に資金が移動します。
しかし、今回は米国債を始め、各国の国債の金利もジリジリと上昇しています。

では、資金は何処に移動しているのか・・・
日本の金融機関は当座預金に資金を積み上げていますが、
世界中の投資家達が、資金を現金化しているのかも知れません。

これは非常に危険な状態で、流動性の供給が減ると、
世界の市場は一気に崩壊に向かう恐れがあります。

先ず、リスクの高い株式市場とジャンク債市場が暴落し始めています。
次は、社債市場へと危機が波及し、最後はどこかの国の国債金利が跳ね上がります。

■ 再び始まったギリシャ危機 ■

昨年末からの世界的な株高の原因の一つは、ユーロ危機の沈静化でした。
しかし、ユーロ危機は根本的には何ら解決されておらず、
ギリシャが財政難から国営放送を停止した事により、ギリシャ危機が再燃しています。
ギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアの国債金利に再び上昇圧力が掛かります。

さらに、ノルウエーやオランダなど、北ヨーロッパの国々に悪い噂がチラホラ・・・。

■ ダウが下落し始めたアメリカ ■

今回の危機の原因は、FRBがQE3を縮小、あるいは停止するのでは無いかという予測です。
実際にQE3が停止されれば、現在の市場が崩壊するのでFRBはQE3を継続するしか無いのですが、
世界の株式市場も、債権市場も緩和マネーでバブルが発生しているので、
市場は疑心暗鬼で、自ら崩壊を始めたとも言えます。
「いつ売るの? 今でしょう!!」って感じ。

昨晩あたりはダウが15000ドルを割り込みましたが、そこから上昇に転じています。
ダウは株価操作がし易いので、とりあえず15000ドル台を死守する様です。

一方ジャンク債市場は一時金利が5%を切っていましたが、6.3%を超えて来ています。
未だ暴落とまでは言えませんが、いずれ暴落するでしょう。

■ 原油価格がどうなるか? ■

リスクオフの動きが加速すると、現物市場に資金が流入します。
原油価格がジリジリと上昇しています。

金相場は多分現物買いによる上昇を、
JPモルガンあたりが金FTE(紙切れの金)の売りで相殺しているはずです。
金価格の上昇は、ドル安懸念を生みますので金を叩く事はドル防衛が目的です。

リーマンショック直前に原油価格は高騰しました。
今回も同様に原油価格が130ドル/1バレルを越えて行くようなら、
金融危機の再来を警戒した方が良さそうです。

■ アメリカの財政問題 ■

アメリカは9月に財政が危機的状況になりますが、
これは議会が妥協して米国債のシーリングを拡大する事で決着するはずです。
ただ、その直前まで、米国債金利はジリジリと上昇するはずです。

いつもながらの茶番劇ですが、ヘッジファンドなどは上手に利益を拡大します。

問題はQE3の目的が長期金利の抑制であるはずなのに、
日本と同様にアメリカでも金利のコントロールが効かなくなってきている事。

日本の銀行も米国債を手放している様なので、
日銀の異次元緩和による邦銀や生保の米国債シフトを当てにしていたアメリカとしては、
少々、焦りも出てくるのではないでしょうか?

■ 米中首脳会談で何が話されたのか? ■

世界経済の緊張が高まっている中で、米中首脳会談が開かれました。
かなり長時間に渡る会談でしたので、その中身が気に成ります。

アメリカは中国の米国債売却に神経を尖らせていますし、
中国は国内でバブル崩壊が始まりそうなので、米国との対立は避けたい。

中国経済は多くの部分でアメリカへの輸出とアメリカからの投資に依存しているので、
経済分野においては、米中の利害は一致しているはずです。

もし、アメリカが中国に米国債の買い増しを依頼したとすれば、
その見返りは何でしょうか?

米国で「日本は竹島の領有権を放棄して韓国と協調すべきだ」との意見が出始めました。
一方、韓国は通貨スワップ協定を中国と結ぶなど、中国寄りにシフトしています。

アメリカは財政難ですから、米軍の海外派遣は縮小したいハズです。
特に、在韓米軍は韓国から撤退する予定が既に発表されていますから、
これを確実に実行する事を、オバマは中国の米国債購入の代償として約束したのかも知れません。

中国はカネで朝鮮半島を手中に収めるのかも知れません。

■ 中国バブルの行方 ■

一方で中国国内では短期金利が急上昇するなど、経済が変調を起し始めています。

シンガポールやマレーシアや香港の市場は、チャイナマネーの支配力も大きいので、
中国経済の変調は、これらの市場に大きな変化をもたらします。

中国バブルの終焉と共に、アジア各国のバブルも終わります。

■ 崩壊の時期が少し早すぎる気がするのだが・・・ ■

いずれにしても、世界経済がだいぶあわただしくなってきました。
これが、このまま金融危機へと進行するのか、
それとも過熱し過ぎた市場の調整なのかは、もう少し様子見が必要でしょう。

日本は参議院選挙が控えていますし、アメリカも9月の決算を無事乗り切りたい。

ただ、ヘッジファンドがだいぶ損失を出しているようなので、
ファンド解散などが相次げば、世界市場にも影響が出るはずです。

投資をされている方は、夜も眠れない状況が続くと思いますが、
スリルも投資の楽しみに一つ・・・って訳無いか・・・。