我が国における抽象絵画の先駆者として評価を得ている坂田一男。
岡山市生まれで、我が町、倉敷市玉島にアトリエを構えていました。
そのことは聞き知っていたのですが、正直、抽象絵画はよく分からず・・・。
岡山県立美術館において「坂田一男展 前衛精神の軌跡」が長期開催されておりましたが、当初行く予定は全くありませんでした。
が、見たいと思った「日本赤十字社所蔵美術展」と同じ美術館で開催されていたため、目にする機会に恵まれました。
ご縁があったのでしょうか。
展示スペースに入る前に、ビデオを流している空間がありました。
まずそこで情報収集―。
そこで放映されていたのは地元のケーブルテレビ・玉島テレビ放送制作「たましま百景 抽象絵画の先駆者、坂田一男」でした。
“明治22年生まれ”と知り、「あ、うちの曽祖父の二つ下だ!」と少し身近に感じました。
そして最期の脈をとったという主治医の先生の顔が写り、ますます親近感がアップ。
その方は、小学校時代の校医の先生だったのです。
私が生まれたときにはもうこの世にはいらっしゃらなかった画家・坂田一男ですが、不思議な思いを抱きつつ展示室に足を踏み入れることとなりました。
ぐるりと美術展会場を巡り感じたことは―。
「型があるからこそ型破りができる」というある本で出合った言葉と、展示の仕方の素晴らしさでした。
初期作品やスケッチ、デッサン、画帖、家族や友人に宛てた手紙など・・・。
到達した抽象絵画の世界だけではなく、それまでの軌跡が展示されてありました。
だからこそ、描く絵への強い信念が伝わってきたように思います。
“少しわかる絵を描いて売ったらどうだ”と言われ、凄い形相で怒ったことがあったという坂田一男。
純粋に自分が追求する絵画に取り組んでいたからでしょう。
「型があるからこそ型破りができる」
この言葉から思い浮ぶ画家が、もう一人います。
それは、岡本太郎。
彼の作品は一度見たら忘れないという、とてもインパクトがあるものです。
まさに「藝術は爆発だ!」といった感じ。
それがたまたま見たテレビで、意識が変わりました。
戦時中、眠っている仲間の兵士を描いた一枚のスケッチ。
それは繊細な線で描かれた、ハッとするほど美しいものでした。
“前衛”という言葉を冠せられる人々は、革新的であるがために受け入れられにくい場合があります。
でも前衛でいられるのは、それまでの基礎・型がもの凄くしっかりと出来上がっているから―。
“前衛”“先駆者”。
自分の思う絵の世界を信じ、追求し、切り拓いて行く人。
その<心の強さ>を感じた美術展でした。
岡山市生まれで、我が町、倉敷市玉島にアトリエを構えていました。
そのことは聞き知っていたのですが、正直、抽象絵画はよく分からず・・・。
岡山県立美術館において「坂田一男展 前衛精神の軌跡」が長期開催されておりましたが、当初行く予定は全くありませんでした。
が、見たいと思った「日本赤十字社所蔵美術展」と同じ美術館で開催されていたため、目にする機会に恵まれました。
ご縁があったのでしょうか。
展示スペースに入る前に、ビデオを流している空間がありました。
まずそこで情報収集―。
そこで放映されていたのは地元のケーブルテレビ・玉島テレビ放送制作「たましま百景 抽象絵画の先駆者、坂田一男」でした。
“明治22年生まれ”と知り、「あ、うちの曽祖父の二つ下だ!」と少し身近に感じました。
そして最期の脈をとったという主治医の先生の顔が写り、ますます親近感がアップ。
その方は、小学校時代の校医の先生だったのです。
私が生まれたときにはもうこの世にはいらっしゃらなかった画家・坂田一男ですが、不思議な思いを抱きつつ展示室に足を踏み入れることとなりました。
ぐるりと美術展会場を巡り感じたことは―。
「型があるからこそ型破りができる」というある本で出合った言葉と、展示の仕方の素晴らしさでした。
初期作品やスケッチ、デッサン、画帖、家族や友人に宛てた手紙など・・・。
到達した抽象絵画の世界だけではなく、それまでの軌跡が展示されてありました。
だからこそ、描く絵への強い信念が伝わってきたように思います。
“少しわかる絵を描いて売ったらどうだ”と言われ、凄い形相で怒ったことがあったという坂田一男。
純粋に自分が追求する絵画に取り組んでいたからでしょう。
「型があるからこそ型破りができる」
この言葉から思い浮ぶ画家が、もう一人います。
それは、岡本太郎。
彼の作品は一度見たら忘れないという、とてもインパクトがあるものです。
まさに「藝術は爆発だ!」といった感じ。
それがたまたま見たテレビで、意識が変わりました。
戦時中、眠っている仲間の兵士を描いた一枚のスケッチ。
それは繊細な線で描かれた、ハッとするほど美しいものでした。
“前衛”という言葉を冠せられる人々は、革新的であるがために受け入れられにくい場合があります。
でも前衛でいられるのは、それまでの基礎・型がもの凄くしっかりと出来上がっているから―。
“前衛”“先駆者”。
自分の思う絵の世界を信じ、追求し、切り拓いて行く人。
その<心の強さ>を感じた美術展でした。