海辺のねこ

どんな日もかけがえのない一日。

「ひと粒の糧」

2006-11-15 | 思い、想う
このところ毎日、新聞やテレビ、各種メディアで「いじめ問題」が大きく取り上げられています。
私もこの数日間、ずっと頭の中をめぐっていました。
そしてなかなか言葉に出来ずにいました。
そんな中で読んだ11月14日付「読売新聞」の「編集手帳」。
とても共感を覚えたので、ここに紹介します。

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 伊東柚月さんという方の詠んだ五行歌を頭でなぞっている。「いっそ/大きく凹(へこ)もう/いつか/多くを満たす/器になるのだ」◆草壁焔太(えんた)編「五行歌秀歌集1」(市井社)に収められた一首である。器を満たすものは涙かも知れない。涙の容器になることなど誰しも望みはしないが、凹みを知らない人間に比べてどれほど魅力的か◆一片の詩句を知ることで、気の持ちようで、死を決意させるほどの苦しみが薄らぐとは思わない。自分を励ますことに疲れ、いまこの瞬間にも力尽きそうな子供たちのひと粒の糧になればと、藁(わら)にもすがりつく心境でここに引いた◆人を自殺に追いやるほどのいじめは、ほとんど犯罪である。告発するのは少しも恥ずかしいことではない。凹みも深ければ器が割れる。割れる前に、涙の湖を語ってほしい◆もう1本の藁にすがる。「いじめっこが/いじめられっ子に/ひらあやまり/三十年ぶりの/同窓会」(清美)。昔よりも陰湿で残忍ないまのいじめにはそのまま通用しないとしても、「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない◆30年とは言わず、3年、いや1年、心の凹みを打ち明け、声を発して生きてごらんなさい。あの時、死ななくてよかったと思う瞬間が必ず訪れる。約束しよう。だからいま、死んではいけない。

(2006年11月14日 読売新聞・編集手帳)
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子ども達、それぞれ一人一人に個性があります。
育った環境も違う。
それぞれの「違い」をお互いが認められたならば―。

大人たちは、子ども達の抱えている思いにいつでも気付いてあげられるように目を凝らそう。
心を砕こう。
そしていつでも子ども達が「SOS」を伝えられる存在でいよう。
話しを聴こう。話しをしよう。

子ども達が発する「SOS」に気付きにくい時が確かにあります。
子ども達にもプライドがあるし、自分の大切な人たちを悲しませたくないと思う子もいます。
だからこそ両親・教師・親戚・地域の人たち、子ども達の近くにいる大人たちがもっともっと協力し合わねば。

先日地域で活動している方々が、学校側にいじめについての話合いをしにいったと聞きました。
「あなたのことを大切に思っている人がたくさんいる」ということを一人でも多くの子ども達に知ってもらいたいと思います。

情けないことに、大人の世界でも「いじめ」はあります。
子ども達が知ったら何て思うかな。
「自分がされて嫌なことは、人にはしない」
一人一人がそう思い行動する社会になることを願っています。


最後に私が経験したことをお話しします。
小学6年生の時のことです。

我がクラスには「いじめ」がありました。
授業中、泣いて教室を飛び出さなくてはいけないくらいの・・・。

先生はね、とてもいい先生だったんですよ。
とても親身になって解決されようとされていました。

私はというと、いじめっこに向かっていつも怒っていました。
それはもうカンカンに。

高校生になったときにね、その子とお母様にあるスーパーの駐車場でバッタリお会いしたんです。
お母様にそのとき言われたんですよ。

 「学校に行けたのはあなたがいてくれたからよ。あなたがいてくれてよかったわ。」

一生忘れることのない言葉です。
この言葉に、とてもとても救われた気がしました。
嬉しいとか良かったとかいうよりも、安堵の気持ち。

その子は子供の頃から大好きだった生き物に関わる学校へと進路を決めていました。
好きなことを勉強しているという充実感と幸せそうな笑顔。

上に挙げた「編集手帳」にあるように“「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない”のです。
だからね、私も約束します。
「生きていてよかった」と思える時が必ずくることを。

あなたが大切だと思う人たちと、あなたを大切だと思っている人たちと、
一緒に、生きていこう。




数年後を楽しみに

2006-11-15 | 花と樹と緑と
  「明朝貴女の玄関先へ置いておきます」

これは昨晩、携帯電話に届いたメールの言葉です。

この夏、このメールの主から一枚の写真を見せてもらっていました。
夜に花を咲かせる神秘的な花「月下美人」。

その写真の花付きの良さは「素晴らしい」の一言。
香りまで届きそうなくらいでした。

この方は本当に愛情いっぱいに花を育てられる方です。
去年差し上げた朝顔の種からも、大輪の花を咲かせてくださいました。
いつもいつも感動させて頂いています。

そして、今朝届いていたのは何だったかというと。
「月下美人」の挿し木でした。
来春の植え替えようにと、鉢に土まで作ってくださっていました。

花を咲かせるまでには3年くらいかかるそう。
大きく育ちますように―。
愛情を込めて大切に育てよう。

Oさん、どうもありがとうございます!!


(手前が月下美人です)