Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

暗黒街のふたり

2012年09月23日 | 1970年代 欧州

暗黒街のふたり(原題;DEUX HOMMES DANS LA VILLE)

1973年 フランス=イタリア
監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
出演 :アラン・ドロン、ジャン・ギャバン、ミムジー・ファーマー、ミシェル・ブーケ 、イラリア・オッキーニ


10年前に銀行強盗を首謀したとして逮捕され、12年の求刑を受けたジーノ。
保護司のジェルマンの力添えによって出所し、愛する妻とともに新しい生活を始める。

「暗黒街のふたり」という日本語のタイトルから
前科者である主人公がさらに進んで犯罪に手を染めていくのを想像したのですが
ギャング映画ではありません。
原題も「街のふたり」といった感じだけど、前科者に対する街の反応がひとつのテーマかな。

ジーノは昔の仲間からの誘いを断り、真面目に働きだし、保護司とは家族ぐるみのつきあいで
順調に社会復帰をしていきます。

アラン・ドロンの保護司になついている、従順な瞳がたまらないですね。
岡惚れする保護司の娘の気持ちもよくわかります。

しかし、ある日、ピクニックの帰りに暴走車を避けようとしてジーノと妻の乗った車は
暴走車を避けようとして大破。
この事故で、最愛の妻を失ったジーノは、悲嘆にくれ自暴自棄になるが
やがてそれも乗り越えて、小さな街に移り住み、印刷工場で働くようになる。
新しい恋人もでき、ようやく傷も癒えたかにみえるが、以前ジーノを逮捕した警部が
その地に赴任してくる。
警部はジーノを今もって悪人だと決めつけ、執拗にジーノに迫り、追いかけまわし
悲惨な結末を自ら呼び込んでいく・・・。

警部は一方的であり、嫌な野郎に見えるけれども、これが現実だろう。
ジャン・ギャバン演じる保護司が良い人すぎるのかも。
ラストまで見終えた後に、オープニングでジャン・ギャバンがとぼとぼと歩いていた姿が
余韻として残ります。