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ルール

2020年07月24日 | 社会派らぼ
京都市のALS患者の依頼を受け、薬物で殺害した…と、医師2人が逮捕されました。女性が死亡したのは、昨年の11月の事だったそうですから、捜査当局は半年以上も内偵を続けていたことになります。

女性と医師が知り合ったのは、更に1年近くさかのぼり、安楽死を望む女性のツイッターに医師が答えた形で始まったようです。亡くなられた女性は、周囲にも死ぬ権利を認めてほしいといった事を漏らしていたようで、身近な人たちも女性の望みを知っており、複雑な気持ちのようです。

医師がお金を受け取っていたことも問題にされているようですが、この医師は高齢者医療は社会資源の無駄といった考え方も持っていたようで、安楽死の法制化に度々言及していたと言います。お金目当て…と言うより、信条によるところが大きいのかも知れません。人が作ったルールですから、それに対して異論を持つ人がいることは想像の範囲内です。

美容整形・美容外科の看板を挙げる高須クリニックの院長が、癌を患っておられるのは、ご本人が公表されているため有名です。スイスの「安楽死協会」から会費請求が来たので、払い込んだとツイッターに投稿したのは数か月前の事でした。安楽死が法的に認められている国の中で、外国人を受け入れているのはスイスだけだそうです。旅費込みで150~200万円くらいだとか。但し、医師が直接手を下すことは禁じられており、患者が苦しまない方法で自殺を遂げる事を手助けするに過ぎず、冒頭の女性のように自ら点滴の針を刺したり、致死薬を飲み込む力を持たない場合は、為す術も無いようです。200万を払えば実現される安楽死が、全ての人に平等に門戸が開かれていないという事実は、女性には十二分に致命的だったと思われます。

確か多摩川に身を投げた西部邁元東大教授を手助けした…とのことで、罪に問われたK氏は有罪となりましたが、執行猶予が付けられたと記憶しています。「生の最期を他人に命令されたりいじり回されたくない」とは西部氏の言ですが、先日の三浦春馬氏の自害など、様々な形で幕引きを図ろうとする人は少なからずいます。現在の法制度の下で、誰もが納得しているようでもあり、こうして事件化すると、様々な矛盾を抱えてもいる事を思い知ります。

人間…は自死を考える唯一の動物でありながら、自死を許容しない唯一の動物でもあります。人間の歴史の当初を思いおこすと、そこには行動を縛るような規則や倫理観は存在していなかったと思われます。人は、様々な恐怖や未知の出来事に恐れおののいて生きることで精一杯であり、自らの死を願う余裕さえそこには存在しなかったと言うべきでしょうか。長い時間をかけた人間の進化は、今のルール社会を作り上げました。果たしてそうして「作られたルール」が絶対なのかという問いかけには、結局誰も答えられないのではないかと言う気がします。

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