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ぱそらぼ (ぱぁと1)

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はんこ

2010年07月27日 | 雑談
森毅氏が亡くなられたとの報に接しました。「飄々と」という表現で、氏のお人柄が表現されていました。ずっとずっと以前、友人からこの先生の話を聞いたことを思い出しました。彼は、この先生の授業を受講していた生徒でしたが、試験の点数がイマイチ取れなくて、単位を落としそうになっていました。何とか単位が欲しいと、彼は構内を歩かれている先生に直談判に行ったそうです。「先生、何とか、お願いします。」と言う彼を尻目に、先生は黙ってグラウンドを歩いて行かれたので、仕方なくずっと先生の後をついて歩いたそうです。最後に先生はボソッと「はんこに聞いてみな。」と、一言つぶやかれたそうです。「それでどうしたの?」と尋ねると、彼はニッコリ「先生のはんこに聞いてみたら、イイよって。」なんとも、分かったような分からないような、禅問答のような先生だったようです。

「はんこに聞いてみな。」 このような逸話はざくざくある先生だったようですが、果たして今の世の中では、こんな逸話は可能でしょうか。恐らく、こんな風に単位が取れた…となったら、不公平だとかえこひいきだとか、社会問題になりかねないようなネタです。教育者としてあるまじき…なんて言われかねません。これで単位が取れるとなると、誰も彼もが同様に、何もせずに単位を取ろうとして、結局は教育が崩壊してしまうかも知れません。ある意味で、色々な場面で見聞きする森毅氏の言動には、危険な火種を含んでいました。

30年ほども前の話なのですが、その時代に可能だったことは一体何なのでしょう。生徒も先生も身の程を知っていた…でしょうか。彼が、単純に何も学ぼうとせずに、単位だけを揃えようとする生徒ではなかったこと。落としそうになった単位を無事に取得したことを、特段誰もが羨ましがるわけではなかったこと。それを聞いて、同じように手を抜くといったことに、誰もが走らなかったこと。彼に基礎力がキチンとあって学ぶに足りる生徒であったこと。氏の言葉を言葉面だけをとらえて、自分を磨こうとしない…自堕落に結びつけることがなかったこと。

先日、漢字が読めない、計算ができないなど、学生の学力低下が顕著で、仕方がなく学力不足を独自に補おうとする大学が増えている…といった記事がありました。「ゆとり教育」を受けた世代が大学に進学し始めた為とのことでしたが、少子化のせいで学力レベルが基準に達していなくても、人数だけが確保されている今の状態では無理からぬ状況なのでしょうか。大学は、基本的に、学ぶつもりも学ぶ意欲も目的も持たぬまま、学ぶ素地もできていない学生を集めて、ただ送り出すだけの場所になり果てて欲しくはありません。

82歳で往生された…との森毅先生に、合掌。



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