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スクショ

2020年07月10日 | 社会派らぼ
以前、共通知人のメールアドレスを教えるのに、メモした手帳の1ページを見せられたことがありました。私がそのメールアドレスを、書き写す…と思っていたようで、その場でスマホカメラで撮影すると、「若い人みたぁい…」と言われたことがあります。

30年さかのぼれば、情報は書き写すのが当たり前…の時代でした。バス停の時刻表もメモするのが当たり前。パソコンの教室には、ポイントを書き記した模造紙を何枚も貼っていましたが、大半の受講者は、それをせっせとノートに書き写していました。今ならさしずめ、誰もがカメラに収めておしまい…でしょう。

便利な世の中になったものです。但し、その昔の「書き写し文化」は、書きながら覚えるという副産物がありました。が、いとも簡単にカメラでカシャッと撮影してしまえば、手間はかからないかもしれませんが、頭の中に何一つ残るわけではありません。後日、撮影した写真を眺めて、復習すれば別ですが、おそらく大半は「撮影したからいつでも見られる」という安心感を得るだけで、二度と見返さないのではないでしょうか。

最近の若者世代は、何でも「スクショ」するのだそうです。「コピー&ペースト」というのを「コピペ」と縮めることがあります。なんでも「コピペ」する時代になっていたはずなのですが、いつの間にか時代は「コピペ」を通り過ごして「スクショ」になったのだとか。

「スクショ」は「スクリーンショット」。画面をそのままキャプチャーすることです。スマホの場合、ボタンを2つ同時に押すだけで、簡単にスクショが撮れて、自動的に写真のフォルダーに日にち毎に整理されて保存されます。そのため、気になった情報は全てスクショしておくのだそうです。人に情報を伝えるのに、私たち世代は情報の載っているページのURLをコピーして、それを相手に送る…といった手段を取りますが、若い世代はそういう時も「スクショ」。気になっている個所のみをスクショして送るというのが当たり前のようです。

曰く「コピペなど面倒だ」そうです。URLを教えてもらうと、更に詳しい情報をすぐに読むことができるわけですが、スクショでは映っているものしか見えません。若者曰く、リンク(URL)をタップするのも、スクロールするのも「面倒」なのだそうです。今一つの理由は、URLをコピペして送ると、サイトヘはリンクをクリックして行かなければならず、それが「ギガ」を減らす行為だから避けたいのだそうです。スマホが手放せない世代は、契約しているデータ通信量を使い果たして通信速度制限がかかる…を心配しています。URLからリンクをたどる際に、ギガが減るわけで、それならピンポイントで「スクショ」でダイレクトに内容を伝えれば良いということらしいです。

「スクリーンタイム」 長時間画面を見ている際のアプリは一体何なのか?というのを調べた報告があります。20代、30代の者はWebブラウザを見る時間が一番長いのに対して、10代は「YouTube」「LINE」「Instagram」を見る時間がブラウザより多いのだそうです。若者たちは、調べものにブラウザを使わないという結果が出ています。彼らが情報を得るのは、ブラウザではなく、YouTubeやLINE、Instagramなどであるという事です。誰かが発信するSNS情報が若者の情報源になっている…という事は、webの情報がそれだけ魅力的でないことを示しています。いつからか、ネット上は、個人が振りまく情報であふれかえり、その道の「権威」がキチンと理路整然とまとめてくれているサイトというのが無くなって来つつある、という今の現状を映す鏡なのかも知れません。が、それは同時に、皆が持っている「情報」が、どれ一つとっても個々人の感想や意見でしかないという危険性を示すものでもあります。

時代は「ニーズ」から広まっていくことを考え合わせれば、いずれ「シュクショ」文化が広まるのだと想像できます。但し、昔の「書き写し」が理解を深める第1段階に相当しており、それらを放棄した世代は自ら学ぶ機会を失ったのと同様、便利なものに走ってしまう事は、代償に何かを失う事に繋がるのではないだろうかと懸念します。

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