安全神話

砂上の楼閣が崩れ去るように、食の安全が崩壊しつつあります。端を発したのがどの事件だったか、もうわからなくなりました。偽装に始まり、気がつけば、いつか農薬混入など、毒におびえる始末です。

冷凍インゲンから殺虫剤、カップめんからは防虫剤、ピザからはメラミン…。これだけ立て続けに報道されると、感覚がマヒしてしまったせいか、1つずつに危機感をあまり感じなくなってしまいました。要は、大抵の食品（←少し言い過ぎですね…）に、偽装なり混入なりが見受けられるということでしょうか。

これだけ相次ぐと、企業イメージがどうの…という心配がむしろ少なくなり、発覚即謝罪といった風潮にも見えます。言い訳や否定を繰り返すより、ダメージを最小に留めることができるとの判断でしょう。ファミリーレストランで販売されたピザからメラミンが検出されました。同店では期間中ピザを食べた顧客には、申告のみで代金を全額返還すると発表しました。

これを受けて「ピザを食べた」と嘘をついて、3店舗で代金の返還を受けた高校生が、申し出て謝罪・返金していました。何でも高校生が手柄話（！）を掲示板に書き込んだところ、各方面からの批判・問い合わせが相次いだといいます。

常々、ネットが「マイナスのエネルギー」を醸成する場になってはいけない、ネットを正しく育てるには、一人ひとりが「プラスのエネルギー」を発信していかねば…と力説をしていました。高校生としてはあまりにも稚拙でしたが、それを否定してくれる「プラスのエネルギー」が結局のところ「マイナスのエネルギー」を上回ったことに、ひとまずは安堵してみたいと思います。


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