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広辞苑

2018年01月24日 | 社会派らぼ
「広辞苑」が10年ぶりに改訂されたものの、誤りが相次いで指摘されている…といいます。誤りは、発売直後からインターネット上で指摘され、話題になっているようです。出版元である岩波書店は、誤りを認め「重版で修正したい」としていますが、重版自体がいつ行われるかについては未定としています。

校正に校正を重ねているはずですが、それでも出来上がった印刷物で誤りが指摘される事は、ゼロにはし難い部分もあるかと思います。これまで手にした書籍にも、「訂正」などと書かれた小さな用紙が入っていたことも、記憶しています。ただ、最近は誤りの指摘がネット経由で行われることが多く、出版社の対応がどうしても遅く見えてしまう…という点は否めません。

ネットの全盛の時代ですが、こうした「出版物」は貴重な存在だと私は思います。最近はネット検索が簡単にできて、非常に便利です。調べものというと、あらためて図書館などに出向き、書棚からいろいろな本を引っ張り出して…という時代は過去で、その辺に置いているタブレットなどを手に取り、サササァーッと検索できてしまいます。

ただし、検索して出てきたことが「真実」かどうかはわからないというのが、インターネット検索です。ネットが広まりだした当初は、一つ事に対して、ある程度知識のある人や権威のある組織がホームページを作っていて、疑問を調べることができた気がします。が、最近はそのようなホームページに行き当たることが少なくなり、まとめサイトだの掲示板だのといったページが検索で出てきます。動画もたくさん転がっていますが(視聴者を増やすために)センセーショナルな書き方をしている割には、中身が無いものが無数に出てきます。

といった時代ですから、岩波書店といった老舗中の老舗が、手間暇をかけて「広辞苑」を編集してくれる事は、ありがたい事で、1か所や2か所の誤りがあったにせよ、貴重な存在だと思います。言いっぱなしの世の中で、きちんと検証をして世に出す姿勢を持ち続けることは、経済的にも手間的にも大変な事だろうと思いますが、利用者がその灯を消してはいけないのではないでしょうか。

もしかすると「広辞苑」としてまとめられたものを紙媒体で出版する時代は、去りつつあるのかもしれません。必要なものは「ネット広辞苑」とでも言うべきものでしょうけれど、それでは出版社が正当な対価を得ることが難しくなります。今、私たちはネット上の情報は無料だと思い込んでいたりするのですが、無料がありがたい反面、だから値打ちのある情報はネットでは見つかりにくくなりつつあるのかも知れません。作る労力にキチンと報いることのできるネットの便利な利用の仕組みが必要です。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
まっとうな対応を (やすむぅ)
2018-01-27 00:22:05
膨大な項目の中で、たった二つのミスとは、すばらしい完成度だと思います。

辞書を編むという仕事は、職人技とも、出版社の矜持とでも言うべきものかもしれませんね。言葉に全エネルギーを注いで行われた仕事の結晶ですよね。

ほんとうによいものを大切にしてほしい。まっとうな対応で迎えてほしいです。

それなりに価値のある情報が、簡単に無料で手軽に入手できることに、有り難くもあり、後ろめたさも感じます。

価値に対する、応分の対価はどのようにすれば、創作者に届くのでしょうか。
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コメントありがとうございます (らぼ)
2018-01-27 09:14:06
いつか、ネットの文化が
築き上げられた正当な文化を
壊すのではないか…と、
若干の危惧を抱いています。

ネットは「第4の火」とも言うべき
ものすごい発明だと思っています。

その火が、人間を滅ぼさないように。
人間の文化をより高みへといざなうように
あれば良いと思うのですが、
逆面ばかりが目立っていて、
どうすれば…良いのでしょうね。
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