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その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

竹内洋岳×塩野米松

2013年11月10日 | 登山・トレッキング

 秋田の無明舎(むみょうしゃ)出版40周年記念事業として行なわれた「プロ登山家竹内洋岳(ひろたか)×作家塩野米松トークショー」を聴いてきました。会場の県児童会館前では、掃き集められた落ち葉が袋に入りきらず、片隅に追いやられてました。中に入ると暖房が入ってないらしく、咳こんでる人が随分いましたね。竹内氏は、日本人として初めて8,000メートル峰14座の完全登頂を成し遂げた登山家で、会場ではダウラギリ登頂の様子が10分ほどDVDで流されました。その後、お二方の登壇となったわけですが、皆さんカメラでガンガン撮ってるではないですか。事前にお咎めもなかったので、個人の裁量にまかせられたんでしょう。ですが、トークが始まってもシャッター音が鳴りやまず、カメラの設定をしてる電子音も後ろから聞こえっぱなしでした。話を聴きにきてるんであって、写真を撮りにきてるわけではないはず。年も50代以上がほとんど。いい年して子どもか。腹に据えかねたので後ろを振り向きざま「うるせー」と一喝。一喝したものの、やはり一抹の気まずさはありますよ、そりゃ。そういうキャラではないですから。。

 2007年10座目のガッシャーブルムII峰(8,035m)登頂中に雪崩に巻き込まれ、腰椎破裂骨折の重傷を負うも翌年登頂。ものすごい回復力ですが、トレーニングはほとんどせず登ることで代用。彼の登山の特徴は、シェルパを雇い金をかけたものではなく、少人数の無酸素速攻登山だということです。大人数だと行動に遅れが生じ、山にいる時間が長くなるとそれだけ危険度が増すからだそうです。ゆえに最終の4C(第4キャンプ)もないのだとか。それを可能にしているのは、ギアやウェアの進化、正確な気象予報でのバックアップ、ベースキャンプまでのショートカット(車やヘリでの移動)等々。エベレストには、手続きを1人でやれば100~150万で収まるそうですが、人を雇ったりある程度金をかけたものだと500~600万にもなると言ってました。あと印象的だったのは、ベースキャンプを起点に山頂を踏んで戻ってくるまでが『一つの輪』で、一つの輪が終わると次の輪が始まる、という考え方。そう考えると、御年81歳のM氏やお笑いのIさんのように、ヘリで下山するのは邪道と言えましょう。どちらかといえば、下山の方が難しいですから。