その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

本・雑誌インデックス

2017年02月09日 | 本・雑誌

【時代小説・歴史小説】
五木寛之
親鸞激動篇(下)
親鸞激動篇(上)
宇江佐真理
糸車
古手屋喜十 為事覚え 漢字編
内館牧子
十二単を着た悪魔
冲方丁
はなとゆめ
北原亞以子
蜩~慶次郎縁側日記
夢のなか~慶次郎縁側日記
あした~慶次郎縁側日記
楠木誠一郎
よろず引受け同心事件帖手助け桜
佐藤雅美
夢に見た娑婆
澤田ふじ子
仇討ちの客(高瀬川女船歌第六弾)
天皇の刺客 漢字(1) 漢字(2)
真保裕一
猫背の虎動乱始末 漢字編
高田郁
みをつくし料理帖(10)~天の梯
みをつくし料理帖(9)~美雪晴れ
みをつくし料理帖(8)~残月
みをつくし料理帖(7)~夏天の虹
みをつくし料理帖(6)~心星ひとつ
みをつくし料理帖(5)~小夜しぐれ
みをつくし料理帖(4)~今朝の春
みをつくし料理帖(3)~想い雲
みをつくし料理帖(2)~花散らしの雨
みをつくし料理帖(1)~八朔の雪
Thomas D. Conlan
図説戦国時代~武器・防具・戦術百科
葉室麟
雨と詩人と落花と
玄鳥さりて
さわらびの譜
春風伝
緋の天空
春雷
潮鳴り
月神
無双の花
乾山晩秋
実朝の首
川あかり
オランダ宿の娘
蛍草
霖雨 漢字
蜩ノ記 漢字編
銀漢の賦 漢字編(1) (2)
いのちなりけり 漢字編(1) (2)
冬姫 漢字編(1) (2) (3)
火坂雅志
骨董屋征次郎京暦
骨董屋征次郎手控
藤原緋沙子
月凍てる~人情江戸彩時記
古川智映子
土佐堀川~女性実業家・広岡浅子の生涯
宮部みゆき
桜ほうさら 漢字編
泣き童子
森村誠一
暗殺請負人刺客大名 漢字編(1) (2)
諸田玲子
心がわり~狸穴あいあい坂
山本一力
ジョン・マン立志編
ジョン・マン青雲編
ジョン・マン望郷編
ジョン・マン大洋編
ジョン・マン波濤編
朝の霧
たまゆらに

【時代小説以外】
朝吹真理子
きことわ
安野光雄
絵のある自伝
井上ひさし
一週間
伊坂幸太郎
謎005
伊藤孝博
イザベラ・バード紀行
絲山秋子
忘れられたワルツ
色川武大
明日泣く
遠藤武文
デッド・リミット
逢坂剛
大迷走
大津秀一
余命半年
死ぬときに後悔すること25
落合信彦
命の使い方
角田光代
空の拳
幾千の夜、昨日の月
ツリーハウス
鹿島田真希
冥土めぐり
鏑木蓮
東京ダモイ
真友
金原ひとみ
マザーズ
勝間和代
断る力
姜尚中

ニッポン・サバイバル
ケリーマクゴニガル
スタンフォードの自分を変える教室
桜林美佐
防衛産業
酒井與喜夫
カマキリは大雪を知っていた
さだまさし
はかぼんさん空蝉風土記
白石一文
幻影の星
田中慎弥
共喰い
高野和明
ジェノサイド 漢字編
立松和平
遊行日記
辻仁成
ECHOES
西村賢太
苦役列車
新潟日報事業社
心に残るいい話
馳星周
光あれ
東田直樹
自閉症の僕が飛び跳ねる理由
東野圭吾
探偵ガリレオ
私が彼を殺した
白銀ジャック
百田尚樹
カエルの楽園
星野伸一
限界集落株式会社
星新一
ショートショート
又吉直樹
火花
湊かなえ
山女日記
高校入試
三和多美
海軍の家族 漢字編
MICHELIN
ミシュランガイド東京2008
村上春樹
1Q84-2
薬丸岳
友罪
山田悠介
名のないシシャ
山本文緒
なぎさ
吉田篤弘
つむじ風食堂の夜
余命プロジェクトチーム
余命三年時事日記
若林亜紀・実録事業仕分け/池上彰の学べるニュース
渡辺淳一
鈍感力
綿矢りさ
大地のゲーム
かわいそうだね?

【心理学・政治学・経営学】
牧康夫
フロイトの方法
橋爪大三郎
労働者の味方マルクス
アメリカの行動原理
政治・経済学講義
P.F.ドラッカー
マネジメント

【山岳雑誌】
ヤマケイ
2014年ヤマケイ&ワンゲル6月号
2014年1月号
2011年10月号
2011年5月号&ヒュッテ
ヤマケイ山学選書
2011年3、4月号
2010年1月号
2009年11月号
岳人
2013年秋山
2013年夏山&ヤマケイ6月号
2011年夏山&ヤマケイ7月号
PEAKS
PEAKS 別冊
PEAKS 別冊 山岳縦走ギアガイド
ワンダーフォーゲル
2011年6月号

【山岳小説】
横山秀夫
クライマーズ・ハイ
新田次郎
雪のチングルマ 漢字編
樋口明雄
標高2800米 漢字編(1) (2)
谷甲州
単独行者

【番外編】
中・高生まなVIVA!小説大賞
読書のつどい2012~柳田邦男
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『カエルの楽園』

2017年02月09日 | 本・雑誌
 ソクラテスとロベルトという2匹のアマガエルは、毎日のように仲間がダルマガエルに食べられてる状況に嫌気がさし、安住の地を求めて旅に出ます。最終的にツチガエルと少数のヌマガエルが暮らすナパージュに辿り着きました。一見平和そうなその国は、巨大ワシのスチームボートによって守られていたのでした。

 しかし年をとり力が衰えてきたことと、絶対的な掟『三戒』によりスチームボートはナパージュを去ります。『三戒』とは、カエルを信じろ、カエルと争うな、争うための力を持つな、というものです。つまりスチームボートは、争うための力とみなされたのです。

 それを見越して南の崖をウシガエルが登ってきてるのに、またしてもハンニバル、ワグルラ、ゴヤスレイの力のある3兄弟が『三戒』によって葬り去られてしまいました。

 毎日のように広場で、「謝りソング」を歌ったり、三戒の教えを説いているデイブレイクは、読んでてホントに腹立たしかったです。押し問答、詭弁の連続でうんざりしました。過去の歴史が改変されたようにも思えましたし、どちらかというとハンドレッドの言い分に肩を持つ読者が多いのでは!? 一人の独裁者の考え(+導かれた聴衆)により国の未来が左右された結末は、何とも後味の悪いものでした。

 オタマジャクシが減ってきているのは少子化と重なりますし、おそらく核の抑止力とか領土問題にも通じるメタファー的表現が隠されてるのでしょう。
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中・高生まなVIVA!小説大賞

2016年03月09日 | 本・雑誌

 「まなVIVA」は「学び場」に由来すると思われますが、こういう極端な捩りはどうなんでしょうね。それはともかく秋田さきがけ新聞に2日間に渡って掲載された、湯沢高2年成瀬さんの『ことり』を読みました。幸せの青い鳥を地で行ってるようなハッピーエンドで、読後感も清々しいものがありました。

 『頭から背にかけては淡い水色で、腹の部分は雪のように白く・・・』とありますから、おそらくコルリかルリビタキでしょうね。藍色の真ん丸い瞳とか小首を傾げるという仕草から、十分に愛くるしさが伝わってきました。我が越冬中の預かりインコも、鳴き声がかわいければ言うことなしなんですがねー。偶然部屋に舞い込んだこの小鳥は、ナッツ類、クッキーやパンくず、米粒、はたまたミミズに至るまで悉く口にしません。ペットショップの餌まで食べようとしないのです。

 ところが、唯一食べたのが誰にも食べられず放置された綿あめでした。実際食べるかどうかは別にして、意外性があり面白い展開だと思います。これをきっかけに、バンドの正式メンバーになり、小鳥を描いた作品で最優秀賞をとるなど物事がうまく廻り始めました。欲を言うと黒崎とラブソングを作る話で、彼が耳を赤くしたその後をもう少し掘り下げて描かれるとよかったかなと思います。

 いくつか気になった表現がありましたので、抜粋してみます。

◆スタッフは最後まで鳥をさん付けで呼んでいた。何だかウケる。・・・若者らしい表現です。

◆反抗期なんかをやって、母を困らせるゆとりはないのだ。・・・反抗期をやる、というのは斬新な言い回しで、母子家庭の大変さがダイレクトに伝わってきます。

◆たくさんの「おはよう」が飛び交う教室。どの「おはよう」にも当たらないように避けて、静かに自分の席へ向かう。・・・その後友達同士で挨拶を交わしてるし、孤立してるわけでもないのに、どうして避けたのか疑問。

◆ライブ後の打ち上げでの会話から「あのミスをフォローするのは結構勇気が欲しかったんだからな」・・・これも若者言葉なのか年配者には違和感がある表現。

PS;アメリカのキャスター盗撮事件、男とホテルに62億円の賠償金だそうですが、払えんのかね!?
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小説土佐堀川

2016年02月18日 | 本・雑誌
 連ドラ「あさが来た」の原作、古川智映子著小説土佐堀川~女性実業家・広岡浅子の生涯を読んでみました。私朝ドラというのは、これまで一度も観たことはないのですが、この小説はBS-TBSのにっぽん!歴史鑑定で取り上げられたので読んでみたということです。

 浅子は、三井十一家の一つ京都の豪商油小路出水の三井家から、17歳にして加島屋広岡家へ嫁ぎます。やはり三井のバックボーンなしでは加島屋の成功はなかったのではないかと思われました。遡ること平安末期の西暦1,100年頃、藤原右馬之助信生(のぶなる)が京から近江へ移る際、琵琶湖の領地で三つ井戸を発見し、財宝もあったことから三井姓に改めました。ということは元々は藤原姓だったのですね。浅子の腰元小藤の子どもが広岡姓を名乗ったということは、実質的に明治後期まで日本は一夫多妻であったとみていいのでは!? 妾を妻と同等とみるかは疑問がありますが、少なくとも権利は同等であったようです。古くは側室という制度もあったことですし。

 浅子が嫁ぐと同時に異母姉春も天王寺家へ入家しますが、こちらは後年倒産してしまいます。貨幣改鋳と各藩の藩札の発行が江戸幕府の財政悪化をもたらし、豪商の御用金に頼るようになり文化年間からその額が多くなっていきました。新撰組が跋扈し尊王派、佐幕派、公武合体と揺れ、どちらにつくか見誤れば豪商とて即没落という事態。明治になると銀目廃止が両替商の足を引っ張り、この辺で相当淘汰されましたが、加島屋は借金で新政府へ献金したり、銀目の両替に応じたりしたことが功を奏しました。藩がなくなると借財は焦げついてしまいますが、こちらは明治政府が厳しい条件付き(古い負債は破棄とか無利息など)で大名への貸付金を一応救済。その後は廃藩置県で中央集権制がとられ、金本位制に移行し、銀行設立が相次ぎました。ちなみに、バンクは机を意味するイタリア語バンコに由来するとか。

 浅子は、文明開化で石炭の消費が増えることを予想し九州の炭鉱を買収。浅子を語る上で、懐にピストルを持ち、飯場で鉱夫と共に寝起きしたというエピソードは欠かせないようです。労咳を患ってたのに、そんなことをしてよく悪化しなかったものです。その炭鉱経営も爆発で死者15名も出し、賠償金で銀行設立は延期となりました。その苦難を乗り越えて、加島銀行を設立し、綿花の輸入・卸しの広岡商店も開業しました。五代友厚、渋沢栄一に「信用と人材」という薫陶を受け、今度は日本女子大を設立。なんと言っても伊藤博文のお墨付きをもらったことと、三井家より白金台の別荘地を寄贈されたことが大きいです。寄付金の総額も32万円となりました。現在の価値では12億円ぐらいでしょうか。

 最後に、同業(両替商)の万屋に脇腹を刺されて九死に一生を得たことから、命の尊さを考えるようになり3生命を合併させ大同生命を立ち上げました。大同は、小異を捨てて大同につくの故事が由来。

 しかし朝ドラをチラ見した限りでは、加島屋が加野屋、加島銀行が加野銀行と名前が替わってました。ドラマだからいいということではなく、歴史を歪曲してるようなものですよ。
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『なぎさ』by山本文緒

2016年02月14日 | 本・雑誌
 横須賀市久里浜が舞台で日野菫が立ち上げた「なぎさカフェ」がメインの話なので、タイトルも自ずと「なぎさ」になったんでしょう。主人公が菫の姉冬乃だったり、その夫佐々井になったり、佐々井の部下川崎のこともあり少々読みにくかったですが、その時々の心情や思惑が多方面から読み取れるという面白さはありました。心のデトックスと言いますか、悩みを打ち明けて相談できる相手というのは必要ですね。それが川崎にとっての佐々井だったり、冬乃にとっては所さんこと韮崎さんでした。川崎は付き合ってた小田百花と別れてしまいますが、その後もストーカーのようにしつこく付き纏います。どちらかというと男の方が未練がましいものです。よくDVが原因で別れてから元妻を刺すという事件がありますが、典型的なパターンのような気がします。

 様々な人間関係の描写も見事でした。特にブラック企業とその取引先との関係で疲弊して精神的に異常をきたしてしまう件(くだり)をはじめ、川崎が昔勤めてた芸能事務所、なぎさカフェ、親や兄弟姉妹、夫婦関係に至るまで。また村上春樹なんかとは違ういやみのないセンスある例えも随所に出てきますので、その度にほくそ笑んでました。

 なぎさカフェは、出資者の菫とその恋人らしきモリの勝手な都合により、3ヶ月で売却されてしまいますが、主婦冬乃にとってはその経験が自信になりました。物語の続きを予想すると、おそらくカフェを売った分け前と佐々井の退職金で、夫婦で小さな店を持つ夢は実現されることでしょう。川崎がプロダクションの面接を受けに行くシーンで終わってますが、よい方向で解釈すると合格して百花とよりを戻せたらこの上ない喜びでしょうね。
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