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その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

鳳凰三山縦走(5)

2017年09月18日 | 北ア・南ア縦走記

 青木鉱泉から周回縦走すると、ドンドコ沢を登ってきた場合には薬師岳で中道に下りますが、ドンドコ沢はきついので下りに使う人が多いようです。私は夜叉神峠へ。こちらは急勾配がない分距離が長いです。薬師岳小屋は新築されてました。ここで4人のグループと出会いましたが、夜叉神峠までは再び誰とも会わなかったです。


 砂払岳から南御室小屋までは45分の標識でしたが、30分で着きました。水が豊富な小屋らしく、ここで給水すればよかったのですが、先を急いでいたためスルー。もう16:30でしたのでテントを張りたい気持ちもありましたが、大型テントで宴会をやってた連中がいまして、煩そうだったのでやめました。


 ここは苺平というところで、17:03でした。苺平を過ぎるとガレ場が出てきて歩きにくかったです。ここからも青木鉱泉へ戻るルートがあります。苺平~大馴鹿(おおなじか)峠~千頭星山~大西峰~御所山~青木鉱泉。


 火事場跡ですが、地図にはほとんど載ってません。時間とか鉄製ケルンの標識も判読しづらくなってました。


 杖立峠着は18:04。夜叉神峠までは40分となっていますが、その時間ではムリだと思います。結局夜叉神峠着は19時になってしまいました。青木鉱泉から13時間半歩いたことになります。万歩計では20,087歩、16.56kmでした。18時20分ぐらいまではどうにか見えていたので、南アルプス時間に救われました。ヘッデンは自宅を出る時に電池を入れ替えて点くのを確認しましたが、山中で取り出してみると点かず。というのも冬期間電池を抜かなかったため、電池の接触部が少し腐食してしまってました。GPSなども使わない場合には、電池を抜いた方がいいです。でも首から下げるLEDも持っていたのでそれを使いましたが、ボタン電池なので切れるとヤバかったです。道は別れ道がなく芦安温泉方面のビルの明かりも見えてましたので、時々GPSで位置確認しながら歩きました。ところが、猿かネズミかわかりませんが明かりに反応して、暗闇の中でけたたましい叫び声をあげられ、口から心臓が飛び出しそうになりましたよ。



 上写真は明るくなってから撮ったものです。テント場は笹で小区画に分けられ、フラットでペグも刺さりやすくとてもいい場所でした。19時夜叉神峠小屋はまだ灯りがついてましたので、テント料金500円と冷えた缶ビール350mlで500円を購入。山小屋ではアサヒしか置いてないところが多いのですが、一番搾りもあってよかったです。水場までは50分かかるとのことで、ウォータージャグから1リットル100円で分けてもらいました。私が出てからすぐに小屋を閉めましたので間一髪でしたね。雨と暗闇の中でテントを組み立てたのは初めてです。夜中に「キャン」と鹿と思われる鳴き声がコダマしたり、AM3時にヘッデンで照らす登山者がいたりで熟睡できず。


 左上;リンドウ科ハナイカリ。花期は8-9月。春先に咲くイカリソウと似てますが、そちらはメギ科イカリソウ属。右上;マツムシソウ。


 夜叉神峠から夜叉神の森までは1時間でした。登山口には皇太子殿下御登山記念碑、その脇にツリフネソウが群生。しかし「御登山」って言わないよね。そこは「登山」でいいんじゃないですか。


 夜叉神の森は鉱泉でテント場もあります。登山口がすぐバス停になっていて、時間をみると芦安まで行くのが待ち時間が2時間もあり、歩道を歩きました。


 クマはいないものと思ったら、いるみたいです。猿は木の上で何匹も叫んでて不気味でした。掲載できませんが、道路上にフンもありました。なので夜叉神⇔芦安を歩くのはオススメしません。


 トンネルは短いのがひとつ。長いのだとイヤですよね。あとグレーチング(U字溝の蓋)は滑りやすいので気をつけてください。一度ズルっといって危なかったです。


 この標識が見えるとホッとしますね。夜叉神には芦安までの距離の標示はなかったですが、こちらには6.4kmと出てました。1時間半かかりました。白峰会館まではもう300m。


 バスの通り道で勾配があるので道路には刻みが入ってます。右上;芦安山岳館。中にビジターセンターもあります。


 8時40分、白峰会館着。

鳳凰三山縦走(4)

2017年09月17日 | 北ア・南ア縦走記

 いよいよ地蔵岳から稜線歩きです。ややスタート地点が分かりにくいかもしれません。肝心なところで標識がなかったりするので、鳳凰小屋の手前でも違う方向へ行ってしまいました。間違えても踏み跡は残ってしまうからです。右上;コケモモの実がなってました。



 稜線歩きというと楽なイメージがありますが、アップダウンがある上大きな岩の上り下りで決して楽ではなかったです。


 左上;キク科のイワインチン。右上;ここにも咲き残りのタカネビランジ。見頃は8月中旬。


 シラビソ、ハイマツ、五葉松。



 樹木や植物はスゴイところに根を張りますね。


 有名な天然のオブジェらしいです。枯れてそうでいて枯れてません。



 ウラシマツツジは赤くなるのが早いです。でも色づきは渋めのとか様々。


 南アルプスは森林限界が高く、2,600m前後まで樹木が生えてます。稜線では曲がりくねったダケカンバが見られます。たいてい稜線は風が強いもので、風除けになるのはいいですね。しかしながらスタート地点からずっと樹林帯なので、GPSの電波が遮られログをとったりは難しいです。


 左上;鳳凰小屋との分岐。夜叉神峠から来ると、地蔵岳に行かずにここで右へショートカットする人が多いみたい。右上;観音岳(2,841m)の標柱。地蔵岳から1時間43分かかりました。長かったですね。


 錆びて何が書いてあるか分からない道標。


 踏み跡は多いのですが、鳳凰小屋から薬師岳小屋まで誰とも会いませんでした。


 薬師岳山頂とありましたが、すでに15:42。標柱を探してる余裕すらなくなりました。

PS;一昨日、カッパ寿司に行ってカミサンからお釣りをもらう際、車中で小銭を落としてしまいました。隙間に入ってしまったので磁石でくっつけようとしたら、小銭って磁石が効かないんですね。

鳳凰三山縦走(3)

2017年09月16日 | 北ア・南ア縦走記

 サラシナショウマとチャホウキタケモドキ(一応食用)。


 ミヤマコゴメグサとナメラダイモンジソウ。これをジンジソウとして紹介してる人がいますが、上3弁の紋がないので違います。センダイソウとも似てますが、葉が全く違います。


 左上;白糸の滝。鳳凰滝はパス。右上;五色滝。


 やっつけ標識は勘弁してください。


 セリバシオガマとヤマホタルブクロ。


 サルオガセ。幽霊のようで不気味。


 センジュガンピとヤナギラン。どちらも終わりかけ。



 鳳凰小屋で三山の山バッヂを購入。3種類ありました。建物はいくつか小さいのに別れてました。


 水は豊富で無料。敷地内は花壇のようになっていて、ホウオウシャジン(右上)、タマガワホトトギスなんかが咲いてました。


 小屋から地蔵岳までは1kmの急登。この辺りにはコバイケイソウの残骸が多かったですが、今年は花をつける年ではありませんでした。


 花崗岩が風化して砂状になっていってます。


 ナデシコ科マンテマ属タカネビランジがまだ咲き残ってました。南アルプスの花崗岩帯に咲く固有種です。


 地蔵岳の標柱と金属ケルン。



 地蔵岳賽の河原。オベリスクはガスで見えず。

PS;最近ラブリの劣化が激しいですが、フィリピンハーフでは傳谷(でんや)英里香が台頭。

鳳凰三山縦走(2)

2017年09月14日 | 北ア・南ア縦走記


 テン場を5時半に出たら、間もなく工事中に出くわし迂回。水場もありましたが、沢水なので飲めませんと。青木鉱泉からドンドコ沢を行き鳳凰小屋を経由して地蔵岳まで、標高差約1,600mを直登ぎみに登りますのでかなりきついルートです。反面雄大な滝が見れるルートでもあるわけですけど。



 しかしこんな手間のかかることやるかな普通。小武川という名の川らしいです。



 プレートは小学生が書いた味のあるヤツでした。


 ノコンギクとミズヒキを見ると秋だなという感じがします。ミズヒキは葉にV字斑が入ってるのがありました。


 左上;キク科コウモリソウ属ウスゲタマブキ。右上;キオン。


 どちらもシラヤマギク。ヨメナ、ノコンギク、ユウガギクなど似たのがありますが、葉を見ると違いが分かります。


 イラクサ科のアカソとトリカブト。ヤマハハコも咲いてました。


 ハクサンボウフウとミヤマトウキ。こちらもミヤマセンキュウやミヤマシシウドなど似たのがあります。


 ウバユリのツボミと右上はオクモミジハグマ。





 落差70mの南精進ヶ滝。裏側に北精進ヶ滝という滝もあるそうです。


 この辺りから巨岩も出てきます。


 滝の手前あたりで、山ガールと遭遇。のちに温泉でポスターを見たら、「やまなし観光推進機構」「週末は山梨にいます」のモデルでした。同じベージュの山スカを穿いてました。会ったのは月曜でしたから、「月曜は週末じゃないだろ」ってツッコミたくなりました。でもね、男と一緒でしたよ。たぶん鳳凰小屋か、あるいはテント泊じゃないかな。
※その後調べましたら、当時山梨大の学生でした。https://www.admission.yamanashi.ac.jp/userblog/index.php?action=view&blog_id=1134655
画像からして、おそらく生命環境学部かと。

鳳凰三山縦走(1)

2017年09月13日 | 北ア・南ア縦走記

 上写真は秋田駅の撮影スポットD51のミニSLと朝5時台のポポロード。「鳳凰三山行ってきました」「ほおぉ」「バカにしとんのか!」という会話が想像できますね。山梨県韮崎から青木鉱泉に向かう最終のバスが13:30なので、それに間に合うように秋田駅からの始発のこまちに乗りました。このこまち6号は、田沢湖、角館には止まらないのですよ。大曲は駐車場が一杯で却下され、仕方なくそうなりました。しかも秋田駅は駐車料金が発生するため、八郎潟駅5:04始発の奥羽本線で秋田駅に向かうことに。貧乏人は辛いね。


 東京駅から立川までは中央特快。立川で「かいじ103号」に乗り換え。新しめの車両でした。


 石和温泉でまたしても乗換。左上は、塩山駅で「日本最古の日の丸があるまち」の石碑。


 左上;中央本線の座席はちょっと変わってました。大村博士の故郷韮崎には12:33着。


 マスコットキャラはニーラ。魔法使いのカエルらしいです。


 高架下をくぐって、反対側がバス乗り場。日曜なので客は私一人。バスは月曜以外平日の運行はないので要注意。必ず時刻表を確認してください。過去に大菩薩嶺でそれをやらかし、タクシーに7千円払ったことがあります。


 荷物を含めて1,700円。これでもタクシーに比べたら安いもんです。道は細いのに釣りや登山、キャンプする人が多く、結構な車の台数とすれ違いました。


 山には相応しくない外観です。温泉は千円と高いのでパス。下山でしたら仕方なく入ると思いますが。駐車料金もたしか1日750円取るみたいです。テント料金は650円でした。


 水は豊富で、こちらは無料。


 左上;キャンプ場の方にも水場がありましたが、出るのかどうかは確認してません。右上;下のトイレは使用不可でした。


 テント場は13区画に分かれ、そのまま車を乗りつけできる感じでした。陽が当たらずジメジメした所はヤブ蚊がいましたので、そこだけは却下。樹林帯の中なので風の心配はいりません。ただし、川の音が相当煩く夜中でも飛行機の騒音がありますので、耳栓は必須。


 翌朝の登山道を確認。標識はしっかりしてます。


 山椒の実が赤くなってましたので、そろそろ収穫時期です。右上;ケシ科のタケニグサが巨大化。


 風がないのでペグを刺さず、石で代用。食事もカップ麺で済ませました。セブンのは薄味で、捨てられない山では飲み干せるのでいいかも。やることがないので17時には寝てしまいましたが、テント内でストーブを使ったため、暑くてしばらく寝付かれず失敗でした。