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その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

飯豊連峰2泊3日縦走(6)

2016年10月02日 | 新潟・福島

 いよいよ最終日、ダイグラ(大嵓)尾根で下山。嵓とは「切り立った崖」という意味です。さらに飯豊には普通の山にあるものがないのです。巻き道はなく、尾根の形通りのアップダウンを繰り返します。特にダイグラは切歯尾根と言われ急峻です。ピンクリボン、ペンキの〇マーキング、鎖、ロープ、梯子も存在しません。ピンクリボンはダイグラ尾根の分岐で見た右上の1個だけでした。



 御前坂の紅葉がよかったですね。


 写真の御前坂を下った辺りで、踏み跡を忠実にトレースすることばかり考えてたため、道をロストするはめに。間違っても踏み跡はつくのですよ。進むにつれ目標の尾根は左側へズレていっているのに、意識は下へ向いてるものだからGPSで正規の登山道へ戻ってもまたすぐに外れてしまう、というヘマをやらかしてしまいました。完全に大局を見失ってましたね。周りを見る余裕があったらそんなことはなかったはずです。そのまま迷い込んでしまうと、谷筋をガレ場の登山道と勘違いするかもしれませんね。その場合勾配が急なので怖いのは落石です。


 



 稜線歩きに入れば迷う箇所はないはずです。


 オヤマリンドウやトウヤクリンドウはほとんど開かないんですが、タテヤマリンドウ、ミヤマリンドウ、イイデリンドウは開くという違いがあります。右上はもしかして咲き残りのイイデリンドウ!?


 宝珠山の肩の標柱があり、宝珠山(右上)を振り返ってみました。


 これまでの縦走でマジ転倒が4回ほどありました。靴底は今春張替たばかりなので減ってはいないのですが、石や岩がものすごく滑ります。それと木の根にも注意です。転倒箇所が悪いと滑落して生きてないかもしれませんね。


 ここが千本峰の岩場なんですが、ストックを収納しなかったばかりに1.5mほど滑落してしまいました。カメラとサングラス、右頬を岩にぶつけてしまいましたが、幸いモノも顔も無傷でした。気を引き締めて全部収納して登り直しました。ストックは休場の峰までザックに括り付けた方がいいと思います。木や草の根、岩をつかんだり3点支持の箇所が多いからです。なんでも「ストック落としても、命は落とすな」が飯豊の鉄則とか。


 出発時、水場で補給しないで1リットルあれば事足りるだろうと判断したため、水切れを起こすことに。ゼリー類で喉の渇きを癒そうとしてもムリです。高度計を見ながら長坂清水を待ちわびましたが、とても長く感じました。ところがこの水場急過ぎて危ないのですよ。でも冷たさはこれまでで一番でボトルにも詰めて、終着まで喉を潤してくれました。


 左上;種蒔ノ池 右上;目が合った人面葉。


 檜山沢の吊り橋。


 しかしここからまだ4kmほどの山道と林道歩きが残ってて、1時間ぐらいかかるのですよ。


 ダイモンジソウとキバナアキギリ。


 犬つながりでイヌヤマハッカとイヌタデ。




 石転び沢登山口、温身平(ぬくみだいら)、梶川尾根登山口を経て終点の飯豊山荘へ。


 ここの玉川で釣りをしてる人がいました。「登山届出所」もあります。到着は道迷いもあり、16時を回ってしまいました。もうヘロヘロでしたよ。
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飯豊連峰2泊3日縦走(5)

2016年10月01日 | 新潟・福島

 ガスってましたが大日岳山頂からは、北股岳、烏帽子岳と縦走してきた山々が見えました。



 御西の水場は、御西小屋から飯豊本山方面へ2、3分のところに表示あり。草紅葉も見事ですね。


 左上;御西岳(2,014m)山頂標柱と思われます。右上;このような道が延々と続き歩きにくかったです。


 左上;草原にケルン。石を運んだんでしょうね。右上;万年雪。たぶん。


 こちらの笹原もすごいスケールで広がってました。


 飯豊本山手前の駒形山と思われます。


 相変わらずガレてます。右上;翌日向かうダイグラ尾根入口。



 ウラシマツツジ、ミヤマキンバイ、チングルマの紅葉。


 飯豊山頂はわりと質素。


 本山小屋でイイデリンドウの山バッヂ800円とテン場代500円を支払い。山バッヂはヒメサユリのと2種類あり、セットだと1,500円です。


 左上;飯豊山神社だと思わず、右上のトイレが新しかったこともあり、旧のトイレだろうとスルーしたバチ当たりな私です。



 テン場は本山小屋から100mほど下った「一王子」にあり、水場はそこから30mほど下りていきます。トイレが遠いのは不便でした。夜間ヘッデンの明かりだけで、強風の稜線上を行き来するのは大変なのですよ。平らで石囲いがしてあるところは先客がいて、辛うじてハイマツで覆われて傾斜のあるところに設置しました。風が強くハイマツは防風効果がありませんでしたが、ペグを全部打ったため先日の平ヶ岳よりはだいぶマシでした。斜め地なので知らぬうちにズリ落ちていってしまい、その都度上へ戻ってました。あろうことか酒を飲んで寝てしまったら、足元に水場で汲んできた水があり足が冷えてました。冬を想像すると分かりますが、足が冷えると寝れません。重くなりますが、服と靴下、下着は日数分持った方がいいです。冷えは大敵ですから。それとライトダウンは必須。低体温症については、軽量化のため食料をセーブする傾向がありますが、熱は食べることでしか生み出せないのです。秋口は特になるべく温かいものを口にしたいものです。テント内ストーブの使用は、今まで小屋で沸かしたのを山専ボトルに入れて避けてきたんですが、平らなところを選んで設置すれば大丈夫でしょう。余計な動きをしてストーブを倒してしまうことが懸念材料ですけど。


 水場は隣同士で2ヶ所。冷たくておいしい水でした。




 2日目もご来光を見れました。


 本山小屋トイレが黄金色に輝く、って余計なことを書いて墓穴掘り。


 雲海の向こうは磐梯山。


 朝霜が降りてましたね。飯豊が北限のマメ科オヤマノエンドウと、ミニチュアサイズのミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)。
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飯豊連峰2泊3日縦走(4)

2016年09月30日 | 新潟・福島

 烏帽子岳(2,018m)から蔵王連峰が見えました。雲海に浮かぶ島のようです。



 主稜線は、御西小屋を中心に飯豊山と大日岳に別れててT字状になっています。谷も深く真っ直ぐ切れ落ちていますね。


 御手洗(みたらし)の池。お小水しちゃいけません!


 イワイチョウとハクサンボウフウが盛り。おそらくこの辺りは雪融けが遅かったんでしょう。


 ミヤマコゴメグサとヨツバヒヨドリ。


 大日岳。メガトン級の重厚感があります。アバランチシュートが深く刻み込まれ、雪深さを物語ってます。


 天狗の庭。植生復活中で立入禁止。




 天狗の庭から少し進んだところの紅葉はよかったですね。


 飯豊本山。


 アカモノと風車状のチングルマ。


 鳥の羽がバサバサ。何が起こったのか!? 右上;人面石。パーツが揃ってて、これほどハッキリしたのはそうそうあるもんではないです。キツくなってきたら、こういうのを探しながら歩くといいです。



 土曜日ここに泊まったという単独のオジサンの話によると、めちゃ混みだったそうです。テン場は小屋後ろに10張ほどいけます。ただし遮るものがないので、強風でガサガサするばかりかテントが撓(たわ)んでくることもありうるかと。外トイレは100円の有料。朝から快晴だったので小屋泊りの方々は濡れた衣類を干してましたが、10時過ぎからガスがかかってきて、午後から風も強まり崩れてきました。日本海側気候の影響もあるみたいです。



 大日岳へは文平の池を経由して、皆だいたい御西小屋へザックをデポしてピストンします。ものの地図によっては往復2時間40分となってますが、空身なので2時間もかからないと思います。念のためアタックザックに貴重品、地図、GPS、水、行動食、雨具、救急袋ぐらいは必要かと。


 ここも季節を疑うような花が咲いてました。左からミヤマキンポウゲ、アカモノ、コイワカガミ。
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飯豊連峰2泊3日縦走(3)

2016年09月29日 | 新潟・福島

 門内小屋着は6時間50分かかってます。右上はトイレで新しめでした。


 小屋から門内岳には2、3分で着きます。鉄製の籠は、ケルン替わりじゃなかろうかと推測しました。


 ガスで見えませんがこの右側はギルダ原で、ニッコウキスゲの群生地となっています。右上;強い風が一定方向から吹くため斜めになっているのを風衝樹形と言います。


 灌木帯に入りますと樹高は3mほどにもなります。笹やハイマツも背丈があり風除けになります。


 標高2,045mの北股岳。梅花皮(かいらぎ)小屋まであともう少しです。


 咲き終わりかけのミヤマクルマバナとナンブタカネアザミ。



 梅花皮小屋には出発から8時間12分かかりました。標準CTは7時間半ですが、悪天候とテント装備を考慮すればこんなもんでしょう。管理棟は別棟になっており、テン場は小屋の前後に振り分けで10張ほどです。今回はぬれたテントを担ぎたくないので小屋泊りにしました。(小屋泊りが1,500円でテントが500円)トイレは水洗でキレイでした。 


 左上;有名な石転び沢。もっと上から撮らないと何が何だか分からないですね。右上;水場の標識はちゃんと出てます。地図上には出てても分からないこともありますからね。


 30mほど行きますと豊富な水量の水場に着きます。


 管理棟で宿泊料金を払う時に、ついでにビールも買ってしまいました。350mlで800円はちと高すぎ。劔の早月小屋で600円でしたからね。寝酒用に500mlの紙パックの酒を2日分とつまみも沢山持ってきたので、缶ビール2缶ほど忍ばせればよかったかも。


 ストーブはコンクリートの部分で使用します。夕食はアマノフーズフリーズドライの畑のカレーシリーズと生味噌タイプの味噌汁。野菜の形が残ってて旨いですよ。味噌汁は溶くだけで作れますし、塩分をとる上でもオススメです。この日は単独行の男性3名とカップルの計5名でしたので余裕でしたが、混雑時仕切り線の通り寝るとしたらかなり窮屈だと思います。ちなみに3階もありますが、屋根裏なので圧迫感がありました。


 翌朝、朝日が昇る前の5時20分小屋前からの風景。朝日連峰の左側に月山が見えてますが、その左に見えるはずの鳥海山は遠いので写ってません。


 梅花皮小屋が段々小さくなっていきます。


 雲海は10時前にはほとんど崩壊してしまいました。


 梅花皮岳手前に左上のような危険個所がありました。慎重に進んでください。右上;梅花皮岳標柱。


 次に向かう烏帽子岳。


 振り返って梅花皮岳と奥に北股岳。
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飯豊連峰2泊3日縦走(2)

2016年09月27日 | 新潟・福島

 サワモダシ、キクラゲ、クリタケとキノコが生えてましたが、採る余裕などありません。



 花崗岩の風化が進んで砂状になってて、そこにコケが生えてました。


 左上;最近よくアップしてるヒカゲノカズラ胞子のう穂の立ち上がり。右上;ガンコウランの花後。


 ハクサンシャクナゲに囲まれた丸森峰の標柱。ここからガレ場になりました。


 サマニヨモギとヒトツバヨモギ。


 草紅葉の最後の緩やかな登りを終えると、杁差岳(えぶりさしだけ)方面との分岐でもある地神北峰に出ました。


 紅葉序盤ですが、ガスっててよく見えません。ミヤマダイコンソウの葉もだいぶ赤くなってました。



 ハクサンイチゲの葉が紅白。花もまだ残ってました。ツボミもつけてたので二度咲きかも。


 地神山頂には三角点もあり。


 マツムシソウの花後。右上;池塘。



 カエデのプロペラと軸の赤が強烈。


 左から扇の地紙標識、胎内山標柱、鎮魂碑が次々と現れました。扇の地紙は梶川尾根との分岐点です。


 トリカブトとミヤマキンバイ。
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