蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

今年5回目の栂池高原雪景色

2013-02-24 23:05:08 | 山とスキーでブラブラ

長いコト山登りやってますが、アカンタレなので豪雪エリアの冬山にはほとんど突撃したことなく、幸いと言うか、恥ずかしながらと言うか、雪崩に襲われた経験はゴザイマセン。

一度だけ黒部の側壁を登りに行ったコトがあって、登れればそのルートの冬期初登攀だったが、夏なら数時間のアプローチ、冬は黒部川の河原の深いラッセルとなり、壁に取り付くまでに1日以上、結局3ピッチ程登った所で時間切れギブアップ。
黒部の豪雪はスゴイ、登っている時も壁に引っ掛かった雪が頻繁にバサッと落ちて来て、壁から引き剥がされそうになる。チリ雪崩もバカに出来ません。あんなンがもっと沢山、ドカッと落ちてきたらオワリです。
積雪期の黒部はキレイな雪山とは程遠い鉛色の世界、近付いてはダメ、と思い知らされた4日間だったが、5月の剣沢・二股でも一晩でテント半分埋まったコトあったし、12月西穂独標からの帰り、泊った坂巻温泉の駐車場では、愛車も一晩で半分埋まっていた。
とにかく、中部山岳地帯の降雪、直ぐ豪雪になりアッと言う間に全て埋まってしまう。雪はコワいものなのだ。

19日、今年5回目の信州・雪山通い、いつのもペースで栂池に着くと、定宿のママさん「今週はズッと雪マークですよぅ」
「ところで先週末、雪崩の事故あったンですよねぇ」
「ああアレね、あまり大きく出なかったンですよぅ、新聞の端にチョコッと載っただけ、前の女子大生の時は大騒ぎだったのに ・ ・ ・ 、亡くなった人、電波でるヤツ持ってて、それで埋まってルとこ判ったそうですよ」

Imgp4465 鉛色のゲレンデ。

Imgp4468 樹氷の森。

Imgp4469 樹氷の山。 

Imgp4470 樹氷の中を上がって行く。

Imgp4472 立入禁止の標識の横を、板かついで登っていく集団、全員ガイジン。先週、立入禁止エリアで雪崩事故あったばかりなのに。

馬の背の入り口で、パトロールのオニイチャンが林の中へ入っていくボーダーを眼で追っていた。
「追いかけンでエエのン?」
「イヤ、あれは ・ ・ ・ 」
立入禁止でも管理エリア外、自己責任でどうぞ、という所と、下に林道などがあるので絶対ダメ、と言う所があるそうだ。
先週の事故、ネットで見たニュースの動画では、馬の背の尾根の南側、ゴンドラの下辺りを捜索している様子が写っていて、そこは林道の上、5年前の雪崩の発生地点(?)、絶対ダメな所。
「先週の雪崩事故、あそこやったン?」
「イヤ、逆です、丁度この裏です、この下崖になってて、雪庇が出てて、そこを直接飛び降りて雪庇が崩れてやられたンです、フツーは鵯側へ廻り込んでから入るンですけどねぇ」
「それやったら自殺やン」、思わず言ってしまった。

要するに馬の背の尾根の北側の谷を下って、チャンピオンゲレンデ横の堰堤へ出る、と言うコースで、情報がネットで流れているので、皆さんドンドン行くらしい。他にも色々あって、そう言うコースを案内するガイドもいるそうだ。しかし、あんなヤブだらけのトコ滑って、何が楽しいのだろう。
「まぁ北側なら、雪崩があってもそう言う情報を知ってルのだけが死ぬだけですけど、南側は下に林道ありますからねぇ、絶対に止めさせないと」
「そうやねぇ、まぁ大変やろけどガンバって」

死んだボーダーと一緒に滑っていた女性は婚約者だったそうだ。400m流されていて、中々見つからず、捜索を打ち切ろうとした時にビーコンが反応したらしい。
なんとまぁ、バックカントリーは惨いモンです。

Imgp4475 北側の谷(右側)には入れない様、ロープが張られていた。

上から下まで5回往復してこの日はオワリ。

Imgp4476 20日、下の方だけ晴れている。取りあえず自然園辺りまで行くことにする。
緑の服はアンケートの人。年齢、スキーの経験、どこから来たのかを聞かれ、ドリンク券を頂いた。

ゲレンデは大学生の集団だらけ。N体育大学、K教育大学、H県立大学。

そしてKN女子大。女子を取ったら神戸のアホボンの学校。恥ずかしながらワタクシの母校。
だから、この女子大生サン達、ワタクシの後輩?、ナンカ近い想いがしてニヤニヤ、ピチピチの彼女達を眺めていたら、睨み返された、トホホ。

Imgp4477 輪になってボードを履いて歩く練習をされてます。

Imgp4478 11時過ぎ、林道は圧雪されていた。近くでは10人近い集団、バックカントリーの講習会らしい。

林道を歩いていると、ナント、圧雪車がやって来た。後ろの引きずっているホウキは林道一杯の巾、谷側へ避けようとすると足元が崩れていく、ヤバい。
圧雪車の運チャン、ギリギリ山側へ寄って交わして行った。

Imgp4481 ロープウェイの駅でその圧雪車は作業中、お疲れ様です。

Imgp4482 自然園の山小屋はまだ冬眠中。


Imgp4484 12時半、シールを外して老倒木と記念撮影。


Imgp4485 南俣の谷を見降ろす。


Imgp4488 緩斜面の深い新雪は快適なスキーにはならない。

Imgp4489 ゲレンデへ戻る手前の数100mを只ひたすら彷徨う。

13時半、ゲレンデへ戻りこの日も無事オシマイ。

Imgp4490 21日も鉛色のゲレンデ。


Imgp4494 大学生が色々テスト(?)受けてます。

栂の森のリフトまで来ると、パトロールの集団が沢山のカンバンを担ぎあげていた。

Imgp4495 新しく設置された看板。

写真を撮っていると、一昨日お話ししたパトロールがやって来て、コンニチワ。この看板は馬の背のコースに沿って8枚立てたそうだ。
しかし、彼らのその作業と前後してゴンドラで登り返していると、その下をまたもや滑っている無法者が見えた。
「いくらやってもキリないンですよぅ」
「ホンマになぁ、ああ言うのが起こした雪崩で下の林道で誰か死んで、殺人罪で裁判でも起きンと判らんのかも知れンねぇ、アホなコトしよんの外人ばっかりなン?」
「イヤ、外人は半分位です」
「見つけたら笛、吹いたりしてンのン?」
「エエ、笛は持ってますけど、逃げられそうな時は吹かないでソッと近付いたりして」
「大変やねェ、しかし笛吹きまくったり、ギャーギャー言って取り締まるしかないでェ、まぁガンバって」

その後も馬の背コースを滑り返していると、ツインチップのファットなロッカーの板を履いた、多分ハクジン一人、周りを覗いながら南側の林に入って行くのを見た。そこは林道の上、絶対に立入禁止の危険エリア。ホントにまァ、何と言う事か。
しかし、あんな木ィだらけの斜面、それ避けながら滑って何が楽しいのだろう。

Imgp4496 振り返ると南俣の谷が見えた。
シール貼って1時半も登ると、あんなイイ斜面があるのに。雪崩誘発しても誰にも迷惑掛けへんのに。ホンマ、アホっチャう。

馬の背を6往復して、この日も無事終了。


イノシシにやり放題された布引谷・山の家の庭

2013-02-15 16:00:25 | 神戸布引谷での出来事

11日、久しぶりに布引谷・山の家に戻ると、庭はイノシシがやりたい放題、掘りたい放題。

12月にも増して球根が喰われていた。

Imgp4460 この辺りにあったシランの球根はほとんどお召し上がりになったのかも知れない。

庭には富有柿があって毎年沢山の実がなったが、伸び過ぎた枝をこれまた切りすぎて、09年8月、何か変な虫に蝕まれて枯れてしまった。

016 (09年8月の写真)

017_4 そして仕方なく切り倒した。

018 その時の切り株。 

Imgp4461 4年経って、枯れた柿の根も、イノシシはお召し上がりになったのだろうか。

Imgp4462 植木鉢は蹴散らされていた。

021 09年8月、柿の木が枯れた頃にもイノシシがやって来て、やりたい放題、掘りたい放題。その時、南側の柵にはネットを張った。こんな柵の隙間からも入って来る、と言う隣家のドアホな情報だったが取りあえずやってみた。

Imgp4463 しかし、北側のその隣家からイノシシはジャマ物は全て蹴散らして進入している様だ。

イノシシは大昔からウヨウヨいる地域、オフクロの日記にもそんなコトが書かれていた。

09年8月は掘り起されてまだ喰われていない球根を、すべて回収し物置に保管。
近くの林からゲットした枝でこん棒を作り、夜中出てきたらドツイたろ、と思っていたがいつも酔い潰れてしまって、結局いつの間にか現れなくなった。
その後、球根は植え直したが、植え方がグチャグチャで、花の咲き方もグチャグチャ。当然喰い尽された種もあったので、庭の色合いはすっかり変わってしまった。

まぁ仕方ありません。彼らの方がズッと前からの住民だし。
今後も住民は彼らイノシシ、ワタクシは定住を諦めたし。

Imgp4464 物置の扉が少し開いている。またノラが戻ってきたのだろうか。しかしまだ、エサのトカゲやヘビは冬眠中だと思うけど。





今年4回目の栂池高原雪景色

2013-02-11 12:34:49 | 山とスキーでブラブラ

5日、今年4回目の信州・雪山通い。

都会は雪が降ったり、春の陽気になったり、また雪が降ったり。しかし名神、中央道には全く雪はなく、白馬の手前までスタッドレスが不要な状態で10時過ぎ、いつもの時刻に定宿着。

Imgp4430 上方、白馬岳方面は見えません。

Imgp4432 ゲレンデ最上部のブナ林にチリチリ雪が降っている。

馬の背コースへパトロールが降りて行く。大きな荷物を背負い、無線で連絡取りながらストックなし、細いコースを大廻りで滑っていく。色々チェックしながらの様だが速い。中々追いつかない。さすがですなぁ。

ゴンドラで登り返し、板を履こうとしていると、声をかけられた。
「馬の背、サイコーですねぇ」
振り返るとパトロールの制服、「アッ、さっき前を滑ってはった人ォ?」
「エエ、ヘヘヘッ」
この人、コースをチェックしながら、後を滑るワタクシもチェックしてたの?さすがパトロール。そして、アッと言う間に消えて行った。

次の馬の背は誰とも会わず。

3回目の馬の背、最後のリフトを降りてコースの入口へ進んで行くと、「ゴホッゴホッ」、咳をしながらどなたかが後に続いている。
北向きの斜面を下り終えて一息ついていると、大柄なオジサンが降りて来て、「ア~ッ、40年振りの馬の背、制覇したぁ」
周りには誰もいない。と言う事は、ワタクシが何かお返事しないといけない。

「40年振りて、今、おいくつですのン?」
「62ですわ、オタクは?」
「2年後輩ですわ」
「イャ~、年上かと思てた、バァ~ンと飛ばして行きはるから、最初、外人やと思てたンですわ、しかし、オトウサン、上手いねぇ」
「イヤ、ボク、55で早期退職して、ほぼ毎週ここへ通ってますンで」
「へぇ~、ワシ、53で早期退職してン、ニンゲンの長い歴史から言うと、ワシら生きとン、一瞬や、好きなコトせんと、ワハハ」
ニセコ、アッピ、八甲田、八方、次から次、スキー場の名前が出て来る。今回は白馬にお泊まりらしい。
「全国、色んなスキー場、言ってはるンですか?」
「ああ、あっちこっち言ったよう、一応嫁ハンおるンやけど、ワハハ」
「ボクは仕事止めた代わりに、嫁ハンはフルに働きだしましたわぁ」
「そらエエわ、髪結いの亭主やン、ワハハ」

イヤ実は、フルに働きだしたついでに出て行って、長い間お一人様ですねン、と馬の背コースの真ん中で、身の上話までする必要はない。
ここは更にウケを狙って、「エエ、くちの悪いトモダチは、ボクのコト、“ヒモ”、と呼びます」
「ヒモッ?、そらええわぁ、ワハハ、どこから来やはったん?」
「神戸ですワ」
「ほうか、神戸のオトウサンかァ、ワシ、大阪や、一期一会ちゅうけど、オモロイなぁ、あッ、どうぞ先、言って下さいよぅ」
「では、また」

再度ゴンドラで登り返し、板を履こうとしていると、また声をかけられた。
「神戸のオトウサ~ン」、先程の大阪のオトウサンが若い男女3人組に向かって、「この人やネン、さっき言うてた神戸のオトウサン」
そして、ワタクシに向かって「ゴンドラの中で一緒になって、この人らも神戸から来たて聞いたンで、オトウサンのコト、話ししとったンや、ワハハ」
「あぁそうですかぁ、アハハ」
若い3人組、ぎこちなく「コンニチワ」
大阪のオトウサン、「サッ、馬の背、もう一本行こかぁ」
「イヤ、ボクもう宿へ帰りますワ、勘弁して下さい」
「ほうかァ、ンならまたどっかで、ワハハ」

Imgp4434 鐘の鳴る丘は陽が射していた。

この日は上から下まで5往復してオワリ。

6日、雪が激しく降り出した。

Imgp4436 スキースクールの前にズラ~っと並べられている板。

Imgp4438 モノクロのゲレンデに大粒の雪が降る。


Imgp4439 馬の背は終日閉鎖。

上から下まで4往復して、もうヤメることにした。

Imgp4440 スキースクールの前に並べられた板は、大阪の中学生のためのものだった。15時なのに、今からスキーするらしい。朝、学校を出てさっき着いて、さぁスキー、と言う訳か。センセイの指示が聞こえて来る。16に班分けされているらしい。と言う事は200人弱?スゴイ人数。

夜、相変わらず貸し切り状態の食堂。
テレビを見ながら地酒を呑んでいると、ドン、ドドドォ~ン、エエッ、これ花火の音(?)
「お客さんが大勢で来ると、時々花火上げるンですよぅ」と、オカミサンが話しながらカーテンを開けた。確かに花火が見えた。
「大阪の中学生が来てましたよ、確かにスゴイ人数でした」
「ああ、そうそう、ワタシも見ました、大きなバス連ねて」
要するに歓迎セレモニーの花火(?)、なんとまあ、ワタクシ、6年も通っているのに花火で歓迎されたコト、ありません。

7日、天気予報は晴れ時々曇りだったが、相変わらず雪がチリチリ降ってます。

Imgp4442 上へ登るつもりだったがヤメましょう。

Imgp4445 こんな天気なのにゲレンデの上までやって来て、はしゃいでいる。この子たちは金沢の小学生(?)、毎年見るゼッケンを付けている。

Imgp4446 モノクロの鵯峰。

Imgp4447 ゴンドラからハンノ木コースを見降ろす。

馬の背コースは解放されていて、6回往復してこの日はオワリ。

8日も天気優れず、もう滑るのはヤメ、車の雪を降ろして帰る事にした。大した量積もってはいなかったが、凍っていてカリカリ。そこそこ大変だった。

ノンビリ木曽路をドライブして、夕方帰宅。4回目の信州・雪山通い、無事終了。


ハラ具合が悪いまま白馬乗鞍へ登り、カフェテリア栂の森のトイレに駆け込んだ午後

2013-02-04 21:16:00 | 山とスキーでブラブラ

1月31日、移動性高気圧に覆われ快晴。

036 今日は糸魚川の高校生のスキー教室らしい。

「わぁキレイ、早く滑りたぁ~い」、とカワイイ声。
振り返るとアイドルグループのような少女たち。
一人と眼があうと、ニコっと微笑んで「おはようございまぁ~す」
「おはようございます、早く滑りましょうねッ」

ハンノ木コース沿いにリフトを乗り継いで上がっていくと、ン?、オナカの具合がナンカおかしくなってきた。昨日の朝は熱でもある様な、ボワ~ンとしたダルさだったし、風邪気味なの?ワタクシ。
カフェテリアのトイレにでも寄るか、とも思ったが、栂の森に着く頃には治まった。

037 林道には圧雪車が入っていた。

7~8人のハクジングループが直ぐ出発。同じ様な別のグループが準備中。山はハクジンだらけだ。
ボーダーが一人やってきて、ボードを抱えてツボ足で歩いて行った。これはニホンジンらしい。

ワタクシもシール貼って出発、9時半。

038 成城大小屋で一息入れていると、自然園方向から一人登って来た。かなり大きなザックを担いでいる。重そう、シンドそう。

そしてワタクシ、やはりオナカの具合がおかしい。登っている時は気にならないが、休憩したりすると、オナカはグルグル言っている。

天狗原の斜面には二人、そのズッと下に3人程。大勢のハクジンはどこかに消えた。

白樺の大木手前あたりを登っていた時、急に南の方からグォオゥ~、正に地を揺らがすかの様な轟音。ナニコレ?八方尾根あたりで巨大な雪崩?

ジェット戦闘機だった。4機、かなり低い位置を飛んできた。グレイの機体と2枚の尾翼がハッキリ見える。そしてアッと言う間に西方向へ旋回していった。旋回しながら一回転したように見えた。
「どないや、上手いやろ、カッコええやろ」と見せつけているようだった。
確かにカッコええけど、1機で何十、何百と言うニンゲンを、いとも簡単に殺せる武器、それがアイツのポテンシャル。
あぁ恐ろし、ワタクシ、やはりああ言うのキライです。どうせ運転出来へんし。あんなに速く移動する必要もないし。

登りきった所にある白樺の大木の側で、大きなザックを担いだ先行者が休憩していた。
「コンニチワ、イイ天気ですね」
「コ、コンニチワ、それ延びて引っ掛けれる様になるンですか?」、オットリとした喋り方の青年だった。
山スキーは4~5回目との事、むしろ登りが専門らしく、クライミング用のヘルメットとピッケルをザックに付けていた。
靴はフツーのスキーブーツだが、ビンディングはワタクシと同じディアミール。
「イヤ、これ延びるンじゃなくて、ボク、足小さいから後ろの部分が前に来るンで、延びた様に見えるだけや、君のンもこれ、こうやって上げると引っ掛けれるよう」
クライミングサポートをストックの先で上げたり下げたりして、センターレールの末端をそれに置いて、登る斜度に対応することを知らなかった様だ。
「そうか、そうやって使うのかぁ」
と、言う事は「君、この斜面、クライミングサポートなしで登って来たン?ようやるなぁ」
「はぁ、白馬乗鞍、登ろうと思って来たンです、しかし上手く滑れるか心配で、こんなとこ、滑るの初めてでェ」
「その板、センターの巾、ナンボなん?」
「85、6だったかな」
「ンならセミファットやん、ボクのンと同じや、心配せんでも滑れるわ、ほな、お先に」

039 11時40分天狗原着。見事な姿の後立山。

直ぐ先程の青年もやって来て、板を脱いだが、流れ止めを付けたままなので、板を引きずってウロウロしている。よく見るとストッパーはチャンと付けている。
「君、ストッパー付けてるンなら、そのヒモ、流れ止め、要らんでぇ、大体、ヒモ付きでコケて、板外れると、板がこっちに向かって飛んできてケガするから、フツーはヒモ、付けへんでェ」
「へぇホントですかぁ、でも深雪で板外れると、なくなりませんか?」
「ボク、30年ヒモなしやったけど、なくなったことなかったでぇ、でももしなくなったら、諦めてハラくくって歩いて降りるしかないワ」
「へぇそうですかぁ」

相変わらず、ワタクシのオナカはグルグル言っている。「ほな、お先に」

040 稜線まではもう少し。テレマーカー3人組が動画撮りながら降りて来た。

先程の青年が追いついて来て、前を行く。「さすが速いねぇ」

しかし、彼は右手へ逸れて行く。イヤ、そっちはテッペンちゃうよぅ。

041 13時、頂上着。今年も何とか登れました、ふぅぅ~。

042 しかし、まだ雪は少ない。ハイ松も、夏の登山路を示す鉄の杭も出たままだ。まぁまだ1月ですモンねぇ。

先程の青年も右手を迂回してやって来た。「はぁ~、登れたぁ」

「このままシール付けたまま、もうチョット先まで行った方がエエわ、これだけ松や岩、出とったらソール、キズつくし」
「ハイ」

チョット先でシール外して滑る準備をする。
青年、やって来て、「シール付けたままで滑れませんかねぇ、ターン出来ませんかねぇ」
「さぁ、登り下りの繰り返しの場所でシール付けたまま滑ったコト、あるけど、ターンはムリやろ」
「そうですかァ」、青年もシール外して、そしてそのままスキーを履こうとする。
「き、君、アイゼン外さんと、いくらなんでも」
「あぁそうでした、マヌケですねぇ、ハハハ」
しかし、彼のアイゼンが中々外せない。結局彼はアイゼンの爪を上にして、付けたまま下ると言う。
「それより、うまく滑れるかが心配で」
「確かに、その大きなザック、大変そうやね、雪山で寝れる道具、全部入っとうのン?」
「ハイ、テント、入ってます、ツェルト持ってないンで」
「何とかなるよ、とにかくこの下の斜面降りて、天狗原からもそのままフツーに下ると林道へ出るから、後は林道辿ってゲレンデへ出れる、ダイジョウブや」

付き合ってやりたいが、こっちもハラ具合が悪いのよぅ。さっきからもグルグル鳴っている。
そうしていると、3人組がやって来た。「こんにちわぁ~」

「ほな、お先に」
「あっ、色々アリガトウございました」

周りは風が掘った溝でデコボコ。うまく避けないと、突っ込んだらコケてしまう。そして、コケた。

最初は変な感じのモナカ。その後フツーの深雪になった。

043 先行者5人のシュプール避けて、北寄りの雪崩の跡ギリギリを滑る。

止まると相変わらずハラがグルグル、とにかく早く下りないと。
まぁ、イザとなったら大キジをうてばイイいのだが、この歳になって雪山でオシリを出したくない。

天狗原の滑りやすそうな斜面を選んで降りて、後はヒタスラ林道を降りて、14時過ぎカフェテリア栂の森のトイレに無事駆けこんだ。ふぅ~。あぁナサケナ。

044 トイレから出て、ビール1缶呑んで外へ出ると、白馬乗鞍がオモラシ寸前だった還暦ジジィを見ていた。
あのオットリした喋り方の青年は無事降りれたンだろうか。

翌2月1日も快晴。しかし、ゲレンデに出る元気なく、少し寝てから帰る事にした。

いつも寄るお酒屋サン側の橋からは後立山連峰がキレイに見えた。

045 遠見尾根~五竜

046 八方尾根、唐松岳はその向こう?

047 不帰~天狗~白馬鑓

048 白馬鑓~杓子~白馬の三山

049 小蓮華~白馬乗鞍

これだけで大満足、バツグンの景色だった。


順調に7時間半で栂池に着いて、天狗原からの帰り、正体不明の足跡に遭遇した午後

2013-02-02 15:47:58 | 山とスキーでブラブラ

先週、1月第4週は栂池の定宿が幼稚園児に占領され、信州・雪山通いは出来なかった。
占領された、と言っても東京・小平の幼稚園の恒例スキー合宿。彼らはワタクシが通い始めるズッと前からの常連サン、こっちは都会でオトナシクしているしかありません。

週末はかつての師匠筋、兄貴筋、御三方との飲み会、3年振りになるらしい。
3年前同様ガバガバ呑み、3年前以上に言いたい放題、最後は何を言っているのかも判らなくなって、記憶ないまま何とか帰って来たようで、日曜はほぼ一日寝たっきり。

Imgp4372 月曜、目が覚めると雪だった。

Imgp4374 信州に比べると全く大したことではないが、車での出勤は大変でしょうナ。

29日、火曜日信州・雪山通い再開。

名神・多賀SAは雪の山が残っていたが、中央道・駒ヶ岳SAはキレイに除雪されていて、定宿までスタッドレスが不要なほど雪はなく、いつも通り10時過ぎ栂池着。

幼稚園児が存分にスキーを楽しんだ後、金曜夜から土曜朝にかけて、除雪が追いつかない程のドカ雪だったそうだ。何年か前に営業をヤメた向かいの宿屋は、大勢で屋根の雪降ろしをやっていた。

016 岩岳スキー場のテッペン辺りまでは晴れている。

017 工事が停まったままの橋が目立つ。

018 振り返ると、上の方は曇っている。

019 積雪量は3mを越え、3週間前は出ていた藪は雪に埋もれた。

020 白馬鑓ヶ岳を見上げる。少し晴れて来た。

上から下まで5往復して、この日はオワリ。

30日朝、熱でもあるのか何かダルい。横になるとスゥーっと眠り込んでしまう様な感じ。
朝食の後、結局10時前まで眠り込んでしまった。
「時間遅いし、自然園辺りまでにします」、と主人に告げ宿を出る。「雪降ってきたよう」

022 雪の降る中、リフト支柱の上では点検作業中(?)、お疲れ様です。

しかし、栂の森ゲレンデまで来ると晴れて来た。

林道には女性グループ。ガイドからバックカントリーの講習を受けている様だ。
他にボーダーが二人準備中。ワタクシが準備していると更に二人登場。大賑わいです。

023 10時40分出発。

先行はかなりいるらしい。林道の上の方には6~7人の列。頼もしい人達。
しかし、足元よく見ると、昔ながらのワカン跡が続いている。あの人達ダレ(?)ワカンでどこ行くの(?)

024 11時20分、成城大小屋着。
直ぐにボーダー二人とスキーヤー一人が追いついて来た。上方を見上げて何やら談笑している。

025 ワカングループはどこへ行ったのか。自然園の方向をフト見ると、小屋の前に人だかり。小屋開けの準備(?)、お疲れ様です。

天狗原の登り辺りから風がスゴイ。先行のトレースは消えてしまった。

白樺の大木手前で、滑り降りて来るスキーヤー二人。先行はこのお二人だけらしい。

026 12時半、結局天狗原まで来てしまった。

027 風がスゴイ、シールが煽られ上手く畳めない。テキトーに丸めてザックへ押し込む。いずれにせよ長居は無用。

028 祠の横に建っているこれは何?

029 マッサラな斜面に滑りこむ。

030 ロープウェイの下を通り、前回同様、南俣の谷を下る事にする。

右手方向に開けた谷の斜面が見える。中々よさそう。
しかしそこは崖の下、降りれない。ロープウェイの駅の裏から廻り込まないと行けない様だ。

031 仕方なく、滑りやすそうな斜面を選んで谷底へ下っていくと、

032 この足跡は何?上の方から続いていて、

033 対面の丘まで続いている。
ワカンやスノーシューの跡ではない。ツボ足でふざけて駆けまわっている様な感じ。
前回睨まれた、あのカモシカちゃんのモノなのかも知れない。

034 更に谷筋の滑りやすい斜面を下る。

035 谷は前回より大分雪で埋まって、楽しく滑れる部分が増えていた。

ゲレンデへ戻る最後のチョットした登り、ディアミールを歩行モードにして登ろうとしたら、バランスを崩して、コケた。マヌケな話し。

13時半、ゲレンデへ出てこの日はオシマイ。