蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

白馬乗鞍日帰り登山

2018-03-31 09:35:31 | 山とスキーでブラブラ

3月最終週の栂池・定宿は毎年、某団体さんで満室、お一人様は泊まれない。
となると、地元感覚で、ここ安曇野から片道1時間かけて通うだけ。ある意味、ゼイタクな話し。

いや、他のスキー場へ行くテもある。
しかし、最近の気温上昇でゲレンデの麓はかなり融けている。鹿島槍の中綱湖側はもう滑れない様子。
八方か五竜、いや野沢温泉にでも足を延ばすか、とも思ったが、炊事、掃除、洗濯を済ますと、いつの間にか中途半端な時間になっていて、結局はシーズンパスを持っていて、お気軽にリフトに乗れる栂池になってしまう。
まぁ、どこのスキー場でも滑る雪は同じだし。 

 3/28、洗濯を済まして栂池・駐車場着11時前。

 栂の森ではヒットパークの造成が進んでいる。

 鹿島槍~五竜~唐松をノンビリと眺める。

ザクザク、クヂャグチャで、黄砂が降りかかってスムースに滑らない雪。しかし日常ベースで、ここに存在出来る事がアリガタイ。

 ミズバショウが咲き始めている。

 3/29は更にノンビリ安曇野を出て、駐車場着11時半。前日と変わらずのザクザク、グチャグチャの黄砂まみれを、上から下まで4往復してオシマイ。

 3/30、天狗原、出来れば白馬乗鞍へ登るつもりで、駐車場着9時過ぎ。

 ロープウェイの駅に着くと、定時ではないのに発車するらしく、係のオニイチャンがプラットホームから身を乗り出して「キップありますか?」と聞いてきた。「ない、これから買う」と応えるとそのまま出てしまった。
10時位までは定時発車ではなく、客が集まると臨時で出すらしい。次は定時の10時半。

今年は都合によりヘリスキーはやらないそうで、別にどうでもイイことだが、ナンデぇ?、と係のオニイチャンに訊いてみた。
東日本大震災の年は、ヘリが確保出来なかったと、誰にでも判る事情があったが、今年はナンデぇ?

しかし係のオニイチャンも良く知らない様子。
そして、「赤字だからかも・・・」とボソッと言った。
天候の都合で飛べない日もそこそこあるらしく、チャーター代をペイ出来ないから、となるとそんな気もする。
初めてヘリスキーの話を聞いたのは、40年程前、まだバブルの前。世の中には、シールを貼ってヒィヒィ言いながら登らなくてもイイ、金持ちがいるのかと驚いた。
その後ワタクシも(給与の?)イイ会社に就職し、20年ほど前には、会社の仲間と一度だけ乗ったことがある。しかしそのバブリーな雰囲気、ナンカ馴染めなかった。天狗原から滑りたかたら、2時間ヒィヒィ言いながら登ればイイのだ。ヘリスキーなんぞ、赤字ならやめればイイのだ。

 10:50、成城大小屋横を出発。ロープウエイ同便のハクジン女性は、ササッとシールを貼って、手を振りながら登って行った。ガイドに連れられたスノーシューグループは、ノンビリとたペース、自然園へ向かうらしい。

天狗原への斜面に差し掛かる箇所で、腰を下ろしてゆったり休憩しているアベックが一組、その先にオジサンペアが着実なペースで登っていく。ハクジン女性はどちらに行かれたのか。 

 12:20、天狗原着。風はフツーに強いが雰囲気は良いので、乗鞍へ向かうことにする。

 13:40、ケルン着。風はそこそこ強いがノンビリする。

 西の雪倉方向を眺める。

 北の海谷方向を眺める。

 2月にあった風紋の凸凹はスッカリ消えていて、整備された鐘の鳴る丘の様になっていたが、とにかくガリガリ、14時、おそるおそる滑降開始。

ガガガッ、ガガカッと下って行くと、頂上台地に上がって来た長身のスキーヤー、こちらに向かってしきりにサムアップしている。
「どなた?」と思っていると、ストックで雪面を突きながら「ハード、ハード」と言っている。
「イエス、ハード、ハード」と返事すると、「#$%&・・・?!」、ワタクシ何を言っているのか判らないので、とりあえず「ノリクラピーク、ケルン、オーバーゼア」と方向を指すと、「オー、サンキュウ!」、スタスタと登って行った。

その下の斜面もガガガッ、ガガカッと下って天狗原に戻り、その先はザクザク、グチャグチャ、まぁそこそこ快適。

 14:20、林道へ戻る。 

 林道は全てカットし、14:30、、ゴンドラ駅の裏へ出る。

帰りは近所のスーパーで買い出しをし帰宅、地元感覚の日帰り登山、無事終了。

 


今年も松川村美術展へ

2018-03-25 16:02:37 | 山とスキーでブラブラ

我が住まいの500m以内には、美術館が2軒ある。入った事はないので、何を展示しているのか知らない。
また、スケッチロードとかアートラインとかの道もあって、この辺りは美術、芸術がウリのエリアらしい。車で5分も走れば「ちひろ美術館」があるし。

ワタクシには日本画家の祖父がいたらしい。オフクロは私生児で、その父親がさすらいの絵師だったようで、オフクロが物心つく頃まで住んでいた広島・倉橋島室尾のお寺に、その作品があった。
金ピカの襖に鳥(鳳凰?)が描かれていたが、どこのだれかはお寺の現住職も知らなかった。
その絵師は“雲峰”と名乗っていたらい。確かに襖には“雲峰”のサインがあった。
また、父方の祖父は京都・東山五条で看板屋を営んでいた。看板屋もある意味、絵師。
ワタクシが生まれる前に亡くなっていたので、そのジイチャンを見たことはないし、作品も知らない。銭湯に描いた富士山の絵でも残っておればとも思うが、その銭湯すらもう無くなっているのだろう。

つまりワタクシの二人のジイサンは絵描であった。
にもかかわらず、ワタクシは絵がヘタでニガテ。絵を描いてみようなどと言う気は微塵もない。美術、芸術がウリのエリアに移住したのに。

しかし、絵を見るのはキライではない。それは観賞ではなく、ただボォ~っと見るだけ。そもそも絵画の見識はないから批評は出来ない。
大体、超有名な画家の作品など、何がいいのか、どう違うのかがサッパリ判らない。
むしろ絵が得意だった、同級生のカワタ君あたりの、名もなき画家の作品を見るのがイイ。「オッ、オマエの絵ぇ、なかなかエエやないか」と“批評”しながら。

ところで、「カワタ君あたりの」と、言ってしまうとマコトに失礼になる画家、彫刻家、写真家が、安曇野には沢山いらっしゃって、毎年3月に松川村でその美術展が行われていて、24日に行ってみた。

 会場は村役場の隣の「すずの音ホール」

 今年が5周年とか。

 出展作家サンは50人以上。

 シンプルな雰囲気が中々イイ。 

 白馬乗鞍、天狗原、栂池自然園で度々遭遇する、写真家Sさんの作品も出展されている。

 ホールの隣は公園、小学生が二人、駆けまわっている。遠くに爺が岳、鹿島槍、五竜が見える。週末の午後の穏やかな光景。


悪天3日間の後、定宿で貰ったボタモチを仏壇に供える

2018-03-24 15:35:23 | 山とスキーでブラブラ

 3/20、前週とは真逆の悪天。鐘の鳴る丘から上は見えない。

 栂の森も霧の中。

定宿に戻ると、2月に引き続き、京都のОさんがお泊りで、暫し歓談。

 3/21、チラチラと雪。

 栂の森もシンシンと雪。

 上のリフトを降りると、樹氷の森が広がっていて、春分の日は真冬の景色。

栂の森から中間駅まで6往復すると、雪面は徐々にガリガリ、ガチガチとなり、もうオシマイにする。

定宿に戻るとОさんはお帰りになっていて、この夜から宿は何度目かの貸し切り。

 3/22、予報通り3日目も悪天。

 栂の森は10センチ程の重い新雪。

 下の方の林道は、ナゼか閉鎖されていた。いずれにせよここから下の斜面はユルく、林道に迂回する意味はないけど。

この日の重い雪はとにかく滑らない。特にユルい箇所はボーダーで渋滞している。

そしてゲレンデの外へ出て、急斜面はなんとか下れても、緩斜面に突っ込むと全く動けず、モゴモゴしているおバカがウヨウヨいる。ボードを抱え、ツボ足でラッセルしているおバカもいた。スキー場の中なのに。

この日も栂の森のリフトの下に、そんなおバカがいた。雪に埋もれたボードを掘り出そうとしている。
そのおバカに、リフトからどなたかが声をかけていた。おバカは「〇✕△・・・スピーク、ジャパニーズ」と、日本語で答えている。
するとリフト上の某氏、「ロープをくぐるナ!ヘタクソっ!」、何?このやり取り。

リフトを降りて振り返ると、その某氏、雪崩対策の活動(?)などをやっている、“ACT”のザックを担いでいた。注意してもゲレンデ外に出続けるおバカに対して、頭にくるのはよく判るが、なんかヘンな感じ。まぁエエけど。

 久しぶりに近くにいたカモシカちゃん。それを見ていた少年少女、「カワイイっ、何ぃあれ、イノシシぃ?」、あいつはカモシカでウシの仲間、しかしイノシシはブタ、そう教えて差し上げようとも思ったが、「ナニ言うとンこのオッサン」と思われそうな雰囲気で、ヤメた。

 14時を過ぎると、晴れ間も出てきたが、宿に戻ることにした。

鐘の鳴る丘まで下ると、リフトの下にはユルい斜面に刻まれたモーグルバーンらしきグニョグニョ。そこを“#%&ガールズ”のゼッケンをつけたガールズが、キャッキャッ言いながら滑っている。

で、このオヤジも10回近く滑って、気が付くともう16時前、急いで宿へ戻ると、大オカミに遭遇。
「4時前になったのでチョット心配しましたヨ」、「そこで遊んでました、もう戻った気になって、スンマセン」、しかしユルい斜面のグニョグニョは、中々面白かった。

3/23、朝食にはボタモチが出た。そして宿を出る時、大オカミから「お彼岸でしょ、供えて下さい」と、それを貰った。

 安曇野の小屋の前には、屋根雪が落ちて堤が出来ていた。車で乗り越えれる高さだったが、扉が開かない。

 しかし除雪には10分も掛からなかった。

 そして、貰ったボタモチを仏壇にお供え。

思えば、ボタモチは祖母が作るものだった。オフクロも昔は作っていた。
それがいつの間にか和菓子屋で買うものになり、今はスーパーのパック入り。
しかしやはり家庭の手作りがイイ。しかも定宿の“作品”は、モチ米も自家製とか、アリガタイ。


白馬乗鞍、今回はフラフラで登れず

2018-03-17 01:29:35 | 山とスキーでブラブラ

3/13、大きな高気圧が極東の島国を覆っているそうで、数日は好天が続くとの予報。気温もかなり上がるらしく、前週のガリガリが少しでも緩んでくれればアリガタイ。

 11:30、学校のスキー教室はほぼ終わりなのか、鐘の鳴る丘は少し寂しくなっている。

 馬の背の入口にあった注意書き看板は、なくなっていた。

 年々コブが小さくなっているような気がする。 

 コブが小さくなって、楽に滑れるようになるのはアリガタイ。 

 この日も14時キッチリで馬の背は閉鎖、ハンノ木コースを下る。

 数年前までケンタッキーフライドチキンのジイサンを載せていたゴンドラはなくなり、今シーズンは「BONX」とペイントされた黒いゴンドラが動いている。

 3/14、前週登らなかった白馬乗鞍のテッペンを目指す。

 ロープウェイは10時の便。

自然園の駅での、遭対協の係員の話では、3/3から行方不明者が一人いるとか。

 10:20出発。ボーダー、スキーヤーがスタスタサッサと先行する。アベック1組もいたが、少し上がった所から滑り降りてしまった。

予報通り暑く、そして何故かダルく、シンドく、重い。 

 12:10天狗原着。

 何人もが乗鞍の斜面に取り付いているが、ワタクシはもうギブアップ。風は時折り出るが、しばらくへたり込んでボォ~っとする。

 天狗原からの下りは、前週同様快適で、林道は全てカット。

 13時前、ゴンドラ駅の裏へ出る。

14時前、定宿に戻ると、大ダンナと出くわし、「どうしたのぉ、早いお帰りで」、「何故かフラフラで天狗原でギブアップしました、明日また挑戦」、しかし明日のワタクシ、行けるかどうか。

 3/15、やはり行けなかった。ダルい、シンドい、ナサケナい。

リフトを乗り継いで上がっていくと、眼下に人だかり、パトロールも数人いる。そしてナント、心臓マッサージをしている様な動作が見える。あれは何?誰か死にかけているのか。

 よくナダレる鵯峰の斜面も、温かく晴れれば穏やかな雰囲気。

あのナダレ斜面の真下の林道で、ドローンを飛ばしているおバカグループがいて、松川村のSさんは注意しようとして、会話を聞くと日本語ではなかったそうで、結局止めたとか。確かにワケの判らん中国人も多い。

 閉鎖されていた馬の背が開いて、鹿島槍、五竜、唐松を眺める。

 ナンセ暑い。前日はTシャツ1枚のハクジンパツキンギャルを見かけたが、この日のジャパンギャルは、Tシャツも脱いで騒いでいた。

 馬の背から、ブナ林を透かしてハンノ木コースを見下ろす。

 ハンノ木コースの途中から眺める、午後の鹿島槍、五竜、唐松。

最後に鐘の鳴る丘のモーグルバーン(?)を滑って、晴天の3日間はオシマイ。


無数の縦縞の溝が発生した乗鞍の斜面は、ガリガリで登らず

2018-03-11 16:36:28 | 山とスキーでブラブラ

3/6、道には雪はなく、前日の雨が夜から朝にかけて凍り付いたのか、大町周りの山々は麓まで白くウッスラと覆われていた。

小谷に入ると路面にも雪が出てきたが、それは日陰だけで、今まで通りの雪のない定宿の駐車場に着く。 

 11時半、鐘の鳴る丘に出る。

 雨で融け落ちたのか、中腹の木々は黒々としている。

 いつも止まっているリフトの、積み重なった雪も、スッカリ融け落ちていた。この風景の方が異様に感じる。

 栂の森では降雪の中、ロープウェイが動き出していた。

 栂の森上部の樹氷が寒そう。ホントに寒い日だった。

 3/7、「取りあえず、天狗原まで」と、大ダンナに告げ定宿を出る。

 前日のガスが木々に凍り付き、黒々としていた景色が白くなっている。

 樹氷の中をリフトが行く。

 前年まではロープウェイが動き出しても、頑なに林道を歩いていたが、もうヤメ。今年からは文明の登行手段を使うことにする。次の便は10時半、待ち時間は20分弱。

同様に待っているのはアベックのボーダー、上手そうなスキーヤーのオヤジだったが、発車時刻間近になってゾロゾロ集まって来た。ハクジンは一組、県警のオマワリさん一人、ざっと10数人。全員乗り込むとそこそこ混んだ感じになった。

 10:45出発。

先行は二人組、斜面上部に10人近いグループ。
台地手前でそのグループが降りてきた。無線で何かやり取りしながら、自然園方向へ下って行った。
ロープウェイ同便のスキーとボードのアベックがベチャベチャ、イチャイチャ喋りながら付いて来る。 

 12:10天狗原着。風は弱く、何となく穏やかな雰囲気なので、先に進む。

しかし、乗鞍の斜面には縦縞の溝が無数に出来ている。これは降った雨が流れた跡。

近づくにつれ、雪面はガチガチになってきて、スキーアイゼンを付けるが、中々硬い。時々ガリガリっと滑る。
トレースを見ると12本爪アイゼンの跡もあり、これはピッケル、アイゼンの世界(?)。上方を見ると、頂上台地に上がる箇所にいる二人組、中々動かない。かなりヤバそう。
このまま登っても、下りはロクに滑れない。いずれにせよ面白くない。斜面半ばまで来たが、ヤメることにした。

 しかしそこそこの傾斜、シールを外して板を履きなおすには、それなりの足場を作らないといけないが、何しろガチガチ。中々“バケツ”が掘れない。

ガリガリ音を立てながらテレマーカーが降りてきた。
ワタクシよりもかなり年長らしき髭面の山男、グリップにピックが付いたストックで“武装”していて、縞がもう少し大きければ何とか滑れるのに、とか文句を言いながら、下って行った。

ワタクシ、何とか足場を作ってシールを外し、それを納めてザックを担ぐ。
この状態で何かのはずみで板を流してしまったら、多分何にも引っ掛からず、ガチガチの斜面を天狗原の平坦部まで行ってしまう。高度差100m程を踵を蹴り込んで下るしかない。まぁ
スリップしても、激突する岩や大木はないが、やはりガチガチを歩くのはツライ。とにかく慎重にTLTの前を嵌め、後ろを踏み込む。

 斜滑降、横滑り、久しぶりのキックターンでシリモチをつき、13:15、祠まで戻り、暫しボォ~っとする。 

 13:30、天狗原の端へ移動し、やっとスキーを始める。

この先も縦縞の溝はあったがガチガチではなく、そこそこ快適。林道もほとんどカットし、10分程でゴンドラ駅の裏へ出た。

夕食時、この日の“顛末”を若オカミに報告すると、「イイじゃないですかぁ、いつでもまた行けるトコに引っ越ししたンだからぁ」、ハイその通りです、もうこれからはヤバくなったら、即ヤメることにします。

 3/8、鐘の鳴る丘は細かい雨。

 上へ行くにつれ、大粒の雪が混じってきた。

 栂の森は完全な降雪。

 吹雪いているが、ガチガチだった斜面が新雪に覆われ、そこそこ快適。

上から下まで6往復して、オシマイ。