5/27、前々日、丸ごと火を点けた松株の塊は、深夜になってもクスぶっていたが、結局燃え尽きなかった。節の塊は割れず燃えず、仕方ない。
裏返すと亀裂が数か所、それに沿って割れるかもしれない。
斧を取りに戻ろうとすると、ギョエ~、ヘビがいた。
玄関の数m横の壁沿い。前からいたのか、さっきは気付かなかった。それとも北側から、壁沿いにやって来たのか。
しかし動かない。「オイ!」と呼んでも動かない。ドン!、側でシコを踏んでも動かない。コイツ、死んどンか。それなら近くの空き地に埋めないといけない。
火ばさみで掴もうとすると、ノソ~っと動き出した。寝てて目が醒めたの?、いずれにせよ、我が敷地から出て行ってもらわないと困る。
首根っこを掴んで、空き地方向へ運ぼうとすると、カラダを捻じり出した。私道に出ると、更に激しく捻じり出し、一旦放す。
すると、ニョロニョロ逃げ出そうとする。そのまま放っておいてもイイのだが、我が敷地の方に逃げられては困る。再度、火バサミで掴み、空地へ放り投げる。ヤツは完全に目が醒めたのか、元気よくウネウネと動き、草陰に隠れた。
「もうウチへ来るなよ、ボケっ!」、ヤツに向かって言うだけは、言った。
中三の時、神戸・布引谷でシマヘビを虐殺してから、ヘビはしばしばワタクシの前に現れ、そのたびにギョエ~、崖から落ちそうになったこともある。
布引谷・山の家にはヘビが住んでいたし、ソイツが屋根裏でネズミを喰おうとしているらしき音も聞いた。梅雨のジメ~っとした夜だった。
信州は神戸より寒いし、雪は積もるし、もう付きまとわれることはない、と思っていたが、完全引っ越しが終わって直ぐ、近くの車道で遭遇。死んでいた。
その年の夏、玄関先の雑草ボウボウの茂みで2度目の遭遇。茂みはMさん宅の境界にある。
杣人・Mさんは、ワタクシ以上にヘビが苦手。しかし毎年、何度か遭遇しておられる。「おっかねェ」、そう言いながらその時の状況を聞かされる。
その後雑草はキレイに刈り取って、2年目は目の前に現れることはなかったが、3年目は早々に出没。まだまだコイツらに付きまとわれるのか。
まぁ仕方ない。庭ではカエルが跳びまわっているし、近くのタンボでは合唱しまくっているし、Мさんは毎年、何度も遭遇しているし。
取りあえず、今回の“事件”、Мさんには報告しておこう。
松株はキレイに縦割り出来た。
そして最後はこの最大のクヌギ。高さは1.5m程ある。蹴っても押してもビクともしない。今まで通り、少しずつ叩き潰すしかない。
まず派生している枝根を叩き切っていく。
枝根とは言え、数撃では切断できない太いのもある。
片面をほぼ切断すると、全体が少しグラ付くようになった。
反対側から押すと倒れそうな感じ。
押し倒した。
今まで見えなかった、切り株のウラが露出した。大小、無数の根が群生している。外しやすいモノから切断していく。
そして燃す。
下に埋もれていた、松の根の一部を引き出す。そこそこの大きさだった。
解体せず、そのまま火の中に放り込んで見た。何とか火は本体に点いた。
松の根は夜通しチョロチョロ燃え続け、5/28朝もクスぶっていた。
切り屑を集め放り込むと、それらはフツーに燃えだした。
引き続き枝根を叩き切り、燃やしていく。切株の裏は、土砂がこびり付いていて、根を叩き切る度にドサドサ、落下する。それをシャベルですくい、隣の窪地に投げ入れる。
根と土砂が大体除去出来て、軽くなり、庭に転がして出す。切株が積み上げられていたスペースは、やっと“太古”の姿に戻った。
「オッ、遂にやりましたねェ、ここまで来ればもうコッチのモンだ」、軽トラで仕事から帰って来たMさんが、やって来た。
「しかしこれ、すごいカタマリですワ、先が思いやられますヨ、ところで遂に出ました」、とデジカメ画面を、Mさんの眼の前に差し出した。
ワタクシ以上にヘビがニガテなMさんは「ウオォ、いきなり見せないでヨ、シマヘビの子だねぇ~、しかしよく撮るねぇ、こんなの」、火バサミで掴んで空き地に放り出した、と対処を報告。
「これ、掴んだのォ?」、「子供ですモン、最初はミミズのデカイのか、と思ったほどですワ」、「いずれ大きくなって戻って来るヨ、あぁおっかねぇ」、そう言ってMさんは家に戻った。
さてこの24個目、最後の切り株、とにかくデカい節の塊、クヌギは松より硬く腐りもせず、解体は大変だ。
斧を振り下ろしても手応えなく、弾き返される感じで、ストレス増すばかり、先が思いやられる。しかしとにかく打撃しかない。
まぁボチボチやりますか。