この山小屋の玄関扉、車庫扉と車庫の間仕切り引き戸は、信州・小川村の建具屋さんの作品。
ワタクシの構想に沿って、その建具屋さんを引っ張ってきたのは設計事務所だったが、工務店は大手サッシュメーカーの汎用品を使いたかったらしい。
しかし、アルミに木目をプリントした工業製品は、この山小屋にはそぐわないし、快適、安全、安心を最優先するマジョリティが採用し、都会には溢れている、ハリボテ、ニセモノ、マガイモノを付ける趣味は、ワタクシにはない。
そして地元の木工品が納まったが、何しろ木材、特に暴露部は晴雨、寒暖による反り返り、伸縮はアタリマエ。
7月初めの雨続きで、玄関扉が遂にフヤけ、最後までスゥ~っと閉まらなくなった。枠との滑りが良くなるように、スキーワックスを塗ったりもしたが、結局は陽があたって、乾燥して縮むまで3日掛かった。
その後、今年の夏は断続的に雨続き、10月も長いアキサメ前線と台風、ズッと扉は閉める最後が引っ掛かっていた。
同じ暴露部の車庫扉は、幅2.5mの両開きなので、戸枠にあたることはないが、雨続きは扉が反って、カンヌキが抜きにくくなる。まぁユルイよりキツイ方が安心ではあるが。
そして雨がやっと止んで、安曇野の平地に陽が射してきても、燕の稜線には雲、ガスが掛っている日が多く、周りの景色は以前営業で走り廻っていた、中・四国地方の片田舎と変わらない。ワタクシはホントに信州に移住してきたのか。
そらぁ、話しちゃうやんケ、と巻き舌で悪態つき続けていた先日、ふと見上げると、ナント雪を被っている燕岳の稜線が見えるではないか。
そう言えば、FM長野では浅間山、八ヶ岳、駒ケ岳などが、雪を被っていたとのリスナー報告が流れていた。
27日、久しぶりに栂池まで行ってみることにした。丁度お米も切れかかっている。ついでに定宿で買って帰りますか。
森から出ると、雪をまとった爺ケ岳から白馬三山が見えた。
姫川源流の黄葉の先に姿を出す白馬岳~小蓮華。
鐘の鳴る丘の先にも白馬岳~小蓮華。
金曜日の昼過ぎ、誰も乗っていないゴンドラが周回している。
馬の背コース上部はもう落葉して、黄葉の上にグレィの頂。
杓子岳が寒々として厳しそう、なかなかイイ感じ。
その後定宿へ寄ると、誰もおらず物音もしない。玄関は空いていたので、大旦那だけがいて、奥で作業しているような雰囲気だったが、3度呼んでも出てこなかったので、帰ることにした。
松川畔の酒屋へ寄ると、雪中埋蔵の生原酒が並んでいて、当然お買い上げ。
お米は買えなかったが、お酒は買って帰る。
雪山通いまで、後2ヶ月となった。