蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

昼は短く、夜は長く、ダラダラと5月も終わる

2016-05-30 14:47:28 | 朽ちゆく草の想い

今年も信州・雪山通いは3月で終わり、またもや一日に2回酔っ払って2回気絶し、2回甦る日々に戻ってしまった。

相変わらずウキウキ、ワクワクしない日々、夜8時には1回目の気絶、その後深夜に甦り、2回目の気絶は夜明けとなり、蘇るのは朝10時前、いつの間にか夜が長くなっていき、短かくなった昼はダラダラと過ぎていく。

そんな生活だから食事は一日2回となった。しかし一応、毎回キチンと調理しているので、非健康的、破滅的ではないと思う。消滅的かも知れないけど。

 4月7日も10時前に甦り、しばらくボォ~ッとした後、ブランチを作って喰い、パッチリ眼が覚めた午後、公園の桜に雨が降る。

 かなり激しく散っている。花見で賑わう満開よりこの雰囲気の方がオモロイ。

インターホンと電話は全て居留守でスルー、他者との会話は、パン屋と酒屋のオバちゃんと、スーパーのレジとの週3回だけ。
大体、インターホンと電話は何の勧誘なんだろう。チラシは入れて帰らないし、留守電の録音もない。そもそもこんなワケの判らない他者に対して、律儀に対応するから、ヘンな詐欺にあってしまう様な気がするのだが。

3ヶ月に1回、垂水駅前の事務所で顔を合わせるオジサンがいて、先日そんなワタクシの日常を話していたら、「しかしそんなン、誰かと話しせんかったら、ストレス溜まるやろゥ」と、言われた。
「イヤ、他者と接触することで出来るストレスも多いハズで、どっちを取るかの問題やと思うけど」と応えたら、その会話を聞いていていたオジイサン、 「ナルホド、そんな生き方もあるンかぁ、しかし、ご主人、変わっとンなぁ」と言ってきた。

オジイサンはかなり前から事務所で、オジサンと世間話しをしていたらしい。上体を杖で支える様な姿勢でソファに座っていた。
テーブルを挟んでもう一人オジイサンが座っていて、「ほなワシ、そろそろ行くわァ」と言って、ヨロヨロと杖を突きながら事務所を出ていった。

このオジイサン達も、ウキウキ、ワクワクするコトなく、ダラダラと過ごしているのだろうか。ワタクシと違って他者とは充分接触している様だが。

昼が短くなって、ダラ~っとしていたら、直ぐに飲酒タイムになってしまう。このままでは完璧ひきこもりとなり、徐々に退化、消滅してしまうかも知れない。
取りあえず4月から、陽が暮れるまでに外へ出て徘徊することにした。近くの公園まで行って一周して戻る、約3.3kmの散歩コース。

この公園は、明石海峡大橋の垂水JCTが出来た時、雑木林を切り開いて作られた、と記憶している。サッカーグラウンド、テニスコートなどの外周に1.7km弱のランニングコースがある。
ロードバイクを始めた頃、夜も乗りたくなった時には、しばしばこのランニングコースを走っていた。チョコッと乗りたい時は昼間も走っていたが、ジョギング、散歩の人達が多くヤメた。そんな人達のそばをロードバイクで疾走するのは、さすがに気が引ける。

そして4月から、ワタクシも散歩することにした。

しかし、ここでもジョギングや散歩しているオジイサン達が多い。世間はオジイサン達で溢れている。オバアサンもいるけど。
ただそのオジイサン達は、ちゃんとしたスポーツウェアに身を包み、サッサと速く歩いている。杖を突いて、垂水駅前の事務所からヨロヨロと出て行ったオジイサンとはエライ違いだ。
そしてワタクシよりも速く、彼らのペースで歩くと、そこそこフゥフゥ、ハァハァしてしまう。
そのペースなら、そこそこいい運動にはなる気がするが、そんなアスリートジイサン達と競う様な気がしてヤメた。

先週、1階の郵便受けを覗くと、無造作に放り込まれたチラシに混じって、高校の同窓会誌が入っていた。
母校や卒業生の近況には全く興味なく、いつもはぺラっとめくって捨てるだけだが、今回の号には昨年12月に亡くなられた、野坂昭如さんの追悼記事が載っていた。

 旧神戸第一中学校の卒業生だが、先輩になるそうだ。

戦前、神戸高校は県立第一中学で“イッチュウ”、それに対し葺合高校は市立第一中学で“ベーチュウ”と呼ばれていたそうで、そんな関係を卑下するよな主人公の心境を、野坂先輩の小説で読んだコトがある。

アベジミン一強による特定秘密保護法や集団的自衛権容認の強行等が、戦前の状況に似ていると、亡くなられる少し前までエッセーに書いておられたが、その戦争に向かう暗い時代を野坂先輩は“ベーチュウ”に通っておられ、神戸大空襲で両親が亡くなり、その後、妹が餓死した訳で、エッセーにも神戸についての記述が多いのに驚いた。 

 5月30日の午後、公園の風景は新緑、いやもう深緑か。

ダラダラと5月が終わり、次は梅雨、ますますダラダラ過ごしてしまう予感。