蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

栂池冬景色’14年その12、チョット長いお別れ

2014-04-16 20:04:10 | 山とスキーでブラブラ

12日、いよいよ今年の栂池通いが終わる。

神戸へ戻ればまた、お独り様の自炊生活が始まるので、定宿でお米を買って帰ります。

定宿は農家、ここで頂く食事は、全て自家製のお米と野菜を調理されているそうだ。
そしてそれはとても上手いのだ。
しかし暫しオアズケ、チョット長いお別れ。「来年もまた必ず来ます、生きとったらですけど」

毎回立ち寄る酒屋で地酒を買った後、松川橋からバツグンの山脈を未練がましく眺める。

Imgp0880 天狗~白馬三山~小蓮華~白馬乗鞍。

Imgp0881 鹿島槍~五竜~唐松~不帰~天狗。

Imgp0883 安曇野ちひろ美術館にもチョコッと寄ってみた。背後に見えるのは何年か前にギブアップした蓮華岳。

その後、穂高神社にお礼参りして、’14年の栂池通いは遂にオシマイ。

16日には立山アルペンルートが開通するとか。いよいよ春シーズンが始まる。

昨年は春になって急に失速して、ひきこもり状態になってしまった。

さて今年はどうなりますか。今はまだヤル気充分なのだが。

ヤル気は、儚い、そしてダルいシンドいのは、はてしない。


栂池冬景色’14年その12、今年6回目の白馬乗鞍で冬は終わり 

2014-04-16 16:59:37 | 山とスキーでブラブラ

11日朝、何故かダルい、シンドい。前日冷たい雪、雨に打たれ、ビショビショ、ボトボトになって風邪でもひいたのか。

前週は乗鞍の南面~自然園、船越ノ頭~自然園へ滑り降りることが出来たし、まぁもう無理をせず、登れる所まで登ることにして、取りあえず宿を出る。

Imgp0845 9時過ぎ、ロープウェイには乗らず、栂の森からノンビリ歩くことにする。

雪面は凍ってカチカチ、冷たい風が吹いている。南ア・戸台川に吹いていた2月の風を、フッと思い出した。

Imgp0846 凍った谷に陽が射して来た。木々、枝にまとわりついた雪が全て融け落ち、見通しが良くなっている。

Imgp0847 10時前、成城大小屋着。上方ではしきりに雪煙が上がっている。

ロープウェイの駅から次々、バックカントリーのスキーヤー、ボーダーが出てきて、列をなして登って行く。

天狗原への登りが始まる所には、テントが一張り、打ち捨てられている。前週はキッチリ張られていたが、この週はひっくり返って萎んで、正に打ち捨てられた感じだ。3月下旬の連休には持ち主が中にいたらしい。

その側で数グループが休憩中。

その中のお一人、見覚えのあるアウターとザック、前週「また来年お会いしましょう」と言いあったSサンだった。
「アレッ?もう今年は会えないかと ・ ・ ・ 」
「イヤ、今週水曜からなら泊れるって、宿から言われて、来ました」
「今日はホテルYのお客さん連れて蓮華温泉へ行くンですよ」
「あぁ、先週そう言われてましたねぇ、そうそう、先週あのあと、ボク、自然園から稜線まで行ったンですよ」
「エエ、あの日、前にいたのボクです」
前週、自然園には前に3人組、単独者、乗鞍の斜面に沿ってトラバースして行く4人組がいて、単独者はSサンだった訳だ。一人登って行くノがいたのでカメラの望遠で見て、ワタクシだと確認されたらしい。

「あの人、ホテルYのご主人です」と紹介された。
腰の低いフレンドリィな山屋サンだった。「H山荘さんにはお世話になってます」
ワタクシがH山荘にほぼ毎週泊っていることはSサンから伝わっていて、ホテルYと我が定宿:H山荘は懇意にしていると以前、大女将から聞いていた。

「今日はどちらまで?」
「上で雪煙上がってルし、天狗原あたりでヤメとこ、と思てます、去年、風の強い日、Sさんはヤメはったンですが、ボク、そのまま登って、暴風で吹き飛ばされて、エライ目におうて、ハハハ」

その後、Sサンを先頭に、ホテルYのお客さんが数人続き、一番後ろをホテルYのご主人と喋りながら登る。

話題は林道立入禁止から、その遠因となった数週間前の雪崩死亡事故の話になった。

その事故は、ワタクシが雲上の乗鞍に登り、雨の中、神戸へ帰ったその翌日、21日に起きた。その日、小谷では大雪警報が出ていて、栂池は吹雪いていたとか。

亡くなった千葉岳連の前会長さんは、吹雪の中、林道で雪崩にあったと思っていたが、ホテルYのご主人の話では、最上のリフトから林道へ降ず、そのまま隣のリフトの上を通り、ヒヨドリの斜面上部を歩いていて雪崩を誘発し、それに巻き込まれ、立木に激突して亡くなったそうだ。
そしてそのせいで(?)、ヘリスキーも自粛され、ナダレた斜面にまたキレツが見つかり林道は立入禁止。

ただ、いつまでも立入禁止にしておけないので、迂回ルートを作るとか。
しかし、林道に近い傾斜と広さの迂回路など、あの辺りに作れるのだろうか。どこに作るンだろう。
一つの遭難事故は、色んな形となって影響する、よぉくキモに銘じておかないといけない。

ホテルYのお客さんのペースで、ゆっくり喋りながら登っていたが、そのトレースがテカテカになってシールが効かず、スルッと滑って、度々膝をついてしまう。

登りきったダケカンパの大木の所で皆さん休憩されるとか。「それじゃ、また」、ワタクシ、先に行く。

Imgp0848 11時20分、天狗原着。先着の年配2人組も祠に2拍手していた。

風は北から吹いている。乗鞍への斜面には数人取り付いている。さてこれからどうしますか。下るにはまだ大分早い。

チョット登ってみますか。風が強かったら吹き飛ばされる前にヤメたらイイし。

カチカチの凍結斜面が時々出てくるので、スキーアイゼンを付けた。そして無意識に出した一歩、爪が喰い込まず見事にズズっとスリップ、数m落ちてしまった。あぁナサケナ。もうヤメるか、相変わらずダルいしシンドいし。

しかしまた左右の脚を出していた。
グッと踏み込んで、ガシッと爪を効かせて、斜めカニ登りで高さを稼ぐ。
直ぐそばを板を背負ったツボ足の猛者が、スゴイ速さで登って行く。

Imgp0849 12時半、頂上ケルン着。今年6回目になった。雪面は凍結していて、風もキツ過ぎて板を立てて記念写真が撮れない。

先着者が一人、先程のツボ足の猛者らしい。「スゴイ風ですねぇ」、ケルンの陰でシールを畳もうとした様だが諦めて、またシールを付けたまま風除けになるような場所を探しに行った。

ワタクシも大きめの岩を探し、その陰でシールを畳みザックに収める。ガチガチの雪面に膝をついていたらフクラハギが攣りだした。
一刻も早く逃げ出したい程の風、ゼリー飲料を飲んで、板と靴をスキーモードにして滑り始める。
 

Imgp0850 陽光あふれた穏やかな緩斜面。しかしこの後ブォ~っと地吹雪になって、一瞬ホワイトアウト状態になった。

Imgp0852 その後は適度に締まった斜面を快適に下る。

Imgp0861 13時、天狗原に戻って来た。

Imgp0855 天狗原からも快適に滑る。

Imgp0858 13時20分、林道着。

Imgp0859 林道から谷に滑りこむ。適度に締まっているので、どこでも快適でサイコーだ。

13時40分、栂の森のカフェテリアに着いて、ビールを飲みながら30分程ボォ~っとする。

Imgp0874 外に出ると、相変わらず乗鞍の稜線では大きな雪煙が上がっていた。

その後、ハンノ木コースを下り、誰もいない鐘の鳴る丘ゲレンデに、最後のシュプールを刻む。

Imgp0876 鐘の鳴る丘ゲレンデから上方を眺める。そして冬は終わった。


栂池冬景色’14年その12、暑い春の日、冷たい春の日

2014-04-15 15:16:09 | 山とスキーでブラブラ

高速代と言うのは、その建設費をペイした後はタダになる、と昔は言われていて、それは当然、と中学生のワタクシでさえそう理解した。いくらかのメンテナンス費は払わンといかンでしょうが。

しかし、いつまでたってもタダにはならず、オトナになると、まぁ世の中そんなモン、それが当然と諦めていた。

それが政権交代でミンシュ党は高速代をタダにすると言いだした。ETCの運営も利権集団(?)がやっており廃止、と鼻息荒く言っていたが、そもそもタダになるモンだったハズ、サッサとやってチョーダイ、と期待していたのに、いつのまにか政権はより悪い方に戻り、4月になって消費増税のついでにETCの割引も悪くなった。あぁアホクサ。

神戸西ICから安曇野ICまでは、前回までは深夜割引で4,550円。それが9日は6,520円。ナント4割アップ。
深夜の高速は大型トラックばかり。
今後運送屋サンの高速コストは4割アップ(?)、エライことになるンでしょうな。

Imgp0806 いつも通り栂池着10時。取りあえずゴンドラで上へ。

毎回、初日はゲレンデにいたが、この日はロープウェィを使って、せめて天狗原まで登ることにした。

Imgp0807 11時半の便まで、栂大門で20分程待つ。

しばらくして、スノーシューと大きなカメラを携えた老紳士が一人、鮮やかなブルーのペアルックを纏ったハクジン(若夫婦?)が一組、やって来た。

狭いロープウェイの中で、係員とハクジンの会話が聞こえてくる。
オランダ人だそうで、ピッケル2本をザックに付けている夫は2週間前、妻は3週間前にニホンに来たらしい。
何でヨーロッパからワザワザ極東まで山スキーに来るンやろ、まぁどうでもエエけど。

老写真家サンは外の景色を眺めている。外は誰も文句言わない、スゴク良い天気。

自然園に着くと、駅舎を出る前に小谷村の遭対協のオジサンから“お話し”があった。
内容は主に、雷鳥が目覚める時期なので、巣作っている針葉樹の根元へは行くな、と言う注意。そう言えば以前見せてもらった、Sサンが撮った雷鳥の群れは、シラビソの群生にいた。

そしてヒヨドリの斜面に大きな亀裂が入っているので、林道は立入禁止、帰りはロープウェイに乗って下さい、との事。
「そやけど、ボクはテキトーに滑って降りますよぅ」
「エエ、まぁそれは ・ ・ ・ 」
「ところで、行方不明の人、見つかったンですか?昨日、山ノ神尾根で遭難したとか聞きましたけど」、駒ヶ岳SAのTVでそんなニュースが流れていた。
「今朝、2人とも無事救出されました」
40代のオッチャンと70代のジイサンが山スキーをしていてはぐれ、オッチャンとは連絡とれなかったが自力下山、ジイサンは携帯で救助要請、しかし前日は遅いのでビバーグしてもらって、朝ヘリで救出したとか。いたのは山ノ神尾根ではなく乗鞍だったらしい。
天気は悪くなかったそうで、ナゼはぐれたのか、「さぁ、我々もよく判りません」との事。

Imgp0809 成城大小屋までトコトコ歩いて行ってからシールを貼る。

暑い、とても暑い。アウターと手袋をザックに納め、11時50分出発。先にオランダ人若夫婦が登って行った。

Imgp0810 天狗原12時50分着。

祠へ2拍手していたら、ほぼ同時に着いたオランダ人の夫がこっちを見て、ニコっと笑い、2拍手を真似た。
「ジャパニーズゴッド イズ イン ジス ハウス」
「オオー、アイ シー」

2人が祠の横で交互に写真を撮り出したので、「ツーショット メイ アイ ツーショット?」、それが通じたのか、夫から大きな一眼レフを受け取り、仲睦まじく寄り添った夫婦を撮る。
カメラを返し、「チェック プリーズ」
画面を確認した夫は、ニコっと「パゥフェクト、サンキュー」
こんなエエカゲンな英語でも伝わるモンだ。

Imgp0834 誰も滑ってない斜面を探して、北の外れから下る。 

Imgp0814 その後、南の外れへ進む。 

Imgp0815 更に南へ尾根を越える。

Imgp0823 自然園の小屋は除雪真っ最中。

Imgp0826 南俣の広い谷の端から端をターンする。

13時半、まだ戻るのは早いし、途中から南隣の斜面へ行ってみる。

Imgp0827 上はそこそこ急。

Imgp0828 下は狭まった谷。ここへ下るとゲレンデに戻り難くなるはず。

Imgp0830 チョコッと滑って直ぐ尾根側へトラバース。

Imgp0831 シラビソの森の中を歩く。

Imgp0833 10分も掛らずいつも下っている谷に出た。たった15分程の寄り道だった。

14時、ゲレンデ戻り、暑い春の日は終了。

10日、小谷の天気予報は朝から曇りで12時~15時に雪マーク。いずれにせよ天気は良くないのでノンビリしてから宿を出る。

Imgp0835 10時過ぎ、栂の森へ着くとロープウェイは運休中だった。

シールを貼って歩きはじめると直ぐ、雪がチラチラ、シンシン。

Imgp0836 深い穴がスッポリと開いている。地面まで1m以上、モノを落しても、自分が落ちても大変だ。

林道へ上がると3人組が降りてきた。「どこまで行けました?」
「天狗原の下まで」
「もうチョット、昼過ぎ頃まではもつと思たんやけどねぇ」
オバサン2人を連れたガイドさんのようだった。
「どこまで行かれます?」
「テキトーなトコまで行ってヤメますわ」
この人達が登り始めた頃、ロープウェイはまだ動いていたそうだ。

Imgp0837 11時過ぎ成城大小屋着。雪はシンシン降っている。

Imgp0838 11時20分、自然園の小屋着、吹雪いている。手袋が濡れて指先が冷たく痛いので交換する。

Imgp0839 誰もいない吹雪の自然園。

Imgp0840 まだ昼前だけど帰りましょ。

Imgp0841 成城大小屋の下から林道は立入禁止。下山はロープウェイをタダにするのでそれに乗れ、と書いてある。
しかし、ロープウェイは運休中。

登って来た林道ショートカットの谷を下り、12時過ぎ栂の森着。

あまりにも早いので、ゴンドラ中間駅までハンノ木コースを下り、登り返して来たがビショビショでボトボト、そのまま再度下ってもうヤメることにした。

とにかくビショビショ、ボトボト、宿へ戻り、部屋の暖房を点け、ザックの中身まで乾かした。

上では冷たい吹雪、下では冷たい雨。4月になっても冷たい日がある。


栂池冬景色’14年その11、自然園から船越の頭

2014-04-08 15:20:09 | 山とスキーでブラブラ

白馬乗鞍から小蓮華へ続く稜線に、ピークの様に見えるのは“船越ノ頭”と言うらしい。乗鞍より200m弱高い。

自然園からこの稜線へは、4回挑戦して2回ギブアップした。
稜線へ近付くにつれ、傾斜が急になり、チョットコワイ。雪庇が張り出していたこともあり、両手に持ったスキーを雪面に突き刺しながら、キックステップで越えた事もある。

いずれにせよ、林道から標高差1000m弱、これはキツイ。
近年、自転車で100km走ったり、標高差で1000m登ったりすると、しばしば脚を攣るワタクシ、昨年は行こうとも思わなかった。

しかし前日、乗鞍から数グループがその稜線にいるのを見て、2日、チョット行ってみることにした。なんならロープウェイで楽をしてもイイし、足攣ったらヤメたらイイし、「自然園から稜線へ行けるトコまで」と、定宿の主人に告げて宿を出る。

ゴンドラを降りて、通勤電車の乗り換えの如く、ロープウェイの方へバックカントリーの若者達に続くと、前を行くアベックのお嬢さんが、「アァ~っ」と言って板をVの字に広げて止まった。時間は9時。
「ロープウェイ、出てしもたかぁ?」
「エエ、今、上、通って行きました」
「じゃあ次、30分後だよぅ」と、オニイチャンの方が嘆いている。まぁエエやン、30分、二人でオシャベリでもしておけば。

ワタクシは、この日も林道を歩きましょ。前日とは違って、リフトはちゃんと動いていた。

Imgp0759 9時10分、林道着。パトロールが二人、降りてきた。「オハヨウゴザイマ~ス」「ゴクロウサン」

栂の森から直接林道へ上がって来て、最初のショートカットで追い抜いて行った2人組、スゴク速い。服装や装備を見ると、あれは山岳スキーレースのアスリート(?)、それにしても早い。

Imgp0760 10時、自然園着。

かなり先に3人組、その後に一人、乗鞍の斜面に沿ってトラバースしていく4人組が見えるが、近くには誰もいない。

Imgp0762 11時10分、背の高いダケカンパ(白雪姫)をシラビソの小木(こびと達)が取り囲むように生えている場所で、今年も休憩。

その先では4人組が休憩中。挨拶をして追い抜く。
しかし、その中の若者1人、スゴイ早さで追い付いて来て、色々話しながら登る。2月半ばの豪雪災害時、彼は清里で3日間、車に閉じ込められたそうだ。
その後、彼は他の3人を待つべく腰を下ろした。トレースはダケカンパの群生へ続いている。

このトレースは、ダケカンパの群生を過ぎると、金山沢へ滑り降りて行くのだろう、いつもそうだ、と思っていたら、ナント、稜線へ続いていた。

船越ノ頭へトレースが付いているのを見たのは初めてだ。やはり、4月になると皆さん、稜線へ上がるのか。しかし、このトレースはアリガタイ。

そして、稜線へ続く支稜には、真っ直ぐなトレースやジグザグのトレースが、何本もついていた。

ワタクシ、右足の付け根辺りが攣ってきた。曲げると痛い。右足は半歩ずつ出して登る。そして傾斜が段々急になり、ジグザクで向きを替える時、ムチャクチャ緊張する。

Imgp0763 13時半、何とか稜線着、フゥ~う。風は少し強くなったが、シールはキチンと畳むことが出来た。

Imgp0764 杓子~小日向の尾根と、その向こうに唐松~八方尾根が望める。

Imgp0765 小蓮華への稜線には3人組が見える。

Imgp0766 自然園と栂の森ゲレンデを見降ろす。

稜線を少し下ると斜面が見えた。皆さんそこから滑り出した様だ。

Imgp0767 斜面に入ると、いくつものシュプール。どれが自分のなのか判らない。

Imgp0782 誰も滑っていない斜面を探して下る。

Imgp0770 前日下った乗鞍の南面。よく見ると二つのシュプールが確認出来る。Imgp0772 マッサラの斜面が続く。

Imgp0773_2 かなり下まで降りてきた。

Imgp0785 14時20分、自然園に着いて振り返る。自分がどこを下って来たのかがよく見えた。右端の無数のシュプールは、先程の4人組のものらしい。ダケカンパの群生を越えた辺りから下ったようだ。

Imgp0787 南俣の谷から振り返ると、シラビソの林の向こうに船越ノ頭がチョコッと見えた。

14時50分、栂の森のカフェテリアへ着いて、ビール一缶呑みながら、30分程ボォ~っとした。

Imgp0788 15時半、鐘の鳴る丘から見上げる白馬三山のシルエット、のどかな午後。

Imgp0781 小学生がスキーレッスン中、穏やかな雪解けの午後。

Imgp0786 3日、午後からは雨の予報だが、見事なモルゲンロート。

朝食後、10時前まで部屋でゴロッとしていたが、取りあえず雨が降り出すまでゲレンデを滑ることにした。

Imgp0790 10時半、天狗原から上は雲に隠れている。

Imgp0791 馬ノ背の尾根は立入禁止。

Imgp0793 当然この日は、ヘリは休止。乗り場を盛り直し中。

Imgp0794 ハンノ木コース途中から五竜、鹿島槍が見えた。

Imgp0795 ゲレンデあちこちから水が流れている。

Imgp0799 しかし、まだまだタップリな雪。

この時期、スキースクールもヒマなのか、インストラクターがあちこちで遊んでいる。テレマークをしている人もいる。
ン?、あれはなに?ボードを履いて、両手にはストック。昔、2本の板がくっ付いた状態の、確かモノスキーと言うモノがあったが、明らかに横向きに履いている。
近くで止まったので、「それはスキーですか、ボードですが、どっち?」と訊いてみた。

要するに、このスキースクールのセンセイは、戯れでボードで滑ってみたが、やはり上手く滑れず、何回もコケるのでストックを使って見たとの事。
「スキーとボードは全く別モンです、ストックないとコワイ、コワイ」
「でも上手いコト滑ってますやン、さすがやねぇ、そうやって滑れるンやったら、新しい滑り方としてやったらどうです?」
「イヤ、ボクらは基礎スキーの普及が仕事なので、ヘンなコトやったら怒られます、それじゃまたァ」、と言ってサァ~っと滑って行った。

Imgp0800 14時を過ぎても雨は降り出さず、結局、栂の森~ハンノ木コースを6往復して、この日はオシマイ。

Imgp0801 途中からコース外に出て、31日から止まっているリフトの乗り場近くへ行くと、雪の割れた湿地にミズバショウが現れていた。

次週は定宿が水曜からなら泊れるとのコトなので、それで今年の栂池冬景色を終わることにする。


栂池冬景色’14年その11、エイプリルフールの白馬乗鞍

2014-04-08 12:31:06 | 山とスキーでブラブラ

3月31日、信州までの路面、路肩はおろか、道路周辺からも雪は消え去り、青木湖を過ぎると、雪解け真っ最中の穏やかな信州の景色となり、毎回9時半過ぎFMから流れていた、ゲレンデの積雪量情報は終わっていた。
信州でさえもうスキーシーズンはオシマイと言う事だ。

Imgp0722 4月1日からはほとんどのリフトが営業終了、明日以降は鐘の鳴る丘からリフトを乗り継いで上へは行けない。

場内放送が、強風でゴンドラや上のリフトが休止している、と言っている。と言う事は、今年はもう、リフトで上へは行けない。

Imgp0723 取りあえず上がってみる。小蓮華の稜線では豪快に雪煙が上がっている。ナルホド、上は風が強いらしい。

Imgp0724 ここから上のリフトは止まっていた。

Imgp0725 仕方なく、横へ乗り継でいく。雪がドンドン融けている。

チャンピオンゲレンデにはモーグルバーンが2本、小谷村のジュニアチームが、真っ直ぐに続く30コ以上のコブを飛び跳ねていく。
このゲレンデも明日からは滑れない。

風は中々弱まらず、下の方のリフトを20回ほど乗ったら飽きてきて、この日はオシマイ。

Imgp0727 雪がスッカリなくなった午後の駐車場。

定宿での夕食時、大女将が「オトモダチからこれ、預かってます」、Sサンが前週末、CDに収めた写真を届けて下さったそうだ。2月に乗鞍から天狗原へ滑り降りるワタクシを撮って頂いていたのだ。アリガタイ。

4月1日、上へ登るには絶好のお天気。8時過ぎゴンドラの駅に行くと、ズラ~っと人が並んでいる。ゴンドラは8時半から運転になっていた。

栂の森でゴンドラから吐き出されたバックカントリーの皆さん、アタリマエの様に次々とロープウェイの方へ。まるで通勤電車の乗り換えのよう。
ワタクシ、その群れに溶け込めず、ゲレンデ最上部へのリフトへ。林道を歩くことにした。

しかしそのリフト、8時50分から運転と、下のリフト券売り場に掲示されていたのに、まだ動いていなかった。
「スイマセ~ン、もうチョット待って下さい」、係のオニイチャンが動かしたり止めたりしている。
すると精悍な青年が一人やって来て、係員にキップを求めた。
「240円です、消費税アップしてません」、係員のオニイチャン、一回券を持ってきて、「後3回、ベルが鳴って動いて、止まったら乗れます」
精悍な青年は、ロープウェイの切符は買ったが、どうやら9時の便に乗れず、次が30分後で、しかもウラヒヨへ行く(?)ので林道途中から上がれる(?)から、とか言っていたが、ワタクシ、状況よく判りません。

結局リフトが動き出したのは、9時を10分もまわっていた。

Imgp0728 林道着、9時20分。

Imgp0730_3 成城大小屋着、10時5分。

Imgp0731_4 天狗原への登り、傾斜が徐々に緩くなり、トレースは真っ直ぐ付いている。

Imgp0752_2 11時20分、天狗原着。ヘリで上がった手ブラのスキーヤー、ボーダーがくつろいでいる。

Imgp0733_2 乗鞍の斜面を登っている“手ブラ”もいる。

ボードを抱えて登っているアベック、ワタクシのシール登高を見て、「ヘぇ~、そういう風にして登ってくんですかァ、それもキツイっスねぇ」
彼らはその後すぐ下って行った。

Imgp0734_4 12時40分、頂上ケルン着。ナント、他に人がいた。2人組と3人組。その先の稜線にも数人いる。さすが4月になると皆さんケルンまで、更にその先まで来られるようだ。

水を飲もうとしていたら、少し離れた所にいた一人の紳士、「あぁ、どうもォ」と手を上げた。
Sサンではない、川崎のY氏でもない、昨年遭遇した青年でもない、「エェッと、どちらサマでしたっけ」
「宿で一緒だった ・ ・ ・ 」、そう言えば、定宿にはもう一人客がいて、フロと食堂で、挨拶だけはした。
「オトモダチの人と一緒に登って来たンですよ、ゴンドラで一緒になって、色々話ししていたら、貴方のコトになって、その人、きっと登って来ているハズだ、と言ってあっちの方へ捜しに行きましたよぅ」、と南の方を指した。どうやらSサンもテッペンにいるらしい。

この日は南面を自然園へ降りる予定だったから丁度良かった。
その旨、同宿だった紳士とそのお連れサン(?)に伝えて、南側へ進むと、小蓮華へ続く稜線を眺めている人ひとり、ウェアとザックの色からSサンだと判った。
「Sサ~ン」、Sサンは振り返って手を上げた。

早速、写真CDのお礼を言って、同宿だった紳士からSサンがいることを聞いた、と話したら、「あの人、貴方と同じ名前でしたよぅ、ゴンドラで話してたら、H山荘に泊ったと言ってたので、それじゃ神戸の〇?サンと言う人が泊ってなかったか、と訊いたら、ワタシも〇?ですって、岐阜から来たらしいです」、そう言えば定宿のH山荘駐車場には、岐阜ナンバーのワゴンが止まっていた。
「ヘェ~っ、世間は狭いちゅうか、ナンちゅうか、ホンマ、オモロイですねぇ」
ホントにエイプリルフールのウソのようなはなし。

すると、同宿だった紳士とケルンの横で話ししていた、もう一人の紳士がザザザ~っと滑って来て、「南側を滑ると聞いたので、ついて来ましたァ、連れてって下さい」

Sサンも一緒にどうですか、と誘ったが天狗原に来ている知人と合流するとの事。

それじゃ、下のカフェテリアで会いましょう、と南側の斜面を見降ろす。昨年は湿って重い雪で最悪だった。

Imgp0758_5 しかし、今年は適度に締まっていて、まぁ快適。

Imgp0754_5 「連れてって下さい」とついて来た紳士は、十日町のHサンと言う人、「サイコーですねぇ」と言いながら続く。

Imgp0755_7 サイコーの斜面は続く。

稜線から下り降りたボーダーと、その仲間らしきボーダーが稜線にいて、無線で何やらやり取りしている。「あれアベック見たいですねぇ、稜線にいるの女の子見たいですよぅ、さっきからズッと稜線にいます」、Hサンは観察していたらしい。
「女の子、ビビっているンでしょうか?まぁどうでもエエけど」

Imgp0756_6 Hサンの携帯が鳴ったので先に行く。

Imgp0757_3 自然園へ到着、13時半。

Imgp0743_4 その後、Hサンを南俣の谷へお連れして、14時10分栂の森のカフェテリア着。Sサンはいつもの席で休憩中。「岐阜の〇?サンはさっき下って行きましたよ」

その後、3人で30分程オシャベリ。

Hサンの話では、新潟の十日町と言っても、長野の方が近く山の道具等は松本で調達する事もあるとの事。また雪国だが山が小さいので、山スキーのスケールも小さいとか。
Sサンも親戚が十日町にいるそうで、どのルートがより近いとか、Hサンがアドバイスしていた。
いずれにせよ、お二人とも栂池へは日帰り。イイですねぇ。

次週、Sサンは蓮華温泉へ行ったりとかで、乗鞍や自然園には現れない。

「来年も生きとったら必ず、毎週神戸から通いますので、またお会いしましょう」と、お別れした。

エイプリルフールの日、快適でサイコーの一日だった。