相変わらず、ダルくシンドい日々が続く。目覚めぬまま、一日が過ぎて行くのだ。
目覚めぬまま、と言う事はワタクシはもう、死んでいるのかも知れない。まぁそれでダレも困らないので、それでイイのだが。
この小屋を建てる時、切り倒したクヌギや松の、貰い手がない切株は、3年掛かって燃やし尽くし、昨年からはすることが無くなった。
何もすることがないから、何もしなくなった。雪があればスキーはするが、雪がなくなると、ホントにすることはない。
何もしないから、ケガもしない、モノも壊さない。全てが平穏無事、ワタクシの周りには争いはなく、平和。ホントにもう何もしなくてイイのだ。
そして何もしないので、忘れる"ポカ"がある。
4月の初め、"ポカ"が何回かあった。
買い出しに行こうとして、車に乗り込むと、センターコンソールに出しっ放しにすべきキーが、差しっ放しだった。
ここに住むようになって、車は小屋に停めるようにした。小屋に戻り、車を停めてオワリ。今までのマンションの駐車場とは違って、キーは付けっ放し、そう言う生活がしたかった。
しかしキーはチャンと抜かないと、通電状態が続くそうで、結局バッテリーは上がってしまう。小屋に着くとキーは抜いて、センターコンソールに置いておく、それがここでのルールだ。
そしてこのルールは、しばしば忘れ、車を動かせない"ポカ"が起きる。
1回目は松本のディーラーに助けて貰った。全く付き合いのない、まだ何も買っていない客のために、ディーラーの担当者は丁寧に対応してくれた。しかしいつまでも甘えられない。直ぐジャンプスターターを購入し、2回目からそれで"復活"させるようにした。
ただ、充電100%にするのを、毎回忘れる。つまりその日は車は動かない。
この日の買い出しは、ミニバイクを100回程キックして動かした。コイツは40年程前のマシンだ。信州で使えるのは夏場だけ。今回も始動するのは半年(?)ぶり。しかし機嫌よく動いてくれた。ヤツはワタクシが死ぬまで付き合ってくれるかもしれない。
翌日、充電を兼ねて白馬まで走る。コイツは17年目の22万キロ以上走った車。コイツもワタクシが死ぬまで付き合ってくれると思う。
次の"ポカ"は火事騒ぎ。
ワタクシは、神戸・垂水での“単身炊事”時代から、コンロ周辺には油除けの広告を広げている。これを広げておくと、油まみれのコンロ周辺の拭き掃除は不要、油まみれの広告を捨てるだけでオワリ。
この夜は、使わない側のバーナーのゴトクにも広告を被せていた。そしてあろうことか、このバーナーに点火してしまった。
広告を透かして点火したバーナーが見える。広告が燃え上がるのは刹那。
幸い炊事場の横には大きな窓。そこから外へ放り出す。
直ぐ庭のゴミ焼きスペースに移動しようと外に出たが、アっという間に、広告は砂利の上で燃え尽きた。
紙を上に置いたバーナーに火を点ける。ワタクシは何を考えているのか。
3日後は、炊事台の下を水割りまみれにする"ポカ"をしてしまった。
毎夕、4時になると、水割りをチビリチビリやりながらメシ作り。
水割りが地酒に代わる頃、ディナーになるワタクシの幸福タイム。その時、何気なく置いたグラスを炊事台から落とした。
グラスはステンレス製だったので、割れはしなかったが、2杯分入る大きさ。床は水割りまみれ、炊事台の下を覗くと、奥まで水割り浸し。
それを片付けない限り、ディナータイムは訪れない。まさに「びぇ~ン」だ。
こんな"ポカ"が度々あると、オッサンが段々老いてきたら、一人暮らしに無理があるかも、と思う様にもなる。
しかし、もしツレアイがいたとしても、ツレアイも同様の年寄り。二人揃って"ポカ"を起す危険性もある。
一番イイのは、年寄りの"ポカ"を起さない、若いオネェチャンをツレアイにすることだが、お金が掛かるし、場合によってはクスリ盛られて、コロされることもあるらしい。
要は、若いオネェチャンをツレアイにしたら、"ポカ"は多少回避出来るかも知れないが、バチが当るのだ。
年寄りの独り暮らしに無理があるなら、死ねばイイ、それだけだ。
4月終わりには、今シーズン最後の"ポカ"。
今年は、雪解けが早い様に思う。
4/26、取り合えず栂池に行った。
駐車場はガラガラ。
ゲレンデの上部にしか雪はない。
中間駅までは、もう滑って降りれない。
残雪期の後立山は毎度の如くイイ景色。
ハンノキはリフト1本分しか滑れない。
栂の森も上の方はアチコチで雪割れ。ホントにもう終わりなのだ。
しかし栂の森とハンノキのリフト1本分は充分滑れる。春の栂池はそれでイイのだ。
そう思いながらノンビリ板を履こうとしたら、ン(?)、履けない。要するにビンディングにブーツの先が嵌らない。
ナンデ(?)、中々現状が理解できない。
ワタクシはセット出来ないブーツと板(ビンディング)を持って来たのだ。ブーツはステップイン用、しかしビンディングは山スキー用のTLT、これはどうやっても板は履けない。
ナゼ、気が付かなかったのか。駐車場でブーツを履いた時、板をゴンドラ側面の差込口に入れる時、気付くタイミングはあったハズ。それを栂の森まで持ってきてしまった。
いずれにせよ、わたくしのこの「びぇ~ン」な現状、どうするか。
結論は単純、帰るしかない。
枯葉色に覆われたゲレンデを、ゴンドラから俯瞰する。
この日、栂池にいたのは1時間半。白馬乗鞍の稜線はまだ真っ白。
しかしあそこへ行く元気はもうない。