日曜から見事に雨が続いている。
どこへも行けない、どこへも行かない。
何も出来ない、何もしない。
屋外での仕事でもやっておれば、グッドタイミングな雨読の休養になるのだろうが、遊び人の身はただ腐るだけ。
やみ間の午後の買い出し、いつものスーパーで、持参したレジ袋を準備して並ぶ。
前にはキャリーバッグを引きずったおばあさん。何かの持病を背負っているのか、バッグからチューブが顔のあたりまで伸びている。
そのレジにはパートのオバサンではなく、バイトのオネエサンがいた。
このスーパーのレジで唯一のオネエサン、ボーイッシュでカワイイ。
おばあさんがオネエサンの前にスイカ1/4切れをドン、と置く。
オネエサンはレジ係のきまり言葉、 「袋、要りますかぁ?」
「ハダカのまま持って帰られヘンやんッ!」
思わず笑いそうになった。 そらぁオバアちゃん、アンタの言うとおりや。
一瞬の間はあったがオネエサンは、明るく元気に「はァ~い」と手渡し。
オバアサン、その場でスイカを袋に入れて、お釣りを受け取りスタスタと去って行った。
次はワタクシの番。カゴには袋不要の札を入れてます。
「ご協力ありがとうございます、エコポイントをお付けいたします」
「オモロイおばあちゃんやったねぇ」
「エエ、色んな人、いますね」
「袋要りますかの意味、判ってヘンねやねぇ」
「ウフフ」
" 色んな人" のに中に、気安く声をかけてきたこのオッチャンも入ってルンだろう、きっと。
マンションへ戻ると、エントランスの階段に中学校の制服を着た女の子が二人、座って談笑している。 ドアが開いて別の二人が入ってきた。
楽しい下校時間なのだ。
フッと宝塚の二人の女子中学生の事件が頭を過ぎる。
二人ともオヤジとは血が繋がっていない、両親から暴力を受けていた、家族から疎外されていた、学校でも孤立していた、教室を抜け出して二人で話していた、といった事が報道されている。
エントランスの階段で仲良く座って話している二人、宝塚の二人もそんな感じで話していたンだろうか。
しかし、彼女たちの話題は楽しい明日の計画ではなく、トンデモナイ計画だった。
ナゼ救えなかったのか、と皆さん言われている。
宝塚の市長は、救えなくてゴメンネ、と言われていた。
その通りだろう。
しかし、しかし、そう簡単には救えないでょ。
事件は止められたかもしれない。だが、彼女たちの環境はどうやったらマシになるのだろうか。
40年も生きていた両親がそう簡単に悔悛する訳ない。
救う事など出来ない。
彼女たちと並んで座って一緒に泣くこと、多分気持ち悪い、と言われるけど、それが我々の非力な実力だと思う。少なくともワタクシはそうだ。
しばしば起こる、乳幼児が虐待を受けて亡くなる事件。その多くは母親と同居する男にコロされている。
母親はその男、つまり血が繋がっていないオヤジの虐待が止められなかった、逆に加担した、と報道されていることもある。
今回は子供は死ななかったが、母親の殺人者となった。
もう一部の母親は子供を守らなくなったンだろうか。