蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

あるじなしとて、ツツジは忘れず

2012-05-15 14:55:30 | 朽ちゆく草の想い

近所の景色が若葉色にかわり、いきなり初夏を越え真夏の暑さになったりして、順調に葉っぱの緑が濃く、深くなり出したと思ったら、先週は急に初冬の様な雰囲気。
そのまま直ぐ雪のシーズンになってくれるのなら、それでもイイけど、そこまでの異常気象ではない。大きな竜巻は起きたけど。

しかし、竜巻は平安時代に京都でも起こっていて、最近の異常気象のせいではない、そもそも地球温暖化などない、と言う人がまだいるそうだが、世界の10年ごとの平均気温の推移は、’71~’80までに比べて、’81~’90からは明らかに、急激に高くなっているらしい。

年がら年中、暑くもなく寒くもなく、空腹はなく、移動は速くて楽で、物を持ち上げるのに力はいらず、知りたい事は直ぐ判って、欲しいモノの多くは安く買えて、可愛いオネエチャンが歌って踊る様はいつでもどこでも見れて、そんな快適で豊かで楽な生活を求める「欲」は、資本主義の原動力で、「欲」を満たすために必要なお金稼ぎは、全てに優先してイイそうだ。
工場はボンボン火ィ焚いて、捨てる程モノを作り、お店は新聞よりブ厚い広告で宣伝して、お客さんは捨てる程モノを買って、皆さん、電気ガス、バンバン使って、快適で豊かで平和だ。

「欲」は次から次へと満たされて行く。
しかし、明らかに温度は上がっていると思いますけどねぇ。

もともと、節電節約とかは、原発事故以前に、地球温暖化対策の一環で、叫ばれていたはず。

いずれにせよ、ワタクシは5年前失業してからズッと、電気は消しまくっているし、寒けりゃ着こむし、暑けりゃ風通してガマンするし、1日二食だし、ゴミは極力資源回収に出して、神戸市の指定袋買わない様にしてルし、でもそこそこ豊かです。

布引谷・山の家の周りの景色が昔と違う事が気になり出し、また、布引ウォーターの色が緑がかったりして、そこへ再定住することを諦めたが、定期的には戻って雑草などを引いている。そうしないと、草木に覆われたオバケ屋敷になってしまう。
そこは、ワタクシの本籍であり、ここから20年以上、通園、通学、通勤していたのだ。

しかし、1月から4月頃までは信州・雪山通いでほぼ放ったらかし、その時期は雑草も元気ないので、まぁいいでしょう。

13日の日曜日、久しぶりに戻ってみた。

Imgp3252 布引谷は初夏の雰囲気。

Imgp3253_3 庭のツツジは今年も元気に咲いていた。

Imgp3254 あるじなしとて、春を忘れず咲いていた。

雑草もそこそこ元気だった。
咲き終わったスイセン、これから咲くカンゾウはモーレツに元気だった。スイセンもカンゾウも昨年かなり刈り取ったのだが、種イモが残っている限り毎年元気。自然は元気。

雑草を1時間弱で片付けると、後、する事がない。オフクロが残した古着、小物はほとんど片付けたし、古い写真、卒業アルバム、卒業証書、そして位牌は持ち帰っている。

で、櫻茶屋のレイコさんの様子を見に行った。

甲状腺ガンの手術が終わって、4月初めに退院されていたが、その後問題なくお過ごしとのこと。
「後20年、ダイジョウブですねぇ」
「後20年言うたら、ワタシ100歳やわ」
「よろしいやン、100歳のコワイ茶店のオバアサンで」

レイコさんはマナーの悪いハイカーには遠慮なく注意する。だからコワイ茶店のオバサン、と言う事になっている。
その日も非常識なボーイスカウトに注意したらしい。
最近はナント、ボーイスカウトがバーべキュウ道具と食材をワンボックスで運んで来て、川原で大宴会をするらしい。「ボーイスカウトなら、全て担いで登ってこい、ですよねぇ」
また、以前は奥の川原でキャンプするので、水をくれ、と言ってきた事もあったらしい。「水は川で汲め、ですよねぇ」

「ところで、5~6人のオバアサンとオジイサンのグループ、いつも奥のお地蔵さんのトコまで行ってはルそうですが、最近会わへンのですが、どうしてますぅ?」
「あぁ、あの人らねぇ、ロープウェイの定期、買うたらしいよぅ」
この老人グループはオフクロのおしゃべり相手だった。
いつもキャッキャキャッキャ、オバアサンの喋り声に、甲高いオジイサンの大声が混じり、遠くからでもその楽しそうな雰囲気が直ぐ判る。しかし、ロープウェイを使うのなら、ワタクシが午前中にでも庭にいないと、まず出会う事はないだろう。

「あそこの主人、最近どないしとンやろ、ほとんど付き合いないから知らんけど、ヨメサンは何ヶ月かに1回、水道代集金に来よるけど」
レイコさんはまた、もう1軒の茶店の話をしだした。
瀬戸内海国立公園六甲山地区の神戸市の土地を、スクラップの様な建設機械等の置き場として、不法占拠している茶店の事だ。

市ケ原の自然とレイコさんに惚れて、ここへ住み着いたご主人は、周辺の整備を色々行われたそうだ。その時、茶店が不法占拠している横の空き地も、車の転回場所として整備されたらしい。
その場所にも、以前からスクラップが置かれている。

レイコさんの許せない気持ちはよく判る。

スクラップから数10m離れたその茶店は、自然の中の軽食喫茶店的風情で、その日も営業していた。
常連客はそこそこいるらしいが、そのほとんどは、あの自然を汚すスクラップの所有者が、その茶店だとは知らないらしい。