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静かなパラダイス

見知らぬ乗客…

2018年03月20日 | Weblog



映画「見知らぬ乗客」(1951年・米)
原題「Strangers On  A Train」
原作:パトリシア・ハイスミス
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:レイモンド・チャンドラー チャンツィ・オルモンド
撮影:ロバート・バークス
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ファーリー・グレンジャー ロバート・ウォーカー
   ルース・ローマン パトリシア・ヒッチコック
   ケイシー・ロジャース レオ・G・キャロル 他



偶然列車に乗り合わせた見知らぬ二人。
交換殺人すれば動機がない→完全犯罪…というお話。
原作はパトリシア・ハイスミスですが、あくまで原作。
ヒッチコックなので、大幅に変更されている。



オープニング:駅のシーンのカメラ・ワークから
一気に物語に引き込まれる!
加速するサスペンス…観客を唸らせるテクニック…よくできている!
少々甘いところもあるけど、第一級のエンターテイメント!
エンディングが米国版と英国版では少しだけ異なる。



脚本にハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーを起用!
プライドが高い偏屈で酒飲みの著名な作家は、
当然ですがヒッチコックとはそりが合わない。
ビリー・ワイルダーも傑作「深夜の告白」(1944年・米)で
チャンドラーを起用しますが、関係は最悪だったそうです。



余談ですが…
驚くのはハリウッドの高額なギャラ…週給1,000ドル!(当時)
1940年代 1ドル=今の4,000円程度 週給ですよ!
チャンドラーが作家はアホらしいと思ったのも無理はない。
ちなみに監督のワイルダー 2,500ドル/週…絶句!



ラストが有名な迫力満点の遊園地での回転木馬のシーン!
ヒッチコック・フォロワーのブライアン・デ・パルマ監督が
映画「フューリー」(1978年・米)でそのままやっている。

しかし…「キャリー」の後に撮られたこの映画の出来は “?”
テーマにキャスティングは最高なのに→惜しい!
主演のカーク・ダグラスがもう少し若ければ…
サスペンスとホラーがゴチャ混ぜ→中途半端!
傑作になりえたのに…残念!(泣)

映画は芸術であり巨大なビジネスでもある。
有象無象のさまざまな人たちが関わってくるので、
製作側の苦労といったら…そら大変…ストレスどころではない!
まれに偶然の傑作というのもある…興味は尽きないですね!