・・・今、読んでいる本は矢澤高太郎著 「天皇陵」です。
私が古代史の本は知識的興味で読むので、著者が考古学者か古代史学者の本がほとんどで、この本の著者のような新聞記者の書いた本は珍しい。
天皇陵については古代史を考えるうえで重要な遺跡ではあるが宮内庁によって厳重管理されて立ち入り禁止になっている、 古代史の御陵については、宮内庁が、かなり以前に作成した地図などで、研究されているのが、古代史研究の現状である。
本書はそれらの御陵について新聞記者として長い間取材してきた経験をまとめたものです。
上の表は初代の神武天皇から、42代文武天皇までの御陵についての研究をまとめたもので、右端に×がついているのは被葬者が間違って宮内庁が管理していると思われるもの。△は間違っている可能性のあるもの。〇のみが被葬者が正しいと思われるものです。
被葬者が正しいと思われている天皇御陵は40基の内、5基のみで、45基は間違っているか怪しいと思われているものです。
これらの天皇陵は莫大な税金を使って維持管理されているもので、確実に間違っていると思われている御陵でも、宮内庁は立ち入ることを禁止していて、税金の無駄遣いが永遠に続いていくようである。
しかし、宮内庁が税金をかけて維持管理しているのは、上の表の40か所だけでなく皇室典範で規定されている宮内庁管理の陵墓は全国に896か所ある。
そして、まだそのほかに、法律に基づかない陵墓参考地という宮内庁管理の立ち入り禁止の陵墓が全国で46か所ある。
この膨大な国民の歴史資産を宮内庁という官庁が、公の議論もなく、公開や調査もしないで維持管理していることは、許せない問題である。