・・・私には二人の兄がいた、何事につけても、私の人生の先輩だった。
年に二回は必ず、墓参りを兼ねて実家のあった大阪に行き、夕食を兄弟で共にしていた。
ここ五年の間に、続けて兄二人をなくし、わたしにも、次の番がくることを意識するようになった。
この年になると、今までに生きてきた時間に比べて、兄二人の死亡年齢から類推する残された人生の短さに焦ってしまう。
そして、考えることは、残された人生で、やらねばならないことは何かであるか。
人生の終わりを考えた、これからの人生はあまり楽しいものではなくなる。
その考えに、何か納得しがたい気持ちを感じていた。
表題の「老いる意味」というのは、著者が森村誠一氏で書店の新書ランキング一位の本で、最近、よく読まれているらしい。
新聞の書評の中に、著者の言葉として、「過去に目をむけば、今の自分が一番年老いているが、未来に目を向ければ、今の自分が一番若い」とあった。
残された人生と考えるから、寂しくなるのであって、これからの人生で、これだけのことをしたいと考えれば、今がスタートになる。
そこが出発点であり、これから始まるのである、この考えが大事だと思った。
さて次に何を始めるか。