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俺祭りで行こう

やりたいことしかやらない俺祭り104(おれまつりとし)のへなちょこブログ。

安東能明「15秒」(ネタバレ注意)

2011-05-20 | 読書・作家ア行

 ネタバレ注意、かな。

 「時間をずらす」。システムに関するお話で、個人がJRのような大企業のシステムを狂わすという設定ですが、全然リアリティがなくていただけません。おまけに登場人物たちの輪郭がなんかぼやけていて、どうにもノレませんでした。


萩原浩「噂」

2011-02-26 | 読書・作家ア行

 少々掘下げが甘いというか、底が浅く感じてしまう。登場人物があらすじ程度の描写でどうもイマイチ。主役の相棒の女性刑事だけリアルに感じた。

 こういう結末に持っていくんなら主役刑事とその女子高生の娘をもっとリアルに描いてほしいところ。自分の読み間違えかと思って少し読み直したところも疲れる(笑)


石田衣良「5年3組リョウタ組」

2011-02-16 | 読書・作家ア行
 家庭内でのプレッシャーからおかしな行動を取る児童や、教師間のイジメや、子による自宅放火事件や、テストのクラス間競争に巻き込まれる若い教師のフィーバー。リョウタ先生自身の恋愛もからめて、おもしろく読めます。「池袋ウエストゲートパーク」の学校版ぽくて、リョウタ先生がマコトとダブる。ついでに言えば、同僚の染谷のクールぶりはタカシとダブってる。

浅田次郎「活動寫眞の女」

2010-09-16 | 読書・作家ア行
 昭和44年ごろの太秦の撮影所が舞台で登場人物が大学生とくれば、「ゲバ棒」やら「ノンポリ」やらとレトロな単語が飛び出せ青春。

 僕は当時小学校の低学年で、むしろ「巨人の星」や「全員集合」の方が印象が強いですが、なにかなつかしさ満載で、昔はよかったと意味もなく思ったりしてしまう。文明の利器が次々登場してきて、テレビが白黒からカラーに変わったり、電源を入れたらすぐに映る日立の「ポンパ」が登場したりと当時のアナログの世界でも続々と進化していたわけで。そういえば、チャンネルは「回して」ましたな。
 
 大部屋女優が幽霊として出てきてもそのうちなじんでしまう。舞台設定の勝利といえましょう。

乙一「天帝妖狐」

2010-08-27 | 読書・作家ア行
 短編2編。「A MASKED BALL-及びトイレのタバコさんの出現と消失」は幼稚っぽい文体が板についた乙一らしい感じの小説。この人の文章は高感度大。「天帝妖狐」はモノトーンの感じがいい。こういう感性はサラリーマンじゃ出てこないだろうな(笑)

落合信彦「私が愛した金正日」

2010-04-12 | 読書・作家ア行
 先日、箒木逢生氏の「受命」で金正日が三日(サミル)計画でやられるのを読みましたが、今回落合氏の小説は風林火山影武者説。なんでもありの北朝鮮ということで、小説も言いたい放題。読んでておもしろいには違いないけど、この小説ははなんか違うとも思ってしまう。なんか調子よすぎな感じが。。

石田衣良「池袋ウエストゲートパークⅧ 非正規レジスタンス」

2010-02-03 | 読書・作家ア行
 1年半ぶり(?)だな、マコト。

 今回の4編はワーキングプア系のお話。基本的に湯浅誠氏の著書のマンガ化みたいな感じで、いつものようにさくさく読めます。でも4作目以降くらいから著者のメッセージ性ばかり強くなってきて、逆にガッツリ感がなくインパクトが弱くなってきた感じ。おもしろいからいいけどね。

伊藤計劃「ハーモニー」

2009-12-17 | 読書・作家ア行
 「虐殺器官」は21世紀前半の近未来小説だったけど、本作は21世紀後半が舞台かな。登場人物などはダブってないけど、続編的な感じ。 

 キーワードは、完璧なシステム、健康、平和な社会。なにも痛みを感じないで110歳でみんなが老衰を迎える世の中。たしかに、世の中そんなのが理想みたいな方向に向かってるような感じはしますな。

 でも、完璧なシステムなど絶対にできるわけないし。その辺がちょこっと不満だな。そのあたりについてのこのまた続編が読みたかったところですが、残念ながら著者は今年3月に30代で亡くなってしまったらしく、それは叶わず。その後の世界を見せてもらいたかったところです。

合掌。

伊藤計劃「虐殺器官」

2009-12-10 | 読書・作家ア行
 21世紀前半(かな?)の近未来小説。近未来小説として読んでもおもしろいけど、ホントは今のことについて言いたい放題言いたくて、著者はこういうシチュエーションにしたんじゃないかと思ってしまう。おもしろい、とは一言で言えないものがありました。

雨宮町子「たたり」

2009-11-07 | 読書・作家ア行
 ベタなタイトルなのでどうかと思ったが、オビに「日本版シャイニング」とあるので試しに読んでみた。

 確かに作家夫婦が古い館に住み込んだり、原稿用紙が飛び散ったり、パソコンに意味不明の文字を打ち込んだりと、道具立てはシャイニングっぽいけど、似て非なるものと言うしかありません。 

 まあ、名は体を表すということで。特にラストの方は苦笑せざるを得なかった。ホラーならちゃんと怖がらせてくんないことにはしょうがないでんがな。

浅田次郎「勇気凛々ルリの色」

2009-10-23 | 読書・作家ア行
 週刊現代に連載されたエッセイ集。

 硬軟入り乱れながら面白く読める。どうもこれを書いていた時代はまだ直木賞を受賞していなかったようで、三島好き太宰嫌いの小説家の駆け出しという立ち位置です。自衛隊時代やネズミ講詐欺師時代の小ネタもおもしろい。流しの歌手をやっていたとか、打出の小槌みたいに次々とネタが出てくる(笑)。サラリーマンとは対極の人生ですな。