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俺祭りで行こう

やりたいことしかやらない俺祭り104(おれまつりとし)のへなちょこブログ。

青木雄二「僕が最後に言い残したかったこと」

2011-11-18 | 読書・作家ア行

 癌末期になっても変わらぬトーン。こういう大人は今はなかなかいませんね。

 内容的にはマルクスについて語るところがやはりいちばんおもしろい。カネが頂点で人間がその下にいる世の中はおかしいもんね。どなたか資本主義に代わる新しいスキームを早くあみ出してくださいな。マルクスというよりはアジア系から出てきそうな気がするんだけどどうかな?


石田衣良「夜の桃」

2011-09-30 | 読書・作家ア行

 第一の愛人、第二の愛人は確かに魅力的だが、ひとつ言えることは「こんな都合のいいオンナいねぇよ」である。西東三鬼の句で始まる現代の御伽噺にはちとムリがあるかな、と。「男がピカピカの気障でいられる」西東やハンフリー・ボガートの時代とは残念ながら違う。人の器もたぶん小さくなってるし。しかし、救いのない終わり方はいいです。


浅田次郎「ハッピー・リタイアメント」

2011-08-25 | 読書・作家ア行

 まずエンタテイメントとしておもしろいが、神田の話とか江戸時代の時間の観念の話とかナポリの男女の話とか、ところどころに出てくる作者の薀蓄がおもしろかった。それと、文章は三島をパロッてるね。難しい語彙を並べてみたあとにくだけた言葉をちりばめてみたり。5年後には賞味期限かもしれないけど、そんなの関係ありませんな。


小川勝己「イヴの夜」

2011-05-30 | 読書・作家ア行

 コミュニケーション下手な2人がそれぞれハマっていき、やがて2人は出会う。出会わせてくれるんならバロムワンのように変身してもらいたいところだが、そうはならない。やはりマッハロッドがなきゃダメか。読んで楽しくなれない小説ではあるが引きつけるものはあります。