この本は講談社現代新書で生物学の解説書であるが、著者の個人的な感想の類がおもしろい。たとえば「何も対策を取らなければ、残念ですが日本などの先進国の人口減少が引き金となり、人類は今から100年ももたないと思っています。」とか。
100年というのは衝撃的な短さだし、対策が政治的な対策であるところなど本質的ではないと感じるんだが、生物学のDNAやRNAのしくみなどこの本以外でもよく出てくる何度読んでも頭に入ってこない科学の話のウラで、このような科学と直接関係ない話が出てくるところがおもしろい。もっとも、そういう話に期待して自分はこの手の本を読むクチなんだが。
いい悪いではなく、生と死が繰り返されて進化し続ける以上死ぬことは必然であるとした上で、死ぬ恐怖についての発言や今後のAIに関する考察なども非常におもしろく、人とは何かを考える上で参考になる。
結局自分が人類史に興味を持つ点は、今時点の感じで究極を言えば「心の平安を得るため」(笑)である。が、話が迷宮入りしそうなんで一旦この辺でヤメとくか。